米原市手話施策推進方針

更新日:2019年10月08日

米原市は、平成30年4月1日に「手と手をつなぐ 米原市手話言語条例」を施行しました。これは、手話を一つの言語として、誰もが当たり前に手話を使えるまちを目指すものです。

平成31年3月には、この条例に規定する施策の推進方針を下記のとおり策定しました。

基本的な考え方

推進方針策定の趣旨

米原市では、聴覚障がいの有無にかかわらず、市民が安心して暮らすことができる共生社会の実現を目指して、平成30年4月1日に「手と手をつなぐ 米原市手話言語条例」を施行しました。
手話は、手や指、体の動きまたは表情を使って視覚的に表現する言語であり、ろう者が自分の意思を表したり、情報を取得したり、相互にコミュニケーションを図るために必要な言語です。
聴覚に障がいのある市民が安心して、手話を使ってコミュニケーションできる社会を実現するためには、手話が言語であるとの認識に基づいて、市民一人一人が手話やろう者に対する理解を深めるとともに、手話を使用しやすい環境づくりに取り組んでいく必要があります。
条例に規定する必要な施策を総合的かつ計画的に推進していくため、条例第7条第1項に基づき「手と手をつなぐ 米原市手話言語条例に規定する施策の推進方針」を定めるものです。

手話言語条例「施策の推進方針」7つの項目

  1. 手話の普及・啓発
  2. 手話の習得・獲得機会の確保
  3. 手話による情報発信
  4. 手話通訳者の派遣の拡充
  5. 災害時の体制整備
  6. 手話と手話の歴史の保存
  7. 手話に関わる会議の開催

手話の普及啓発に関する事項

施策の基本的方向

ろう者が暮らしやすい地域社会をつくるためには、市民が手話に触れる機会を通じて手話やろう者への理解を深めるとともに、手話をいつでも学べる環境をつくることが必要です。
今日までの手話の普及啓発は、米原市聴覚障害者協会や市内の手話サークルにより行われてきました。
市として、今後、手話の普及および理解の広がりが継続するように、協会やサークルの今日までの取組を尊重しながら、関係団体や湖北みみの里との協働により市民が自由に手話で会話できる環境づくりに努めます。

施策の推進

  • 子どもたちや市民が手話に親しみ、ろう者と交流する機会をつくるとともに、市内の学校や事業者において手話に関する理解が広まるよう、さまざまな出前講座を提供します。
  • 手話が言語であることを周知するため、図書館等における手話関係の本を充実するとともに、研修や学習のための教材やチラシ、パンフレット等を作成します。
  • 市職員に対して手話の研修会を実施し、ろう者が利用しやすい行政サービスの提供や、ろう者が働きやすい環境の整備を進めます。
  • 市民が手話に親しむことができるイベント等を開催します。
  • 手話を指導できる講師を増員するとともに、手話の普及啓発および理解を広げる仕組みを検討します。
  • サークルを始め、手話の普及啓発に取り組む市民の活動に対して、必要な支援を行います。

手話の習得および獲得機会の確保に関する事項

施策の基本的方向

きこえない、またはきこえにくい子どもの全面発達を保障するため、手話を獲得およ
び習得できる環境を整備するとともに、親子間などのコミュニケーションが十分に図れるよう、保護者および家族が手話を学ぶ環境を整えます。

施策の推進

  • きこえない、またはきこえにくい子どもや保護者等に、手話に関する知識や情報を提供するため、出前相談を行います。
  • 手話の言語能力を高め、言語文化への理解を深めるために、発達段階に応じて手話を学習する機会を保障します。

手話による情報発信および情報取得ならびに手話を使用しやすい環境の構築に関する事項

施策の基本的方向

行政情報等にアクセスしにくい状況を解消するために、手話による情報の取得ができる環境を整備し、社会生活において手話が使いやすい環境をつくります。

施策の推進

  • 手話による行政の情報発信のシステムを確立していくため、手話による行政情報の発信に必要なものについて検討を進めます。
  • 対面による手話通訳を基本としつつ、情報通信技術(ICT)を活用した遠隔手話サービス、電話リレーサービス等の普及啓発について検討し、手話を使いやすい環境づくりを進めます。

手話による意思疎通支援の拡充に関する事項

施策の基本的方向

ろう者が社会に参加する際、正確な情報を取得するとき、または自らの意思を正確に伝えるときは、手話通訳者を介して意思疎通を図っており、手話通訳者は重要な役割を担っています。市は、手話通訳者の重要性を認識し、継続的に高度な手話の技術を有する手話通訳者を育成または確保できるよう取り組みます。

施策の推進

  • 市の手話通訳者としての人材育成等について、その在り方を検討します。
  • 手話通訳者が働きやすい環境をつくるため、他の自治体の状況を参考にしながら、その方策を検討します。
  • 手話通訳者の派遣を継続しつつ、公的派遣制度の在り方を検討します。
  • 手話ができる市民や手話通訳者が増えるよう、手話奉仕員養成講座を始め、さまざまな手話講座を開催します。
  • 手話奉仕員養成講座を担当できる講師が増員できるよう、また講師の質が向上するよう取り組みます。

災害時における意思疎通支援体制の整備に関する事項

施策の基本的方向

ろう者が災害時において必要な情報を正確にかつ速やかに得ることができるよう、手話による情報の提供を始め、意思疎通支援に必要な体制を整備します。

施策の推進

  • 災害時に手話通訳者等の支援者が派遣できるよう災害時意思疎通支援体制の整備に努めます。
  • 災害時にろう者や手話通訳者が使用するビブス等着用物を始め、意思疎通支援に必要な物品を配備します。
  • 自治会における「避難支援プラン(個別計画)」の作成を支援します。
  • 災害時における聴覚障がい者支援のポイントについて、防災訓練等を通じて市民や市職員の理解を深めます。

手話と手話の歴史の保存に関する事項

施策の基本的方向

ろう教育において手話の使用が事実上禁止され、手話が言語として認められず、長くその使用が制約された事実と、そのような中大切に守り続けた手話を後世に伝えていきます。

施策の推進

  • 地域のろう者の手話を、録画等により保存します。
  • 手話を大切に守り続けた歴史を、手話および文字により保存します。

手話施策の推進に係る会議に関する事項

施策の基本的方向

市は、条例の基本理念に基づいた必要な施策を総合的かつ計画的に推進するため、関係機関および手話に関わる団体等の意見を広く聴くものとします。

施策の推進

  • 施策の推進方針に基づく実施状況の点検、施策の推進に関する検討を行うため、米原市手話施策推進会議を開催します。
  • 施策の推進に必要な調査および研究等の具体的な作業を行うため、推進会議に作業部会を設置します。
  • 施策の推進に当たり、手話に関わる団体相互の連携を強化し、協力体制を構築するための連絡調整会議を開催します。
  • 市の部局横断的な取組を協議するため、手話施策に関する庁内会議を開催します。

関連情報

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本庁舎 くらし支援部 障がい福祉課

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ファックス:0749-53-5119

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