施政方針(平成26年第1回米原市議会定例会)

更新日:2017年11月30日

平成26年度 米原市施政方針

 平成26年第1回米原市議会定例会の開会に当たり、平成26年度、市政運営の基本的な考え方と予算計上の重点事業について述べさせていただきます。

市長就任から一年の振り返り

 私が、多くの市民の皆さんの御支持をいただき、再び、市長という重責を担わせていただいてから、まもなく1年が経過いたします。この間、市民の皆さんにお約束した政策は、市民の皆さんや議会の御理解を得て、さまざまな施策として推進してまいりました。

 まず、少子化問題に真正面から向き合うために、昨年10月から3歳児からの第2子以降の保育所・幼稚園の保育料の無料化を実施し、この4月からはこれまでの入院医療費無料化に加え、中学生までの通院医療費の窓口無料化、現物給付の準備を整えました。

 また、(仮称)近江地域認定こども園につきましては、保護者、利用当事者の意見、要望を聞きながら、望ましい保育・教育の環境を整えるために、乳児施設と幼児施設を分離せず、同一敷地内に整備することで方針を決定しました。現在、平成27年4月の開園を目指して建設工事を進めているところです。

 私は、親支援、家族支援の子育て条件の整備充実は、結果として、市民の暮らしと働く環境の評価を高め、市の魅力を備える地域振興につながるものと考えています。

 さて、地域力とは、「地域社会に生じている困難や不幸を解決する共同の能力」だと言われています。地域の実態である、「高齢者の孤独、孤立を、やむなき不幸」で済ませてよいのか、との思いで政策提案したことに、身近な地域で、身近な住民が、「お互い様」の支え合いの活動「地域お茶の間創造事業」となって、市民力、地域力による地域の解決力として動きはじめていただきました。

 現在、市内7つの地域で、高齢者の新しい居場所となる、まさに「お茶の間」が誕生し、まずは地域のみんなが気軽に集い、寄り添うことから始めようと、新しい希望の芽が生まれ、地域のコミュニティの再構築が進んでいます。

 私はこの1年間、時間が許す限り地域の伝統行事やイベントなどに参加し、また各種会議やタウンミーティングなどを開くことで、市民の皆さんの生の声を聴かせていただくように心掛けてまいりました。

 そこでは、市役所の地域に向き合う姿勢への不満や不信が訴えられ、地域の閉塞感、焦燥感がありました。このような地域の現実に対して、私は、市役所は、何ができるのか。それは、地域の声を聴き、市民とともに考える姿勢を持つこと、すなわち“地域に寄り添うこと”こそが、行政との信頼で地域と共に歩む、今後の施策の方向性を見出す手掛かりだと考えました。

 地域の中にこそ、その答えがあります。地域を抜きにして市役所の仕事はあり得ない、市役所の仕事は、地域に住む人々の生活を支え、地域の課題や暮らしの問題を一緒に解決する施策を行うことです。
市役所職員の仕事の現場は、地域です。「地域担当職員制度」を、平成25年10月からスタートしました。

地域に寄り添う予算

 さて、市の予算、平成26年度の予算編成は、税金がどのように使われるのか、また地域にどのように生かされ、地域がどう変わっていくのかを実感できる予算を作り上げることを基本に、従来の部局別の予算配分にとらわれず、市の役割や施策の緊急度、重要度を判断し、効果的な施策展開や市民サービスの向上を推進する全事業を1件審査対象としました。

 そこでは、市民の皆さんの想い、地域要望、“地域に寄り添う”施策を中心に、職員と議論を重ねながら予算編成をいたしました。同時に、予算編成と言いますと財政措置、お金が付くものだけになってしまいますが、一方で、予算付けはないものの、平成26年度中に進めていくべき事業、市役所の仕事も存在します。

 私は、職員の配置、存在こそが市の事業推進力であると考えています。このことに改めて注目し、いわゆるゼロ予算事業、すなわち「未来へつなぐ職員力事業」を26年度の事業に位置付け、職員の力で政策の推進を図ります。

