所信表明(平成25年第1回米原市議会定例会)

更新日:2017年11月30日

 この度、私は市民の皆さんの温かいご理解とご支援によりまして、再び米原市政を預かる重責を与えられたことに、身の締まる思いでございます。

 多くの市民の皆さんのご期待に添えるよう、決断力と政策力で市政運営に全力で取り組んでまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

所信表明

 ここで、米原市長就任に当たりまして、市政に臨みます私の所信の一端を申し上げたいと思います。

 私は、4年前、市政を離れて一市民として米原市政を見守ってまいりました。その間、いろいろな経験をさせていただきました。一市民になって一市民だからこそ、出会えた人がたくさんございました。出遇(あ)いもたくさんありました。

 そして、そこには私なりに地域の暮らしの現実、そして市民の皆さんの願いや思いを横並びで聴く事ができました。貴重な経験でありました。

 また、市内の隅々を訪ねさせていただき、それぞれのお家の軒先で市民の皆さんの意見も聴いてまいりました。

 そこで出会ったのは、これからの生活を心配されている高齢者の皆さんのため息やあきらめでした。一人住まいの孤独を紛らわしての繕いの笑顔の中にも老いの寂しさが重なっておりました。

 地域の農業、そして集落の行く末に顔を曇らせる中高年世代、働きながらの子育てに悩んでおられる若いお母さん、子育ての経済負担、「上の子にもらった風邪薬を、ダメなことは分かっておりますけれども、ついつい次の子に飲ませることもあります」とつぶやかれる母親のお姿にも出会いました。一人ではありませんでした。

 「今の若いモンはかわいそうや、何遍も面接に行くけども正規の社員採用してもらえん。派遣や臨時やアルバイトでは世帯もなかなかや、立派なたたずまいのあの家もここも空き家、どうなってしまうんや」、そんな声を多く聞くことになりました。

 私が自分の目で、そして耳で肌で感じたことは、少子高齢化が進み「元気を無くしている地域」からの閉塞感でした。

 この状況を「しかたがない」、「変わらん」、「どうせ」のあきらめで放っておくことはできない。「このままでいいのか?」、「なにか始めなければ」、この危機感、ここに政治の思いが働かなくては、なんの政治か、行政かとの思いが、私には大きく動き始めました。

 私は、市政への再チャレンジ、再登板を決した次第であります。

 そして、こうして再び、市民の皆さんから市長としての信託をいただきました。

 政治と行政の役割は、米原市の未来に夢や希望をつくることであります。私は、これからの市政運営に当たって日常的に市民の声に触れ、市民の思いが一つ一つ実現するスタンスで臨みたいと思っています。

 市民の皆さんが、将来に夢と希望を持ち、そしてその暮らしが実現する米原市づくりに全力で取り組んでまいりたいと思います。

 未来を担う子どもたちには、私たちは我がまちの宝として向き合いたいと思っています。

 「県内一子育てしやすいまち」として、子育て世代への支援施策の充実を図り、若い世代の定住を促進してまいります。

 また、高齢者の皆さんは、地域における「居場所」づくりを進め、「終の棲家」として安心して暮らせる地域、集落づくりを進めてまいります。

 そして、自治基本条例の理念にありますように、市民の声で、市民とともに進める、自主自立の協働のまちを目指して、地域に元気やにぎわいのあるまちをつくってまいります。

 私は、全ての世代の人々が将来に夢と希望を持つことができるまち「希望都市 米原」を目指して取り組みを進めてまいります。

 この「希望都市 米原」の実現は、子育て世代や未来を担う子どもたちへの投資や支援無くしてはあり得ません。その未来への投資を進めるため、私は、すべての行政施策の大前提となる「健全な財政運営」と「不断の行財政改革」を着実に実施してまいります。

 市民の皆さんに4つの約束をいたしました。

1つ目の約束 「子どもや女性・高齢者にやさしいまち」

 子育て世帯の支援として、「第2子からの幼稚園・保育園の保育料の無料化」と「中学校卒業までの通院・入院医療費の無料化」を最重点取組として、次回、6月定例会には、提案してまいりたいと考えています。

 また、高齢者の安心づくりとして、高齢者が安心して暮らせるまちを目指し、お年寄りを孤立させないために自治会ごとに高齢者の居場所づくりを進めてまいります。

2つ目の約束 「未来へ、確かな歩みをはじめるまち」

 米原駅の周辺整備を実らせ、観光と物流拠点のまちとしてパワフルで活力ある米原市を創ってまいります。

3つ目の約束 「暮らしに安心、地域が元気なまち」

 地域福祉と医療の充実を図り、老いても病んでも、安心して住める地域づくりを全市に広げてまいります。

 また、中小企業等の振興支援の強化を視野に入れて、住宅リフォーム助成制度の創設を6月議会に提案して参りたいと考えています。

4つ目の約束 「市民の声で、市民とともに築くまち」

 市民の不安や嘆きに耳を傾け、市民視点で市民のためのまちづくりを、また女性が活躍できる市政の実現を目指してまいります。

 今の米原市に足りないのは地域の声を聞く、市民の声を活かす体制です。「職員の地域担当制度」を導入し、私を先頭に、地域の課題解決のスピードアップを図ってまいります。

 私は、この度の選挙で自らの身を切る改革として、市長報酬の三割(30%)の削減を掲げました。

 これは、「介護は社会的介護」という時代の方向にありますが、残念ながら地域では、身近な家族介護の実態が存在しています。

 連れあいだからこそ、親だからこその愛情あればこその尊い献身の姿勢には、ことばを失い、頭が下がるのみでありますが、そこには、疲れきったお姿、ついつい口をついて出てしまった、叱責の言葉、暴言に重い自責の念、自己嫌悪の苦しみに落ち込まれているお姿を拝見し、介護すること、支えることの現実の厳しさをあらためて感じた次第であります。

 こうした言いようのない痛み、重さに少しでも寄り添う、そういう施策が必要ではないか、声なき声を聞き止めた経験からも、削減した報酬分については、在宅介護の激励、支給品等の財源として活用してまいりたいと考えています。

 市政の課題は山積しています。時代もめまぐるしく変化をしています。合併新市、米原市の10年目をこの任期中に迎えることになります。

 私は、ひたすら市民の声に真摯に耳を傾け、市民の皆さんから託された願いや思いを一つ一つ政策立案し、創意工夫を凝らしながら、「希望都市 米原」に向けて邁進してまいります。

 市政のトップリーダーとして、勇気と決断力をもって、今を次に、現代を次の時代につないでいく、進化、前進する米原市をつくってまいります。

 市民の皆さん、市議会の皆さん、市役所職員の皆さんとともに、議論を深め、私は現実実現をする、実行する米原市政の運営に全身全霊で取り組むことをお誓いし、開会のご挨拶とさせていただきます。

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