施政方針(令和8年第1回米原市定例会)
更新日:2026年02月20日
はじめに
一昨年の市長就任から早くも1年3か月が経過しました。
この間、私は、できる限り市民の皆さまとの対話を重視して努めてまいりましたが、あっという間に今日を迎えたというのが実感であり、市長公務の幅広さと責任の大きさを痛感する日々でした。幸い大きな災害もなく、市民の皆さま、市議会議員の皆さまをはじめ、市政に関わる全ての皆さまの御協力をいただきながら、ここまで大過なく務めさせていただきました。御理解と御協力に心から感謝申し上げます。
昨年は、米原市が市制施行から20年を迎える節目の年でした。
これを記念し開催した式典では、これまでの市政の発展や自主的なまちづくりに永くご尽力いただいた市民の皆さまに対し、敬意と感謝をお伝えするとともに、この20年の歩みが多くの市民のまちを想う熱意と行動によって支えられてきたことを、強く再認識する機会となりました。先人から受け継いできた米原のまちづくりのバトンを、しっかりと次の世代につないでいく決意を新たにしたところです。
令和8年度は、私の市長任期も後半に差しかかる年となります。
私の思い描く「住み続けたくなる米原」を具現化する施策をより鮮明に打ち出し、効果が早期に発現するよう取組を進めてまいる所存です。
さて、社会情勢に目を向けますと、近年、さまざまな変化に直面しています。
気候変動の影響による異常気象の常態化や自然災害の激甚化、ICTやAIなどによる社会のデジタル化の急速な進化、不安定な国際情勢、価値観の多様化や分断、物価の高騰、社会インフラの老朽化、地方経済や地域自治の低迷など、極めて目まぐるしく、多様で、大きな変化です。
こうした変化を背景に、従来からの社会や地域の仕組みでは当たり前だと考えていたことが、努力しなければ維持していくことすらできないといった、危機にあると言えます。
このため、本市においても、市制20 年の歩みを振り返りつつ、まちの将来について考え、新たな時代へ歩み出さなければならない、いわば転換のスタートラインに立たされています。
米原市誕生に際し市民の皆さんとともに作り上げた米原市自治基本条例には「世代を超えて住み続けられる魅力あるまちづくり」が、“普遍的なまちづくりの目標”として掲げられています。この原点を改めて認識し、社会や経済、地域の構造そのものが大きく変わっていく中においても、子どもから大人、高齢者まで、誰もが幸せで心豊かに安心して暮らせるまち「住み続けたくなる米原」を、市民の皆さんと共に創っていかなければなりません。
市政を取り巻く現状
本市の人口は、この20年の間一貫して減少が続いており、今後も進行が見込まれ、20 年後の2045 年には3万人を割り込むと予測されています。
とりわけ、出生者数は、令和6年度の一年間で170 人を割り込み、20 年前と比べて約半数となる衝撃的な状況です。ここ数年の想定を超える少子化が、人口減少に拍車をかける新たな局面に突入したと考えざるを得ない状況です。
人口減少、少子高齢化の波は、地域のさまざまな場面で既に影響を与え始めていますが、この先更に、働き手や地域の担い手不足が加速し、この地域における経済活動や社会生活の維持が困難になることも懸念される深刻な事態です。
一方、市の財政は近年、基金繰入や市債による財源調整に頼った予算編成が常態化するなど、厳しい運営を余儀なくされており、黄色信号が灯る状況です。
この先5年間、中期の財政収支の見通しにおいて、歳出は、人件費、扶助費、公債費の義務的経費が増加傾向にあり、老朽化が進行する公共施設等の維持や更新に対しても適切な投資的経費が必要となる一方で、歳入は、生産年齢人口の減少や近年の国際情勢、国の財政状況などから、これに見合った市税等の増収が見込めない状況にあるため、極めて硬直的な財政運営が見込まれます。