 それでは、平成26年度予算における、4つの重点取組事項について説明します。

4つの重点取組事項

1 子どもや女性・高齢者にやさしいまちづくり

 まず、「子どもや女性・高齢者にやさしいまちづくり」です。

 国の調査によりますと、多くの若者が、将来は家庭を持ち、子どもの数は平均2人以上を希望しているとあります。しかし、平成24年の合計特殊出生率は1.41であり、現実には、晩婚化が進み、生涯未婚率も上昇している実情にあります。一方、いずれは結婚したいと考える男女が、約9割の高水準にありながら、「結婚したいけど、出会いがない」というのが現状です。

 私の掲げる「県内一子育てしやすいまち」の実現には、結婚・妊娠・出産・子育ての切れ目ない支援が必要だと思っていますが、この結婚の前段である「出会いの場」こそ、公が本格的に支援する必要があります。「新たに男女の出会い、婚活支援事業」をはじめます。

 一人でうつむき加減に登校し、教室では、つくり笑いで過ごす子どもがいます。深刻な人権侵害・いじめです。小・中学校におけるいじめ対策につきましては、スクールソーシャルワーカーとの連携のもと、米原市いじめ対策推進体制を強化し、早期発見・早期対応に取り組みます。

 さらに、就学前の保育、教育を一体的に提供し、地域における子育て支援を総合的に行うため、かなん認定こども園は、平成26年9月に開園し、(仮称)近江地域認定こども園は、平成27年4月開園予定で、引き続き施設整備を進めます。

 また、本来、子どもたちの育ちの場である保育園は、公営、民営の違いで格差があってはならないと考えています。そこで、柏原保育園および長岡保育園の施設改修に対しましては、事業者の自主性を尊重しながら、事業費補助および資金貸付を行い、公営、民営を問わず、保育環境・施設整備の充実を図っていきます。

 一方で、未就園の親子につきましては、子育て情報発信、子育て支援センターの充実、中でも乳幼児が多い近江地区においては、土曜日開設を行い、利用機会の拡充を図っていきます。

核家族化や地域のつながりが希薄化する中で、孤立感とともに育児に専念する女性の不安やいわゆる「三歳児神話」―母親は自分を犠牲にしてでも育児に専念すべきで、保育園などに子どもを預けると、子どもは寂しさを覚え、将来的にも心身に悪い影響を及ぼすとするー母親の愛情のみを強調して母親の育児負担を当然とする、父親や広く社会全体で育児に関わる必要性を認めない意識、風潮が今なお、存在しています。

 仕事と生活が調和する「ワーク・ライフ・バランス」の考えのもと、「男も女も、仕事も家庭も」、働き方、暮らし方を支える子育て支援、0歳から2歳児第2子以降保育料無料化に向けた体制の準備や、親支援の放課後児童クラブを充実していきます。

 小中学生の安全で快適な学校施設整備は、空調設備の整備や学校トイレの洋式化に向けて取組ます。特に、空調設備は、平成26年度中に全ての小学校での設置を終え、中学校は平成27年夏までの設置を目指します。また学校トイレにつきましても、洋式トイレの整備を計画的に進めます。

 小規模学校の支援は、児童・生徒数の減少する市内すべての教育現場、地域の共通課題です。小規模校の充実した教育活動を展開するため、行政の支援策をはじめ、地域に生活する人々の多様な知識や技能を教材にして、地域に根ざした学校づくりを進めます。併せて学校の活力を生み出し、学校・家庭・地域が一体となった特色ある学校づくりに取り組み、市内4地域で「特色のある学校づくり事業」の教育フォーラムを開催し、地域のまちづくりにつなげていきます。

 子育てと親育ちを応援する、基本的な生活習慣やしつけなどの家庭教育の親の意識や知識、また楽しく子育てするためのワンポイントアドバイスなどを盛り込んだ「子育て&親育ちマニュアル」を作成し、家庭の教育力向上を図ります。

 スポーツ推進につきましては、スポーツを通じた人づくり、健康づくり、コミュニティづくりを進め、市全体がスポーツでつながるまち「希望と元気あふれるスポーツコミュニティまいばら」を目指します。

