令和6年4月使用分から水道料金を値上げします
更新日:2024年02月02日
1.水道料金の値上げについて
本市の水道料金は、市町村合併により料金を統一して以降、消費税の増税以外では値上げすることなく、18年間現行料金を据え置いてきました。しかし経営状況が厳しい中、健全な経営と将来に渡り安全で安心な水道を維持していくために、水道料金を値上げします。
皆さまには、ご負担をお掛けしますが、ご理解をお願いします。
なお、近江地域については長浜水道企業団の給水区域であるため、今回の値上げについては対象外となります。
2.水道事業経営の状況と値上げの必要性について
水道事業は、地方公営企業会計の独立採算制が基本原則で、経営に必要な施設整備や維持管理費用は、主に皆さまからいただく水道料金で賄っています。
しかし、下図で示しますとおり、令和3年度からは販売価格(供給単価(注1))より生産コスト(給水原価(注2))が高くなる原価割れとなってしまい、現行の料金体系では、水道水が使われるほど会計上の損失が大きくなる状況となっています。
【各項目の解説】
(注1) 供給単価:水道水を1立方メートル使用されたことで得られる収入。いわゆる販売価格。
(注2) 給水原価:水道水を1立方メートル作るために必要な経費。いわゆる生産コスト。
供給単価(販売価格)と給水原価(生産コスト)の推移
また、経営については「第二次米原市水道事業基本計画」を平成30年度3月に策定し、令和9年度までの財政計画を立て運営しています。下図は、基本計画の財政計画に令和3年度までの実績を反映させたものです。
財政収支計画における収支状況表
- 棒グラフ内の数値の単位は千円
- 収支金額は、令和3年度までは決算、令和4年度以降は「第2次米原市水道事業基本計画」の財政収支計画を基に作成
- 有収水量は日当たりの数値で、令和3年度までは実績値、令和4年度以降は「米原市水道事業経営戦略」の数値。折れ線グラフの数値の単位は立方メートル/日
まず、折れ線グラフで示しています有収水量(注3)の推移ですが、令和3年度以降減少することが予想され、水量の減少に伴い料金収入も減少する事が予測されます。
さらに、令和2年度に完了した伊吹南部水質硬度低減化工事や、令和5年度に完了予定の磯浄水場耐震化工事による減価償却費(注4)の増大により支出が増え、令和6年度からは支出が収入を上回り赤字になると見込まれます。
そこで、赤字を回避するために、料金改定増収分で示される収入を確保する必要があります。
さらに、下図に示すとおり、今後30年間で管路の老朽化が急速に進むことから、災害時に水道施設への被害を最小限にするためにも、老朽管の更新を進める必要があり、更新事業のための財源確保が必要な状況です。
これらの理由から、料金改定が必要な状況です。
【各項目の解説】
(注3) 有収水量:料金賦課の対象となった水量。
(注4) 減価償却費:時間がたつことにより、資産の価値が減少する金額を費用として計上するもの。
管路の老朽化の状況
- 経年化管路:経過年数が法定耐用年数の1.0倍以上1.5倍未満
- 老朽化管路:経過年数が法定耐用年数の1.5倍以上
3.料金値上げの具体的な内容について
今回の料金値上げは、健全な経営と水道施設の計画的な更新のために、平均約20パーセントの増額とします。
また、今回の料金改定では、料金の体系も変更となります。現行料金体系は、基本料金とメーター貸出料に分かれていました。新料金体系では、メーター貸出料は廃止とし、基本料金(注5)に含めました。(休止についても基本料金がかかります。)
さらに、現行料金体系は口径ごとに従量料金(注6)が異なっており、大変複雑な料金体系になっています。新料金体系については、負担の公平性の観点から従量料金を口径に関わらず同じ料金にしました。
現行料金体系と新料金体系の比較表については、下記に示すとおりとなります。
【各項目の解説】
(注5) 基本料金:水道をもつ方にかかる固定料金。主に、水を届けるための準備に必要な経費で算出。
(注6) 従量料金:水を1立方メートル使用されるごとに加算される料金。主に、水を作るための経費で算出。
現行料金体系と新料金体系の比較
基本料金の改定
新料金体系では、メーター貸出料を廃止とし、基本料金に含めています。
メーター口径区分 | 基本料金(円) | メーター貸出料(円) |
---|---|---|
13ミリメートル | 440 | 66 |
20ミリメートル | 880 | 88 |
25ミリメートル | 1,430 | 110 |
30ミリメートル | 5,500 | 330 |
40ミリメートル | 11,000 | 440 |
50ミリメートル | 16,500 | 1,100 |
75ミリメートル | 27,500 | 2,200 |
100ミリメートル | 44,000 | 5,500 |
メーター口径区分 | 基本料金(円) | メーター貸出料(円) |
---|---|---|
13ミリメートル | 660 | 廃止 |
20ミリメートル | 1,265 | 廃止 |
25ミリメートル | 2,310 | 廃止 |
30ミリメートル | 9,405 | 廃止 |
40ミリメートル | 18,865 | 廃止 |
50ミリメートル | 29,909 | 廃止 |
75ミリメートル | 50,490 | 廃止 |
100ミリメートル | 92,114 | 廃止 |
従量料金の改定
現行の料金体系は口径ごとに従量料金が異なるため、負担の公平性の観点から、従量料金を口径に関わらず同じ料金とします。