今後、限られた財源の中で、必要な市民サービスを提供し続けるためには、既存事業の整理統合や選択と集中、民間活力の活用など、徹底的な業務の見直しを行うと同時に、公有財産の有効活用や処分、市税等の収納対策やふるさと納税制度の活用といった、自主財源の確保につながる方策の強化など、積極的な財源確保に努めることによって、収支の均衡に努め、将来世代の過大な負担とならないよう、健全な財政運営を行わなければなりません。
これからの市政に込める思い(令和8年度市政の基本方針)
縮小社会に適応した豊かな地域への転換
人口減少は、我が国が直面する最も重要な社会課題です。
国全体の人口が今後数十年で急速に減少し、特に地方では、出生数の減少や若者の都市部への流出などにより、地域経済や社会サービスの提供に支障を及ぼすことが予測されるなど深刻な課題です。
人口減少・少子化への対策は、これまで、本市はもとより国を挙げて注力されてきましたが、現実は、出生率は低下し続け、2024年の国全体の合計特殊出生率は1.15と、近年は毎年過去最低を更新しています。人口を安定させるために必要な人口置換水準は、おおむね2.07から2.08程度と言われており、今後容易にこの水準が実現できるとは考えにくく、この先、人口規模が現在よりも大幅に縮小することは避けられません。
このため、人口減少の急速な進行に対しては、一定の子育て支援や移住定住施策、都市基盤整備等を進めながらも、長期的には更なる人口減少は避けられないという現実を正面から受け止め、人口が減少し暮らしを支える社会資源が縮小してく「縮小社会」においても、これに適応し、豊かな地域を築いていくという考えが重要です。
人口減少や資源制約という避けられない「縮小」を受け入れつつ、地域や生活の質を「充実」させる「縮充」の発想です。
縮小社会への適応は、物質的豊かさの追求を優先する拡大志向型の社会モデルから転換を図る好機と捉えることができます。単なる「減少」「削減」ではなく、「縮小」しても人とのつながりや心の豊かさに価値を置き、質の「充実」を目指す、社会経済構造への転換です。
変化が大きく、不確実だからこそ、従来の常識や価値観を変革し、新しい地域を生み出せるチャンスでもあります。
例えば、価値観の多様化とICTやAIなどデジタル技術の発展により、地方における働き方や暮らし方に多様な形が生まれてきているという変化があります。
地方で古くから大切に守られてきた歴史文化や食文化、景観等の地域資源に対し、海外からの関心や評価が高まっているということも新たな変化の一つです。
これまでにも増して、都市部にはない米原ならではの魅力に磨きを掛けることが、若者が将来への期待や夢を持てる、人や企業に選ばれる地域になる可能性を広げます。
少子化と人口減少への適応は、新たな未来を創ることにほかなりません。
近年の社会情勢や地域構造の変化、人々の価値観やライフスタイルの多様化によって生じている新しい行政需要や、デジタル技術やテクノロジーの進化等を背景とし新たな価値・可能性が広がる事業。こうした新たな芽吹きに対し、さらに光を当て、大きく育み、伸ばし、高めていく取組を重点的に進めることで、漠然とした将来の不安や閉塞感を未来への希望や安心に変え、新しい米原市を創り上げていかなければなりません。
こうした思いの下、令和8年度は、持続可能なまちへと行財政構造の転換を推し進めること、さらには、まちを支え、未来につながる“3つの幹”を強く太くしていくことに注力します。
令和8年度重点施策・事業と組織改編
持続可能なまちへの大胆な転換
まず取り組まなければならないのは、持続可能なまちに生まれ変わるための転換です。
縮小社会においても機能する行財政構造へと、早急かつ大胆に転換していかなければなりません。これからの市政運営では、従来の考え方にとらわれず、市民にとって最も効果的で最適な手法を追求し、本当に必要なサービスを過不足なく、無理なく提供し続けられることが重要です。
これまでの延長線上ではなく、見直すべきところは見直しするという強い意識を持って、将来を見据えた施策の最適化を実行に移し、持続可能なまちに生まれ変わるための大胆な転換を図ります。
移動市役所の本格運行
次代を見据えた変革の一つとして、昨年11月から試行している移動市役所は、令和8年度から本格運行を開始します。