 日本の企業社会は、男性に対して家庭をかえりみない働き方を求めて、男性は、妻子を養うために、「二十四時間働けますか」という滅私奉公的な働き方を余儀なくされてきました。いささか、今日の実態との乖離があるとの声があるかもしれませんが、高度成長期の日本人の働き方であり、今も、現実の労働感、男は、まず仕事、職場優先を当然とする意識として存在しています。

 ここに、男女の意識ギャップを生じさせ、子育ては母親の仕事、「子育てか、仕事か」の二者択一的な生き方を性別によって迫り、女性を社会から疎外し、一方男性からは、育児や家庭を疎外させてきました。私は、ここに、いずれも人としてのトータルな生活感、家庭観を奪い、男女間の就労形態の相違や、男女の経済力格差をつくりだし、これを世の習い、これを是とする大方の日本人の社会意識がつくられて来たと思っています。2012年度の「女性の社会進出」における、日本の総合ランキングは135カ国中101位です。これは先進国の中で異常に低い水準です。

 しかし、そこにある結婚・出産後も「仕事を続けたい(続けて欲しい)」と思うかどうかの意識は、「仕事を辞めてその後はずっと専業主婦になりたい(なって欲しい)」の回答が、女性で15.4%、男性17.6%と共に少数派です。8割以上の男女がいずれも「結婚・出産後も仕事を続けたい(続けて欲しい)」と考えているのが実態です。すなわち、男女の機会均等、共同参画が当たり前とする意識が、実は、潜在的で支配的なのです。

 だからこそ、女性の社会参加は、時代の要請です。女性の生活感、感性、見識や経験が市政に反映されることは、市民サービス、施策の充実に欠かせません。なでしこネット登録者の人材活用を図ると共に、“市役所から変わる”実践を、女性職員による自主研究グループの活動支援で、誰もが働きやすい職場づくりを進め、市民、地域レベルでの男女共同参画社会の実現を目指します。

 障がいの有無にかかわらず、誰もが自立した日常生活や社会生活を営み、個性が尊重され、安心安全な暮らしが保障されるべきです。地域における住まいの場を提供するグループホームの整備が必要です。未整備となっている米原地域で、平成26年度は諸般の条件整理を進め、平成27年度着工を目指します。

 高齢化の進展は、今後、病院で死亡することが望めない時代がやってきます。もともと、病院は、高齢者が死ぬための場所ではありません。病院で死ぬと云うことは、最後まで延命処置を施されることが前提となり、平穏な死を望めない、むしろ、住み慣れた部屋で静かに、看取られることが良いという考えがあっていいと思います。

 米原市は、高齢者福祉・医療・介護の連携で、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らすことができるように、保健・福祉・医療による24時間対応の在宅サービスが提供できる医療福祉複合施設の整備に向けて取組を進めます。

 身近な問題となっている認知症対策は、認知症の早期発見・早期対応、介護者の資質の向上、市民への認知症に対する啓発活動などを進めます。認知症になられた高齢者やその家族が、地域で安心して認め合い、見守り支える認知症対策を展開します。

2 暮らしに安心、地域が元気なまちづくり

 二つ目は「暮らしに安心、地域が元気なまちづくり」についてです。

 2015年、平成27年には「団塊の世代」が前期高齢者、65才に到達し、その10年後の2025年、平成37年の高齢者人口は約3,500万人に達すると推計されており、その高齢者世帯の約7割を一人暮らし・高齢夫婦のみ世帯が占めると見込まれています。

 中でも高齢者の一人暮らし世帯の増加が著しく、一人暮らし世帯は約680万世帯に達すると見込まれています。これは、地域の高齢者の暮らしは、介護保険だけでは支えられない、それぞれの地域の特性に応じた地域で支え合う取組が求められているということです。地域福祉と医療の充実、連携を図り、地域の安心を生み出す体制整備やインフラ整備を進め、老いても病んでも、安心して暮らせる地域づくりを進めます。

