令和5年 仕事納め市長訓示

更新日:2024年01月17日

発言要旨

職員の皆さん、今年も残すところ、あと数日となりました。市政運営では、皆さんのおかげで、年の初めに掲げた政策を着実に前へと進めることができました。ありがとうございます。
今年、米原市行政の課題でありました、米原駅東口周辺まちづくり事業では、事業者募集というスタートに立つことができました。今後、優先交渉権者の決定から土地譲渡契約まで進め、まちの顔となる中心市街地の誕生に向けて、一歩一歩取り組んでいただきたいと思います。
原子力防災では、県内でUPZ圏外の自治体では初めて安定ヨウ素剤を全戸配布できる体制が整いました。原子力、核エネルギーというのは人間がコントロールできない、逆説的にいえば、事故が起こらない前提に立っているような事業こそ危ないのです。原子力発電所が身近にあるということでは、市民を被爆させないことが重要であり、さらに、広域避難計画の策定にも、来年度に向けて力添えをいただきたいと思います。
時代が多様に変化し、認め合う、支え合うという柔らかさ、優しさが改めて注目される時代に入りました。今年、米原市では、パートナシップ・ファミリーシップ宣誓制度を創設しました。寛容・多様という考え方、価値観の問題を含め、優しさが土台になっています。優しいからこそ、強いまちになっていく、そういう足掛けを大きく作っていただいたと評価をしています。
選挙事務では、投票所の再編に向け、果敢に挑戦していただきました。来年度に向けて新たな対応、体制を整えることに専念をしていただきたいと思います。
若者支援については、18歳までの医療費無料化や伊吹高校での通学の不安を解消するため、路線バスと乗合タクシーの共通通学定期券を無償配布する実証実験を行うことができました。ぜひ、来年度にも引き継ぎたいと思います。今の時代、当事者である若者が次の時代を背負うということを考えたときに、自治体として、どんな支援をしたのか、フォローをしたのか、いずれ問われると思います。今の時期に地元の県立高校の応援をするまちとして米原市が存在すること、大変大きな意味があると思います。
注目をあびているキーワードは、脱炭素です。脱炭素に向けた取組として、番場多目的広場用地活用の公募型プロポーザルにて優先交渉権者が決定しました。関係者のご努力に敬意を表したいと思います。再生エネルギーに対しては、どのような進歩、進化を仕掛けようとしている自治体なのかということが、自治体評価として大きく評価される時期に入りました。今回のことは米原市にとって大きな一歩になると思います。
次に平和の問題です。本年、非核平和都市宣言のまちとして、新たに戦争犠牲者の追悼、恒久平和と恒久平和を願い、平和学習の新たな拠点となる「平和の礎」の整備を進め、11月に刻銘板の除幕式を行うことができました。再三申し上げていますが、私たち自治体は、この戦争と平和の根底にある命の問題、人権の問題にしっかり向き合うことが重要です。特に、若い人たちがこのことについて、意見表明ができる、行動に移せるといったまちづくりを、私たち大人世代が作っていく必要があります。平和で戦争のない時代を私たちの力で作っていくという決意を新たにすることができたと思っています。
今年一番大きな問題は伊吹山で起きた出来事です。伊吹山ショックという言葉を使ってきました。イヌワシのヒナが育ちませんでした。伊吹山の斜面は大きく崩壊しました。植生も絶滅状態になっています。このことに対し、新たなチャレンジをしていただきました。伊吹山の復旧と再生に向けたクラウドファンディングや、新たな手法によるシカの捕獲、土砂流出防止事業など果敢にチャレンジし、伊吹山にアタックしていただきました。市長としてもそういう職員がいるということは誇りです。ありがとうございました。
地球温暖化と同時に非常に危惧しているのは、基幹産業である農業です。誰と話しても、30年後、どうなっているかを示せないということを言われます。私はこの基幹産業の農業に未来や展望がなく、従業者も減っているということについて、無策であってはならないと思ってきました。今年、農業塾という形で新たな農業の担い手、農業に経験を持つ人たちを集めていただきました。儲かる・儲からないといった比較の世界ではなく、いかに納得できるか、充実するか、そういう価値観を持った人たちが農業を通して米原市に集まってくださるということは、もしかしたら、大きなまちの基盤を今一度作り直してくれるのではないかと期待します。
私たちの原点は農耕民族です。農業をして、暮らしを立て、信仰を持ち、お互いを支え合う。そういう温かい地域社会を、農業を通じてやってきました。このことについて、農業塾に来られた人たちから発言されることを大変嬉しく思いましたし、米原市の将来にとって、農業を未来展望あるものにしていくきっかけを作っていただきました。改めて敬意を表します。
そして、空き家の問題です。この空き家の問題も新たな展開が始まっていると思いました。家は暮らすところです。しかし、見方を変え、利用の仕方を変えると暮らすだけでなく、ビジネス、交流、さらには寄り合う場所が生まれます。そこへ都市の人たちが、関係人口や移住人口という形で米原市を訪れたいという流れを本物にできそうな足掛けを今年はいくつか作っていただきました。人口減少に立ち向かうという点で、いかに移住定住人口を増やすかということも大事ですし、その大きなカギとなる空き家という資産をどう活用するか。行政だけでは限界があります。民間です。米原市以外の首都圏、関西圏の人口密集地の人たちに米原市の空き家をしっかりと提供できるかどうか、このことが来年も試されると思います。大きな資産である空き家をもっと活用し、人口減少にしっかりと立ち向かう成長産業を生み出せるのではないかという希望をもらうことができました。
教育の分野では、不登校、引きこもりという課題がある中で、「フリースクール」が話題となりました。今年は学校内にあるフリースクールのような居場所をつくる「スッテプフォワードプログラム」を実施することができました。これは高い評価を得ていると思います。学びの方式は学校の教室だけにあるという考え方が変わり始めています。新しい学びの在り方、学校と子どもたちの関係をつくっていくきっかけになったと思います。子どもたちの利益のために、大人は、教育関係者は何をするのか、そういうテーマにも果敢にチャレンジをしていただきました。
国スポ・障スポまで、あと2年後ということになりました。私たちはホッケーのまちということで、今年、ホッケータウンの認証をいただくこともできました。米原市は先のびわ湖国体からレガシーとしてホッケーを引き継いできました。ホッケーが人をつくり、まちづくりにつながっています。このパターンは滋賀県内で米原市だけだと思っています。そういった点では、次の国スポ・障スポを契機として、米原市のスポーツ人口、スポーツをするということを通して人間が育っていく、地域が豊かになっていく、そのようなことにもチャレンジしていく「ホッケーのまち米原」を確かなものにしていきたいと思います。
さまざまな分野で今年1年間、今、申し上げなかったところでも職員の皆さんに努力していただいたことを感じています。市民の中からも米原市の職員が頑張っているという評価をいただきました。皆さんと一緒に仕事ができたことを大変嬉しく思います。いつも申し上げていることですが、市役所は市民の役に立つところです。ここで人生を送っているということを私も誇りに思っていますし、皆さんも生きがいや誇りにしてほしいと思います。このプライドが来年、大きく米原市を花咲かせることにつながると信じて疑っていません。
最後になりますが、旅行や会食する機会、できるだけ作っていただき楽しんでほしいと思いますが、事故や不祥事、一度でもあると全ての信頼が崩れます。コンプライアンスを徹底いただき、年末年始の時間を大事に過ごしていただき、仲間と一緒に輝き一杯の年明けを迎えられることを祈念し、年度納めの挨拶といたします。 一年間ご苦労様でした。来年も頑張りましょう。

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