これは、持続可能な窓口体制への転換を図りつつ、オンラインの利便性と対面の安心感を両立した新しい形の窓口サービスです。事業の縮減や再構築があっても、市民の安全・安心を確保し、住み慣れた地域で暮らし続けられる仕組みづくりの挑戦です。
地域へ直接出向いて行政サービスを届けるとともに、テレビ窓口システムによる相談体制の拡充や、民間企業と連携した移動販売などを推進し、これまでにない相乗効果を生み出す着想を持って、改良を重ねながら、地域課題の解決と暮らしの充実につながる仕組みを米原スタイルとして確立してまいります。
まいちゃん号の新システム導入
地域住民の安心で快適な暮らしを支える重要な交通手段として運行している乗合タクシー「まいちゃん号」は、利用者の増加とともに運行経費が年々増加している状況です。
利用者数を減らすことなく、運行経費をいかに抑制するかが課題となっていることから、デジタルを活用した新しい運行システムを導入し、利便性と費用対効果の高い持続可能な仕組みへと転換します。
なお、公共交通施策は、都市計画との連携を強化するとともに、新たな技術や制度の活用を促進するため、令和8年4月に行う組織機構改編において、都市計画課内に新たに設ける「地域交通政策室」が担います。
公共施設等総合管理計画の中間見直し
社会変化に伴う利用者の減少や施設の老朽化といった課題を踏まえ、学校を含む公共施設およびインフラ資産の役割や将来の利用見込みに応じた必要量等を、中長期的な視点で検証することが必要です。このため、令和8年度と令和9年度の2か年をかけて、公共施設等総合管理計画の中間見直しを行います。
現状把握と中間評価を実施し、人口減少等の社会情勢の変化を総合的に検証した上で、本市に適した規模となるよう、既存施設の統廃合、機能集約、長寿命化、民間活用など多様な手法を検討し、効率的な維持管理・更新の実現につなげます。
給食センター施設の統合に向けた厨房機器の改修整備
市内2か所の給食センターの施設や機器の老朽化および児童生徒数の減少見通しを踏まえ、将来的な統合に向けた運営の効率化を図ります。令和8年度は、東部給食センターを将来の給食数に適した規模とし、安定した提供体制を構築するため、厨房機器改修の設計業務を実施します。
組織機構改編
持続可能なまちへの転換を着実に推進するため、組織機構を改編し、政策推進部に新たに「公共施設マネジメント課」を設け、官民連携による財産活用や公共施設の適正化の検討を進めます。
さらに、政策推進課内の行政経営改革室とデジタル未来推進課を統合し、総務部に「行革デジタル推進課」を設け、行政経営改革の推進を強化します。
まちを支え、未来につながる“3つの幹”を強く太く育んでいく
【幹 1】 こども・若者 ~こども・若者の育ちや学び、挑戦を応援~
持続可能なまちへの転換とともに、まちを支え、未来につながる“3つの幹”を強く太く育んでいくことにも注力してまいります。
まず、強く太く育んでいく幹は、まちの将来を担うこども・若者です。
子どもや若者は、大人の世代とは異なる視点や価値観を持ち、地域社会に新たな風を吹き込んでくれる、地域の活力そのものです。
私は、このまちで生まれ、このまちで育った子どもたちが、地域に根ざし、地域に貢献することで、米原市の将来をより豊かにしていってくれる姿を強く願っています。
まちの将来を担う存在である子どもや若者に対し、教育や体験を通じてしっかりと育んでいくことが、私たち大人の責任であり、子どもや若者が自身の力を信じ、安心して成長できる環境を整えることが、行政の重要な使命です。
子どもの人数が減少している現実やこれから先のまちの変容を見据えながら、学校施設の適正規模や移動手段など子どもたちにとって望ましい学びの環境整備や、多様な体験活動に接することができる機会づくりを通して、希望の象徴である子どもや若者が、育ちや学び、挑戦できる環境を整えます。