 旧小学校区で唯一、医師・診療施設のない旧山東西学区に、新たな診療所施設整備を進めるため、その実現に向けた事業調査・検討を行います。

 地域に元気やにぎわいを取り戻すためには、若者の定住が不可欠です。若者が地元で働き、地元で暮らしたいという本人や親、地域の願いをかなえるため、進学などにより都市部に転出している米原市出身者に対し、インターネットやSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)などを活用し、学生就職面接会の情報提供、地元企業の雇用促進を働きかけ、Uターン、Iターン希望者の受入れ強化に努めます。

 次に、地域経済の活性化と雇用の安定促進対策として、市内施工業者による個人住宅のリフォーム経費の一部を継続して助成します。併せて、市内の中小企業や地場産業の振興を図るため、中小企業の融資制度活用に伴う新たな償還利子補給制度を新規創設します。

 今日、雇用・就労先を自らの起業、地域ビジネスに活路を見いだす時代でもあります。買い物不便地域での移動販売や在宅御用聞きビジネスなど若者や女性の積極的な起業・創業について支援を行うとともに、地域資源等を活用した新商品・新たなサービスの開発、販路拡大につながる取組を総合的に支援し、米原ならではの特産品開発とブランド化を図ります。

 さらに、既存の特産品を含め、米原らしい特産品の振興を図るため、米原市商工会と連携して、インターネット販売の開設に取り組ます。

 農業につきましては、担い手・経営体の育成や持続可能な力強い農業を実現していく必要があります。地域や集落において、農地集積の方向や地域農業の在り方を明確にし、未来の設計図となる「人・農地プラン」の作成支援を行います。

 また、農業・農村の持つ多面的機能の発揮や農地の保全は重要であり、中山間地域直接支払交付金や世代をつなぐ「農村まるごと保全事業」に取り組む集落の農地保全活動を支援し、地域と農業者が一体となって取組を進めます。

 国道8号バイパス沿いにおける道の駅整備は、地元生産者の育成や安心安全な農産物の安定的な確保、魅力的な商品供給など道の駅を運営する上での課題解決の検討を進め、方向性を打ち出します。

 防災のまちづくりにつきましては、昨年9月の台風18号による災害復旧をはじめ、河川の洪水対策や砂防対策を早期に進め、地域の安心・安全の確保に取り組みます。

 また、霊仙山における斜面崩壊につきましては、大雨の度に土砂等が丹生川下流に流れ出し非常に危険な状況です。県と連携し、治山対策や砂防対策、堆積土砂のしゅんせつなどの整備を進めます。

 災害に強い道路網の充実を図るため、市道に架かる橋りょうにつきましては、長寿命化修繕計画に基づき、計画的に予防修繕を実施します。

 さらに、子ども、保護者および地域の皆さんの安心・安全な歩行環境をつくるため、通学路グリーンベルトなどの整備に取り組みます。

 文化財保護活動は、市内にある貴重な文化財の伝承活動を支援するとともに、米原ブランドとしての情報発信に取り組みます。

 昨年、新たに国の重要文化的景観の選定を受けた「東草野の山村風景」は、これらの景観を生かし、地域の魅力を高める施策を進めます。

 次に、水源の里振興は、水源の里条例の見直し、提言をうけて、今一度地域の再評価とこの間に生まれた新しいアートや表現の活動成果を外向きに拡げていきます。

 中山間地域だからこその日本の生活文化を自治の姿として、地産地消の食料やエネルギー、農業や林業の循環型社会、持続可能で活力ある集落となるための支援に取り組みます。

3 未来へ、たしかな歩みをはじめるまちづくり

 次に、三つ目の「未来へ、たしかな歩みをはじめるまちづくり」です。

 米原駅東口まちづくりにつきましては、土地区画整理事業の保留地および市有地の早期売却に取り組むとともに、進出事業者の事業用定期借地などの要望に応えられるよう、柔軟な対応を進めてまいります。

 また、重要課題である県有地の利活用については、所有者である県の具体的取組について連携・協議を設けると共に、市民、有識者の情報交換、提案論議の懇話会を設け、米原駅周辺の振興促進を図ります。

 観光・商業のまちづくりによる地域経済の活性化を図るため、米原駅東口の市有地に仮設店舗を設置し、商工会などによる物販、店舗事業を支援し、駅利用者、東口への事業者誘致の吸引力を発揮します。

