令和5年度 10月2日市長訓示

更新日:2023年10月10日

発言要旨

皆さん、おはようございます。10月に入りました。下半期、令和5年度折り返し地点に立ちました。昨年の下半期とは違う風景です。
市内各地の秋イベントが4年ぶり、8年ぶりに開催されています。1日には、国の選択無形民俗文化財の「朝日豊年太鼓踊」、また、滋賀県選択無形民俗文化財の「伊吹山奉納太鼓踊」が開催されました。
10月7日から9日にかけては、米原曳山まつりが始まります。祭礼行事に参加させていただくと、幾世代にも渡って、しっかりと受け継いでこられた地域の力を感じます。そこに暮らしている人たちが連綿として受け継いでこられた歴史の積み上げの上に地域力があると感じています。
地域の伝統文化は、まさに地域の人たちの誇りであり、米原市にとっても大きな財産だと思っています。人々がそこに愛着を感じ、シビックプライドを醸成しています。職員の皆さんには、市内で行われている伝統行事を知らない、見たこともないということではなく、機会を捉えて現場に足を運んでほしいと思います。これは、市職員の見識です。市民はもちろん、市外からの米原市を訪れる人は、市の職員は、米原市の情報を持っていると思っています。期待に応える準備をしておいてください。米原市の評価につながります。よろしくお願いします。
さて、市役所の使命は、まちの未来に責任を持ち、まちの未来を創っていくということです。今一度意識してほしいと思います。高齢化が進み、人口減少もなかなか歯止めがきいていません。未来予測、想像力をたくましくしてください。米原市の未来に責任を持ち、未来を創っていくことが私たち自治体職員求められています。
中でも、伊吹山の復旧と再生、脱炭素づくりは重要な課題です。県と市の合同プロジェクトチームの第1回会合が9月13日に開かれました。伊吹山の現状と課題をお互いに共有しながら、果敢に解決する行動、アクションに移っていきたいと思います。
特に、近年急激に増加をしているシカの頭数を減らす、駆除は大きな問題です。伊吹山の入山を禁止している間に、山頂付近で大型囲いワナを設けます。5合目にはドロップネットを設置し、シカがかなりの頭数入ったなと思えばネットを下ろします。その後処分に入ります。野生動物の命を奪うことに賛否両論がありますが、私たちは法令に従って駆除数を決めています。その目的は、伊吹山の植生回復、登山道の安全復旧です。使命感を持ってこれを進めているということを、職員の皆さんにも理解していただきたいと思います。
また、伊吹山斜面崩壊復旧については、10月18日に「土砂流出防止対策試験施工」を実施します。職員の皆さんには、こういった保全活動にも参加をしてほしいと思っています。
そして、この夏、生態系の頂点といわれるイヌワシのヒナが、十分なエサを食べることができず、巣立つことが叶いませんでした。伊吹山の野生生物が生存する自然環境が大きく崩れ始めていることを示しています。これらの出来事は、「伊吹山ショック」として、環境の問題、そして自然保護の問題、深刻に捉えてほしいと思います。
背景は、地球温暖化です。この環境変化は、極めて深刻な事態に入っています。世界的にも平均気温が上昇し、異常気象が日常化しつつあり、激しい雨が、雷が次々と起きています。
「脱炭素先行地域」に選定されている米原市は、「米原市気候非常事態宣言」をこの3月に行いました。2050年までに二酸化炭素の排出量を実質ゼロにするために、地域に再エネ設備が積極的に導入され、市民一人ひとりが脱炭素のライフスタイルに向けた行動変容をいかに起こすのかが問われています。
本日、部長会議後の米原市地球温暖化対策推進本部会議では、本部長の私から指示事項の提案をしますので、年内、年度内、さらには来年度予算の判断と共に、実効性の確保に全庁体制で挑んでいただくよう期待します。
そして、令和6年度予算編成の時期を迎えています。骨格指針に示す、市民と事業者等との協働・実践による“水源の里まいばら”の価値をどう創っていけるのか、そして、人と環境の関わりを見つめ直した、まちの未来に施策はどれだけ打ち出せるのか、市民や議会も納得、共感を得られるのか、このことについて真剣に向き合いたいと思います。
このまちの未来を創るということについては、今週の4日から6日にかけて、令和6年度政策課題を議論する三役協議を行います。
高齢化と人口減少はまったなしで加速しています。物価高騰、自然災害の頻発、これまでの前提は崩れ、想定外が起きる時代です。私を含む三役の課題認識と、各部局の課題認識を真剣にすり合わせたいと思います。
先週、国レベルの地方版・異次元少子化対策研究会にオンラインで参加しました。子ども・子育て政策基本理念に 若い世代の所得を増やす、非正規雇用の正規化、そして、結婚の希望実現に、雇用安定と収入安定が男女ともに第1位であることや、初婚年齢と出生時年齢の推移データが明らかにされ、妊娠のしやすさについての知識レベルが先進国の中で日本は一番低いことも公表されていました。少子化施策の充実メニューも示されました。また、子育て支援は、現金給付よりを現物支給の方が、政策効果があるということ、若い世代の所得や雇用の不安から、生活設計や将来展望を描けず、40代まで続く奨学金の返済は、20代30代の若者の人生設計に大きな負担となっており、結婚をあきらめる若者が増え、未婚化、晩婚化が進んでいる要因も明らかになっています。
この人口減少、少子化対策は、米原市存続の危機にあたる重大事態だと思っています。地方自治として役割を果たすため、この課題にどう立ち向かえるのか、行政として何ができるか、さまざまな支援策を提案していただきたいと思います。
厳しいことを申し上げますが、現場の声を聞かせていただき、議論を進めたいと思います。政策課題三役協議を通じて、職員の政策提案能力と政策実行能力が問われています。皆さんの気づきと成長を大いに期待しますので、しっかりと準備を整えて臨んでいただきたいと思います。
そして、今日2人の新しい仲間が加わることとなりました。共に米原市の未来を創る仲間が来てくれたことを大変嬉しく思います。
これから皆さんが生きていく社会と時代は、ITやAIがどんどん進化し、めまぐるしく変化する時代に入りました。直面する課題に対しては、自信をもってチャレンジしてほしいと思います。それぞれの職場の若い皆さんも、そういったチャレンジをする、失敗を恐れない仕事のスタイルを米原市の職場の風土にしてほしいと思っています。
そして、市役所には、ピンチをチャンスに変えるという、能力のある頼れる先輩職員がたくさんいます。職員が一丸となって、新しい発想をし、チャレンジをすることで、米原市が「本当に住んでよかった」、「このまちの公共サービスが心地よい」、と言ってもらえるまちに発展します。ぜひ、これからの米原市を創るんだという意気込みで頑張っていただきたいと思います。
最後に、それぞれの現場では、喜びもあれば苦難や困難もあると思いますが、市民や地域がどんな願いや思い、どんな絶望を持っているのか、このことをいち早く政策として、公共サービスとして提供するということが自治体職員の仕事です。責任を持って、まちの未来を創っていく、そこに大きなやりがいがあると思っています。共に頑張りましょう。
下半期もよろしくお願いいたします。

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