なお、私は、市長就任の際に基本政策の一つとして、「大型遊具、水遊びのできる公園と雨天や冬季も遊べる施設の設置」を掲げています。これは、子どもたちが身近な地域で安心して遊べる「遊び場・広場」の充実を望む声を、多くの市民の皆さんからお聞きし、子育てしやすいまちとしての評価をさらに高め、より若者に選ばれるまちを目指すために、ぜひ実現したいと考えたことによるものです。市長就任後に地域や各現場に出向き、声をお聞きする中でも、市民の皆さんから、この政策の実現に対する関心や期待の大きさを感じています。
市内の遊び場・広場の充実を図るためには、市民が求める、米原市にふさわしい公園や遊び場の全体像を明確にした上で、将来的な財政負担の抑制や公共施設の適正化を見据えながら、すでに市内にある多様な民間施設との連携も視野に入れ、施策を展開することが必要です。
子どもが身近な地域で安心して遊べる場所や放課後等を過ごせる居場所を充実させることが、子どもたちの健やかな成長を後押しするとともに、安心して子育てができる環境を創ることにもつながるため、令和8年度は、既存の公園の現状を再検証するとともに、施策全体の方向性の確立と具体化に向けて取組を進めます。
小中学校ネットワーク機器・GIGA端末の更新
デジタル機器を活用した子どもたちのよりよい学びの環境を確保するため、小中学校のネットワーク機器およびGIGA端末の更新を進め、教育DXの更なる推進を図ります。
生徒会「夢・志」チャレンジ補助金の新設
市内の各中学校の生徒が、学校生活の改善や地域課題の解決に向けて、自主的・主体的に取り組んでいる生徒会活動を応援するための補助金を新たに設けます。
小中学校の在り方検討の推進
児童生徒数の減少に伴う教育環境の変化への対応のため、小中学校の在り方検討委員会や地域部活動改革委員会において、よりよい教育環境の検討を進めます。
小中学校体育館・双葉総合体育館の空調設備の整備
近年の異常気象による体育館での熱中症リスクの高まりから、子どもたちの安全快適な教育環境を確保するとともに、災害時の避難所環境の向上を目的に、令和6年度に定めた整備方針に基づき、令和7年度から小中学校体育館の空調設備の整備に取り組んでいます。
令和8年度は、この取組を本格化させ、建物の断熱性能の確保を含めた学校体育館に対する空調設備の整備を進めます。
地域活性化型職業体験イベントの開催
子どもたちには多様な体験の機会をつくることが重要です。子どもの時のさまざまな体験を通して、感覚や運動能力の発達や、社会性、創造性を高め、家族や周囲の人々、地域や社会のために何かをすることに喜びを感じるという、ごく自然な温かい感情が育まれます。「楽しい」「面白い」と感じ、興味を持ち続けられることを子ども時代に体験することにより、子どもたちが本来持つ興味や関心を引き出し、その後の勉学や社会生活の選択肢を広げることにつながります。
子どもたちが、多様な体験活動や機会に接し、自己肯定感を高めながら成長できるきっかけづくりとして、楽しみながら、地域発の特徴ある仕事を体験してもらい、「この地域に住み続けたい!」「この地域で働きたい!」という職業観や地元愛を育むことができる、地域活性化型職業体験イベント「Out of KidZania(アウトオブキッザニア)inまいばら」を開催します。
米原市には、独自技術や先端技術により業界をリードしグローバルに事業展開するモノづくり企業や、代々受け継がれてきた熟練の技を生かした伝統産業、この地域の特色でもある豊かな自然を生かし、市外から多くの集客を誇る観光産業など、魅力的な職業が数多くあります。生まれ育った米原市には、魅力的で誇りを持てる、将来働きたいと思える仕事や職場が、こんなにもあると感じてもらい、将来の地域経済・産業の担い手として育ってくれることを願い、この職業体験イベントを実施します。
また、このイベントに参加いただく企業の側にも、10年後20年後に社会で活躍する子どもたちへの仕事体験提供の機会を通して、認知向上や事業活動の活性化につながることを期待しています。
ひとり親家庭等生活・学習支援事業