 米原ならではの地域ブランドを育成するため、地元農産物や郷土の特産品などを一堂に集めた「(仮称)まいばらマルシェ」を開催し、「新幹線開業50周年記念イベント」や「農林水産まつり」、更に米原駅東西自由通路での特産品販売等のにぎわい創出事業を実施することで、県内唯一の新幹線停車駅である米原駅の持つ潜在能力を生かし、米原駅が変わり始めたことや米原の魅力を余すところなく全国に向けて発信します。

 米原南工業団地へのアクセス道路である市道入江磯梅ヶ原線につきましては、平成26年12月に供用開始を予定しています。

 本市の持つ物流拠点の特性を生かすため、米原貨物ターミナル駅の整備につきましては、早期実現に向けて、JR貨物や関係機関との協議を進めます。

 新たな住環境づくりが進んでいる坂田駅前周辺の開発誘導につきましては、坂田駅周辺まちづくり委員会や関係機関と連携、調整を行い、地区計画制度の活用を進めます。

 JR柏原駅・近江長岡駅・醒ヶ井駅の周辺地域の活性化につきましては、国の社会資本整備総合交付金事業などを活用し、転入促進施策を進めるため民間誘導の住宅対策、空き地、空き家活用の整備計画を作成し、関係機関と協議を進め、27年度予算化を目指します。

 地域において増加し課題となっている空き家につきましては、付属機関の委員会において環境や防災面の観点、また利活用の観点から空き家対策を議論し、条例制定とともに定住促進へとつなげます。

 日本百名山の一つでもある伊吹山を生かした新たな観光の魅力づくりを進めるため、地元と一体になって伊吹山活性化プランを策定します。また、伊吹山麓の森林資源の循環利用や高原観光客の誘客に向け、伊吹山麓道路の整備計画を策定します。

 市民の生活に直結する道路、河川、上下水道といった社会基盤の整備につきましては、自治会要望を基に、各自治会への聞き取り確認を行うことで、地域実情の把握に努め、地域に寄り添った予算計上をいたしました。

 市民の皆さんが安心・安全に暮らせる災害に強いまちづくりの実現に向けて、「防災」「減災」の視点から、自治会要望に応える道路整備や河川整備、土砂災害防止対策等のハード整備を計画的に進めます。

 名神高速道路の伊吹パーキングエリアにおけるスマートインターチェンジ構想につきましては、整備の実現性について調査・検討に着手します。

 次に、自主自立のまちづくりを目指して立ち上がる団体やNPO、ボランティア組織などを支援するために、「(仮称)市民活動協働センター」の設置に向けて、必要となる準備作業を進めます。

 近年、地方分権の推進と地域の生き残りをかけた地域づくりは、自治体におけるマーケティングとブランド化に関する取組としてますます高まっています。多様な角度から戦略を立て、米原ブランドの確立と都市間競争力の向上を目指し、米原市の価値を全国レベルでの評価にさらす「シティセールスプラン」の策定に取り組みます。

4 市民の声で、市民とともに築くまちづくり

 最後に、四つ目の「市民の声で、市民とともに築くまちづくり」では、市民の願いや要望に耳を傾け、市民目線での政策立案、市民とともに歩むまちづくりを進めます。

 大切なことはみんなで決める。間接民主主義を補完する直接民主主義のセーフテーネットである市民投票条例を備えた市民都市米原となるためのルールづくりを、自治基本条例推進委員会の中で検討を始めます。

 昨年10月から実施しております地域担当職員制度は、現在15の自治会から申出をいただいています。本制度を更に進め、地域の皆さんと一緒になって課題や問題を探り、地域の主体的なまちづくり活動を支援し、米原市政の地域振興策に位置づけます。

