令和5年度 年度初め式市長訓示(要旨)

更新日:2023年04月14日

皆さん、おはようございます。早いもので、一昨年に本庁舎が開庁してから、間もなく2年が経過しようとしています。この間、駅と市役所を結ぶ連絡通路が開通しました。学生や子ども連れなどの市民のほか、米原駅の利用者が日常的に気軽に訪れており、市役所のイメージを大きく変えたと実感しています。

この新幹線停車駅でもある米原駅と、この駅横エリアをどのように生かしていくか、また、駅周辺に、どのような賑わいを持たせることができるのか、まだまだ議論を深める必要があります。職員の皆さんにおいては、今一度、この場所は、滋賀県の東の玄関口であることを認識していただき、米原市を、滋賀県を訪れる人達を、おもてなしする場所だという思いに立って、日々の業務に当たってほしいと思います。

さて、先月の米原市議会定例会において、令和5年度の施政方針の中でいくつか議論のテーマを申し上げました。まず1点目は、地方自治の根幹をなす問題である人口減少にどう立ち向かうかということです。人口減少は、静かなる有事であり、強い危機感を持っています。子ども、若者支援、子育て世帯への安定的な支援として、18歳までの医療費の無料化、子育て支援策の所得制限撤廃、更には、国民健康保険の子ども均等割を実質ゼロにする応援金などの資金制度を提案させていただきました。そして、民間保育園における処遇改善や保育士の配置基準の見直し等の対応についての議論はこれからです。この分野については政策の中身をしっかり詰めていただきたいと思います。

2点目は、新たなまちの価値を創造するということです。3月に米原市では、気候非常事態宣言を行いました。脱炭素の地域づくりや伊吹山の環境再生に本格的に乗り出します。伊吹山の荒れ方は年々進んでいます。暖冬化と連動して獣害も格段に広がっています。斜面が崩壊し、絶望的にならざるを得ないような状況にさえなっています。植物・植生をどう再生させるかどうか、そして、獣害対策についても自治体が本気になって取り組むこと、この姿を見せる以外に突破口はありません。今年は大胆に取り組んでいきたいと思っています。また、デジタル化の推進も加速させていきます。市では、マイナンバーカードの専用端末を窓口に新たに設置します。更に、全国の量販店などにある端末機とつながることで、新たなネット社会に入っていくということになります。新しい価値をつくるというのは、現代の公務員の至上命題です。どれだけ新しいことにチャレンジをしたかが大きく問われている時代であると思っています。

また、米原駅については、滋賀県唯一の新幹線停車駅であり、都市部へのアクセス性を徹底活用することで、米原市のシティセールスポイントを上げられると考えています。そのほかに、米原市は北陸道、あるいは中山道という分厚い歴史と文化を積み重ねてきているまちだという自負もあります。多種多様な可能性を持っている米原市のセールスポイントや文化財についても、新たなまちの価値を創造していただきたい。ここから、新たなまちの展開が始まっていくのではないかと大きな期待を持っています。

一方で、ロシアがウクライナに軍事侵攻をして1年以上が経ってしまいました。今なお、収束の目途はたっていません。戦争というのは一度始めてしまうと、なかなか収束させることができません。やはり戦争などというものはしてはならない。命もまちもどんどん荒廃していきます。だからこそ、私は、日々日常の中の平和がどれほど尊いものであるかということを、今一度確認し合いたいと思っています。

そこで、今年度、先の太平洋戦争の悲惨さの現状を知っている高齢者の皆さんと一緒になって、戦争犠牲者の名前を刻銘する「平和の礎」を建立します。このことを通して、次の世代に平和を築くことの困難さと、平和を維持することの大切さ、二度と戦争をしてはならないということを伝えたいと思います。非核平和都市宣言のまちとして、この「平和の礎」の建立事業を何としても完成させ、平和希求への思いを発信する取組を進めていきます。

そして、東日本大震災から12年が経過しました。世界では、トルコ・シリアでの地震において、死者が5万2千人を超え、今も多くの避難民が避難生活を余儀なくされています。防災は、あらゆる分野での最優先課題だと思っています。市民の命・健康・暮らしを守ることが私たちの責務です。この命に関わること、健康に関わること、暮らしの安全に関わることは、末端自治体となる地方自治体でなければ、本気の対策ができないと思っています。このことを基本にして、それぞれの持ち場や部署において、防災に対する優先度を高める年度として取り組んでいただきたいと思っています。

このような社会情勢の中、今年度入庁した新入職員の皆さん、心から歓迎をいたします。コロナ禍での体験も含め、自らが蓄えられたエネルギーを思う存分に出してほしいと思います。若いから未熟だと思う必要はありません。若いからこその新鮮なアイデアや思いを、積極的に発信してください。一緒になっていい職場をつくりましょう。

結びになりますが、4月下旬に各部局の重点目標ヒアリングを行います。ここでは役職の区別はありません。本気になって何が大事か、何を優先して進めなければならないのか、このアイデアは本当に完成しているのかどうか、真剣に議論したいと思っています。社会変化が激しい中で、私たちが気づいていなかった困難や息苦しさが見えてきました。申請主義の待っている行政ではなく、しっかり結果に結びつくような市民対応ができるように、業務を見直して取り組んでほしいと思います。

米原新時代は始まったばかりです。一人ひとりが新時代のパートナー、大事な戦力であります。どうぞ、令和5年度が市民、また、職員の皆さんにとって良い年になること、結果が作れる年となること期待し、新入職員への歓迎と、職員の皆さんへの激励とお願いの挨拶とさせていただきます。

本年も頑張りましょう。

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