困難を抱える家庭の子どもや保護者に対する生活習慣・育成環境の改善を図るため実施している子どもの学習支援事業は、これまで小中学生を対象に個別対応型で事業を実施しています。近年増えている通信高校に通う高校生を卒業まで支援するため、集合型での学習支援も実施します。
ひきこもり支援ステーションの設置
8050問題や障がい者など分野や年齢を問わず、ひきこもりの課題を含んだケースへの対応を強化し、相談支援、居場所づくり、専門的かつ包括的なネットワークの構築を推進するため、(仮称)ひきこもり支援ステーションを設置します。
組織機構改編
こども・若者施策を強く推し進めるため、令和8年4月の組織機構改編では、現在のくらし支援部から子ども・子育て分野を担う部門を分け、「こども政策部」を新たに設けます。
さらに、現在の子育て支援課を、「子育て支援課」と「こども若者応援課」に分け、こども若者応援課は、子どもの居場所づくりなど、子どもや若者が自らの興味や夢に向かって歩んでいくことを応援する施策に関して、庁内の中心となり、施策の総合調整と推進を担います。
【幹 2】 地域 ~誰もが安全・安心に暮らせる地域づくり~
次に、強く太く育んでいく幹は、地域です。
人口減少や社会構造の変化を背景に、地域のつながりの希薄化がさらに進み、さまざまな場面で、従来からの市民の暮らしや活動の継続が困難になることが懸念されます。
地域の担い手がますます不足する将来を前提とし、地域コミュニティの在り方の検討を進め、地域の力を取り戻すとともに、誰も取り残されない、支え合いのまちづくりの実現に取り組みます。
伊吹地域では、市民自治センターの再配置問題を契機に立ち上げられた検討委員会にて議論が重ねられ、昨年9月、人口減少社会に立ち向かうための提言がなされました。市役所本庁舎との距離が遠いという地理的要因や、人口減少、少子化、高齢化がより深刻に進んでいるという構造的な問題を抱える、北部地域の皆さんが抱かれている不安感や閉塞感に、改めて寄り添い、向き合うとともに、伊吹地域での持続可能なまちづくりを、人口減少、少子高齢化が進む地域における課題解決の先行モデルと位置付け、市民組織を設置し、住民との協働による地域の将来像や仕組みづくりの検討を、組織横断で全庁的に進めます。
組織機構改編
旧4町合併による市制施行から20年が経過する中で、想像を超える少子化や暮らしを支える拠点機能の縮小などから広がっている地域住民の閉塞感を安心や希望に変えるため、山東支所を地域振興、地域づくりの拠点とし、本庁舎と山東支所に分かれている地域振興課を一つにして山東支所に配置します。
人口減少・少子高齢化が著しい、伊吹地域をはじめとする市北部の振興、さらには、持続可能な運営に支障が出始めている自治会の支援などに、これまで以上に注力する最前線拠点として、地域主体のまちづくり活動や自治会運営が抱える課題の解決への取組を伴走支援します。
自治会業務効率化推進事業交付金の創設
業務負担の増大や担い手不足が顕著となり、自治会活動に対する住民意識の変化も重なって、持続可能な運営に支障が出始めています。
この状況を踏まえ、市からの依頼事項の見直しを行うとともに、自治会が主体的に取り組む業務の負担軽減や、それぞれの地域が必要とする活動に専念できるよう、「自治会業務効率化推進事業交付金」を創設し、将来にわたって持続可能な自治会運営の実現を支援します。
市民活動支援補助金の創設
人口減少社会や行政リソースの限界といった課題に対応するため、行政・団体・企業などが対等なパートナーとして役割と責任を分担し、地域課題の解決と、地域での持続可能な暮らしのためのよりよい公共サービスの提供に向けて、行政とともに共助を担うパートナーを育成・支援するため、団体の設立から定着までを段階的に支える新たな補助制度を設けます。
伊吹山植生復元プロジェクト
伊吹山の土砂災害対策や植生復元事業による保全・再生に、滋賀県や関係者と連携して着実に取り組むことに加えて、頻発化・激甚化する自然災害に備え、地域防災力の強化を図り、誰もが安全・安心に暮らせる地域づくりに取り組みます。