 人権尊重のまちづくりの推進につきましては、住民票の写しなどの第三者交付に係る本人通知制度を推進するなど今なお存在する人権問題の解決に取り組みます。

 また、市民の命を守り、子どもたちの未来のため、非核平和の社会づくりを目指し、市民とともに式典式辞を作り上げ、平和祈念式典を実施します。

 身近なところからの地球温暖化防止を図るため、太陽光発電設備や薪ストーブなどの再生可能エネルギー利用設備設置者へ経費の一部助成を行います。

 米原市の自然環境に即した再生可能エネルギーの導入を進めるために、小水力発電につきましては、導入可能性の高い姉川流域における取組を推進します。木質バイオマス発電は、関係機関と具体的な施策の実施について協議を進めます。

 地域の深刻な問題となっている鳥獣被害は、25年度で策定した鳥獣対策マスタープランに基づく新たな制度のもと、集落ぐるみで侵入防止柵の設置などの支援を行います。新規狩猟免許の取得支援、市所有檻の増設など、市民とともに被害対策強化に取り組んでまいります。

 次に、防災まちづくりは、地域防災計画に基づき、順次防災備蓄品の整備を進めるとともに、総合防災訓練と地域防災訓練を一体的に行い、全市的な訓練の実現に向け準備を進めます。特に、市民の皆さんの関心も高い原子力防災につきましては、市民参加による原子力防災訓練を実施していきます。

 地域を守る消防団に対しましては、消防団の火災等に対する迅速、的確な活動環境を確保するために、年次計画に基づき消防団装備や消防施設の更新整備を行います。

 また、有事の防災情報の入手手段である防災行政無線は、老朽化した防災行政無線の再整備に向け、防災行政無線の在り方を含めて、調査・検討に取り組ます。

 次に、市民との情報共有を推進するために、米原市Facebookページや広報をはじめとする各種媒体による情報発信の現状を見直し、市政の動きや市役所現場の更なる見える化と情報の相互交換を推進します。

 また、行政放送伊吹山テレビにつきましても、高画質化を図り、より臨場感を持った映像を視聴者へお届けします。

 行財政改革は、第2次行財政改革大綱および実施計画に基づき、漫然と前例踏襲型の事業展開を進めるのではなく、事務事業をスクラップアンドビルドすることを原則に、これまでの成果を踏まえ、市民の視点に立って必要なサービスの在り方を見極めてまいります。なお、平成26年度末に本大綱は満了となるため、第3次行財政改革大綱を策定します。

 庁舎につきましては、合併10年を迎えるに当たり、新たな米原市の市民サービス、市政拠点として面積250.46平方キロメートル、平成26年2月1日現在の人口で40,460人の市民にとってより良い庁舎の在り方の調査審議を進めます。

総合計画における4つの重点取組事項の位置付け

 以上、4つの重点取組事項について申し上げましたが、これらを具体的な施策として展開していくに当たっては、米原市の将来の設計図である総合計画に、この重点取組事項を組み込んで、施策展開を図ってまいります。

合併10年に向けた取組について

 平成26年は、私たちのまち・米原市が誕生して9年目の年となります。この1年は、合併10年の区切りの前の1年として、持続可能な米原市、地域社会の再構築をめざし、更なる施策展開を行います。

 財政運営は、市の歳入の根幹となる市税収入の確保および収納率の向上に向けた取組を進め、普通交付税の合併算定替による特例措置期間や合併特例債の発行期間を見極め、将来負担軽減の市債の繰り上げ償還や基金積立てを見据えた効果的な運営判断を基本に行います。

結びに

 平成26年度は機構改革を行い、本市が直面している課題である「少子化」と「地域振興」に対応するため、新たに「こども未来部」と「地域振興部」を創設して、横断的な取組を進めます。

 社会心理学の言葉に、「未来はこうなると信じて行動すると、そうなる確率が高まるということ。悲観的な未来を描いて行動すれば、悲観的な未来が来る確率が高まる。」とあります。

 米原市の肯定的未来を描き共に前に進みましょう。

 私は、地域に住む人々、米原市民の生活を支え、地域の課題や暮らしの問題をともに解決する、市民の皆さんが米原市に夢や希望を持てる「希望都市まいばら」の実現に向けて、各施策に全力で取り組んでまいりますので、議員の皆さんをはじめ、市民の皆さんの御理解と御協力いただきますようよろしくお願いします。

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