メーター口径区分 | 使用水量(立方メートル) | 1立方メートル使用単価(円) |
---|---|---|
13ミリメートル | 1~30 | 121 |
13ミリメートル | 31以上 | 165 |
20ミリメートル | 1~35 | 132 |
20ミリメートル | 36~60 | 176 |
20ミリメートル | 61以上 | 198 |
25ミリメートル | 1~40 | 132 |
25ミリメートル | 41~70 | 176 |
25ミリメートル | 71以上 | 198 |
30ミリメートル、40ミリメートル | 1~60 | 132 |
30ミリメートル、40ミリメートル | 61~90 | 176 |
30ミリメートル、40ミリメートル | 91以上 | 198 |
50ミリメートル | 1~100 | 132 |
50ミリメートル | 101~150 | 176 |
50ミリメートル | 151以上 | 209 |
75ミリメートル | 1~150 | 132 |
75ミリメートル | 151~200 | 176 |
75ミリメートル | 201以上 | 209 |
100ミリメートル | 1~200 | 132 |
100ミリメートル | 201~250 | 176 |
100ミリメートル | 251以上 | 209 |
メーター口径区分 | 使用水量(立方メートル) | 1立方メートル使用単価(円) |
---|---|---|
全口径共通 | 1~10 | 136.4 |
全口径共通 | 11~30 | 149.6 |
全口径共通 | 31~60 | 187.0 |
全口径共通 | 61~150 | 199.1 |
全口径共通 | 151~250 | 223.3 |
全口径共通 | 251以上 | 236.5 |
- 1円未満の端数は切捨てとなります。また、休止の方についても基本料金がかかります。
料金改定の具体的な額については、使用される口径と水量によって異なるため、各口径の平均使用水量で現行の料金と改定後の料金を比較したものが下記の表になります。
メーター口径 | 平均使用量(立方メートル) | 現行の料金(円) | 改定後の料金(円) | 差額(円) |
---|---|---|---|---|
13ミリメートル | 21 | 3,047 | 3,669 | 622 |
20ミリメートル | 24 | 4,136 | 4,723 | 587 |
25ミリメートル | 69 | 11,924 | 14,067 | 2,143 |
30ミリメートル | 80 | 17,270 | 23,353 | 6,083 |
40ミリメートル | 141 | 34,738 | 44,958 | 10,220 |
50ミリメートル | 383 | 88,297 | 111,578 | 23,281 |
75ミリメートル | 1,695 | 370,755 | 442,447 | 71,692 |
100ミリメートル | 1,944 | 438,746 | 542,960 | 104,214 |
13ミリメートルと20ミリメートルは一般家庭の使用が多く、25ミリメートル以降は業務用の使用が多くなっています。
新料金の計算例
13ミリメートルの口径で1か月に21立方メートル使用した場合(税込)
(基本料金)660円+(1~10立方メートルの単価)136.4円×10立方メートル+(11~30立方メートルの単価)149.6円×11立方メートル=3,669円
4.新料金の反映時期について
令和6年4月使用分から新料金になりますが、メーター検針は2か月ごとに行っているため、水道の使用水量の反映が2か月遅れとなりますので、6月請求分から新料金となります。
新料金徴収スケジュール
5.今後の経営健全化への取組
料金の値上げで、皆さまのご負担を増やすことになりますが、上下水道課としても経営健全化のため、上下水道課が管理する水道管からの漏水調査を行っています。市の管理する水道管から漏水が起きると、使われない水を、経費を使って作ることになるため、漏水を減らすことで経費削減につながります。
次年度からは漏水調査についての取組を強化する予定ですが、漏水の発見のためには皆さまのご協力が必要です。道路上で水が吹き出ていたり、雨が降っていないのにいつも水溜まりができているような場所を発見された場合については、上下水道課までご連絡をお願いします。
上下水道課の管理する管(一次側)はお客様へ水道水を届ける重要なものです。そのため、上下水道課では一次側の漏水を発見次第、順次水道管の修繕を行っています。
なお、お客様の管理される管(二次側)の漏水については、漏れ出た分の水量はお客様が負担していただく必要があります。日常的にメーターを確認するなど、水道管の点検をしていただき、漏水を発見された場合はお客様の方で市の指定給水装置工事事業者に問い合わせていただき、早めの修繕をお願いします。また、修繕を行われた場合は減免制度もありますので、詳しくは上下水道課までお問合わせください。
6.新料金表について(税込)
13ミリメートル新料金表(税込) (PDFファイル: 79.5KB)
20ミリメートル新料金表(税込) (PDFファイル: 80.1KB)
25ミリメートル新料金表(税込) (PDFファイル: 80.1KB)
30ミリメートル新料金表(税込) (PDFファイル: 80.1KB)
40ミリメートル新料金表(税込) (PDFファイル: 80.2KB)
50ミリメートル新料金表(税込) (PDFファイル: 80.2KB)
- この記事に関するお問合せ先