一昨年、伊吹山で発生した土砂災害は、自然災害への備えの重要性を改めて示すものとなりました。伊吹山の土砂災害対策や植生復元事業による復旧・復元に向けて、令和8年度は、伊吹山南側斜面の復旧事業として、土砂流出を抑制し植生回復を促進するための伏工、伊吹山在来種の採種育苗、登山道上部の落石対策工を実施します。
これまで、伊吹山の再生を望む多くの方や企業から、たくさんの温かい支援をいただきました。ふるさと納税や寄付等を通じていただいた貴重な財源は、こうした取組の大きな後押しとなっています。支援の輪を更に広げる取組を進め、早期の伊吹山の復旧・復元に向けて取組を加速させます。
地域防災計画の改定
地域社会のこの先の変容を前提とする防災体制の形を構築しなければならなりません。
米原市地域防災計画は、令和7年度から進めている改定業務を完了し、国や県の計画との整合を図るとともに、最新の災害リスクや被害想定を反映し、より実効性の高い内容へ更新します。
アンダーパス監視システム等の導入
近年各地で多発する集中豪雨や台風など大雨の際に、アンダーパス冠水を原因とする通行止めや事故を未然に防ぐため、ICT活用による遠隔監視システムを新たに導入し、異常時に迅速に対応できる常時監視体制整備を進めます。
インフラの計画的修繕
高度成長期に集中的に整備され老朽化が進む多くのインフラは、コンクリートのひび割れや金属腐食による崩落・故障のリスクが拡大しており、財政のひっ迫や技術者の不足という課題も抱える中、その対策は喫緊の課題です。
長寿命化修繕計画に基づき、橋りょうや道路舗装の計画的な修繕を進めます。
老朽化が著しい米原駅東西自由通路は、将来、大規模な改修工事が必要と予測されるため、財源の確保や事業費の平準化が図れるよう、令和8年度は新幹線上空部の点検を実施します。
【幹 3】 地域産業・経済 ~まちの未来を拓く原動力への投資~
そしてもう一つ、強く太く育んでいく幹は、地域の産業・経済です。
人口減少が進む中でも、地域経済を成長させ、雇用を創出し、暮らしの基盤を安定させることが、持続可能な地域社会の要です。未来を担う若い世代が、自らの可能性を最大限に発揮でき、将来性や期待感、誇りと愛着を持てるまちを創造することが一層重要です。
都会にはない、他の地域とは異なる米原らしさを極めることや、米原ならではの魅力や価値に磨きをかけ、徹底して活用することが、地域全体の競争力を高め、産業・経済を活性化させ、安定した財政基盤を確立する大きな力となります。
創造力や先見性を研ぎ澄ませ、まちの未来を拓く原動力への投資に積極的に取り組みます。
未来の担い手強化支援事業補助金の創設(農業者支援)
10年後の農地利用を見据えた地域計画の実現に向け、意欲ある担い手農業者の確保および強化を図るため、従来の補助制度を見直し、効率的な農業用機械の導入を支援する補助制度に再編します。
総合的空家対策推進事業
第3次空家等対策計画に基づき、空家再生みらいつくり隊員や本市が指定した空家等管理活用支援法人をはじめとする関係者等との連携を強化し、空家の予備軍となる住まいの所有者への啓発や民間事業者等による空家活用の促進など、さらなる空家対策に取り組みます。
関係人口創出プロジェクト事業
関係人口の創出に向け、本市の認知度や関心度を高めるための大都市圏コミュニケーションイベントを実施するとともに、移住関心層と本市との関わりを深めるウェブセミナーや現地フィールドワークを実施します。
歴史文化財の活用を通じた米原ならではの魅力発信、大河ドラマ観光誘客事業
大河ドラマ「豊臣兄弟!」の放映に合わせて、本市の歴史や文化財の魅力を発信する事業を展開します。また、大原観音寺をはじめとする石田三成ゆかりの地を活用した観光誘客を図ります。
伊吹スマートIC・エネルギーオアシス構想の検討
伊吹パーキングエリアにおけるスマートインターチェンジの設置と、隣接地への「水素エネルギーの製造・供給拠点」と「物流中継拠点」をはじめ、多様なサービス提供施設を備えた複合型エネルギーオアシスの立地を図るため、民間事業者との連携により構想実現に向けた調査検討を進めます。
脱炭素先行地域づくり事業
令和4年度から開始した脱炭素先行地域づくり事業は、いよいよ小泉・弥高地先での営農型太陽光発電設備の整備が完了します。そこで、営農型太陽光発電事業を長期に渡り安定的に進めるため、みらいつくり隊員2人を新たに迎え入れます。
また、新たな発電場所と需要家を追加し、事業期間を令和9年度まで延長することで、2030年度までのCO2排出量を2013年度排出量比53パーセント削減に向けた動きを加速化させます。
第3次環境基本計画策定に着手
米原市環境基本計画は、令和9年度に現行計画の終期を迎えるため、現行計画の達成状況の検証を行うとともに、令和10年度から19年度までの第3次計画を、令和8年度から2か年かけて策定します。
組織機構改編
このたびの組織機構の改編では、将来の成長・発展を牽引する産業経済を強化するため、現在のまち整備部から産業経済部門を分けて、環境部門を統合し、新たに「経済環境部」を設けます。
産業政策の強化を図る上で、重要性を増している環境を軸とするエネルギー政策との連携を推進し、地域価値の向上と持続可能な成長の実現に取り組むため、経済環境部に「産業政策課」を設けます。
第3次総合計画の策定
米原市は、市制20年の節目を経て、令和8年度は、令和9年度からのまちづくりの新たな羅針盤となる第3次米原市総合計画を策定します。
次期総合計画の策定に取り組んでいる今こそ、持続可能な行財政経営を確立するため、これまで積み上げてきた施策や事業を隅々まで点検し、まちの体質の根本的な改善を推し進めなければなりません。
そして、社会や地域の更なる変容を見据えることが必要です。社会はこの先どう動いていくのか。私達の地域は将来どんな姿となっているのか。その時にはどんな課題が生じていて、どのような行動が必要か。時代や社会の流れを追いかけるのではなく、近い将来起こり得る事象に想像を巡らせ、目指すべき未来を共有し、共創することが重要です。
社会や地域の変容を見据え、まちの将来像を市民の皆さんと共有し、未来への希望や安心を持てる施策の構築を進めます。
結びに
今年度から取り組みはじめた「すみトーク」では、多くの自治会に出向き、膝を突き合わせて、地域が抱える課題などの生の声を直接お聞きしながら、自由に意見交換を行い、持続可能な自治会運営に向けて、未来に向けた対話を重ねてきました。
社会や地域を新しく創り替え、次代にふさわしい地域社会へ転換しようとするときには、これまでの積み上がった課題にどう対応すべきか、限られた資源をどう配分するべきか、市民の皆さんとの合意形成が必要となります。合意に至る過程においては、異なる意見や相手との違いを尊重し、価値観を擦り合わせていく「対話」がより重要となります。
「対話」は、自分の意見を押し通して相手を説得する「討論」とは異なり、自身の意見や価値観が変化することも受容する姿勢が求められます。相手の意見や価値観を受け止めながら、進むべき方向を合意する対話は、このまちの将来像を共有し、誰にとっても豊かで幸せに暮らし続けられる地域を築くためには省くことのできない過程です。
これまでと違う形に変えていくことや、新しくチャレンジすることには、手間や時間がかかります。市民の皆さんの納得を得ながら進めることが必要です。
さらに、行政サービスの見直しには、ある面では痛みが伴うものとなることも考えられますが、人口減少によって生じる多くの課題を行政だけで対応することには限界があります。
そのため、現状や将来の見通しといった、市民の皆さん自身が判断できる情報を、しっかりとお示しし、中には、縮小社会を避けられない現実や行財政の厳しい状況も詳らかにした上で、まちの将来を自分事として考え、話し合いながら、大切にしたいものを見極めていかなければなりません。
令和8年度も、あらゆる機会を通じて対話を重ねながら、市民や事業者の皆さんが豊かで充実した暮らしや活動を営み、成長や発展を続けられる持続可能なまちづくりを、市民の皆さんとともに進めてまいります。
- この記事に関するお問合せ先





