令和5年仕事始め市長訓示(要旨)

更新日:2023年01月18日

発言要旨

皆さん、あけましておめでとうございます。職員の皆さまには、令和5年の新年を、家族お揃いで健やかにお迎えいただいたことと、心からお喜び申し上げます。
この年末年始、新型コロナウイルスの感染が拡大する中での日々であったと思いますが、久しぶりの出会いもあったのではないかと思います。私もテレビなどは観ていましたが、率直にテレビが劣化し、面白くないと感じました。ニュースなどの報道を見ても、平和の問題や感染症の問題を深く掘り下げた議論はあまりなかったと思います。
私たちは、新庁舎が開庁し、連絡通路が開通して、昨年度から米原新時代という言葉を使い始めていますが、どんなイメージを持って切り拓こうとしているのかが、ある意味問われると感じました。
社会、世間全体がどの方向を向こうとしているのか、私たちは、機転をもって物事を見る必要があります。
市役所というのは、地方自治の現場であり、市役所は市民の役に立つ所であります。地方自治というのは、自らを治めていくということです。職員として、市民の立場に立つということで、今一度、覚悟を見直す必要があるのではないのかと、年の初めに考えました。
まず、住みたいまち、暮らしたいと思えるまちという言葉を使っていますが、予算にも、新年度事業にも取り入れていきたいと思います。職員が、本当に、この米原市に住みたいのか、あるいは暮らしたいまちなのかを検証し、そのことに対して、それぞれの立場での思いや方針、具体的な政策提案を常日頃持っていることは大変大事だろうと思います。ぜひ、年の初めであるからこそ、どんな時代をつくろうとしているのか、米原市役所は市民にとって、どんな役割を果たさないといけないのか、自分の職場や持ち場で準備ができているのか、今一度見直し、組み立て直していただくよう、お願いしたいと思います。
特に、人口減少の問題です。市民の数が減り、とりわけ若い世代が、人口流出しています。米原市に帰ってきてほしいと思いますが、残念ながら、20代、30代という人口が減っています。この現状に対し、どのような対策、対応ができているのか、予算編成を含めて、しっかりと議論し、方針を出したいと思っています。
米原市の住みよさのランキング、世間的な評価はいろいろありますが、医療費、子育て支援、若者に対する生活支援の問題など、具体性をもって、効果的な施策を組み立てる必要があると思います。
身近なまち、身近な市役所が、若者や子育て世帯に対して、どのような結果をつくろうとしているのかを伝えられるよう、しっかり施策の組み立てていきたいと思います。
また、所得制限、親の負担の問題は、私たちは、根本的なところで考え方を整理する必要があると思っています。所得制限により公平感をつくろうとしていますが、実は、若者支援や子育て支援は、親の所得や親の環境は子どもとは関係ありません。私たちは、若者や子どもそのものに対する支援をしていくという意味では、所得制限という考えは、大きく見直す時期に来ていると思っています。
私は、子どもが減っていることに対して、危機感を持って未来投資し、滋賀県下一子育てしやすいまちにしたいということを言い続けてきました。具体的な施策も、皆さんに協力をいただいて実践してきましたが、さらに人口減少が加速化し、若者流出が止まっていないということについて、令和5年度に、効果的な施策を備えなおしたいと思いますので、皆さんともしっかり議論をさせていただきたいと思います。
もう一つは、時代観です。時代がどの方向を向いているのか、特に若い職員に期待したいのですが、デジタルの問題があります。
年末年始に市内を少し歩きましたが、改めて気づいたことは、地元の公民館にWi-Fi設備がない。そして、近江や米原地域の地元の公民館に行くと、ZTVに入っていません。地域に対する私たちの構え方は甘いなと感じました。
令和5年度は、特に高齢者の皆さんにスマホを使ったデジタルの学ぶ機会をつくろうと思っていますが、Wi-Fi環境のないところでどうやるのかと、学び合いステーションでなく、地元でやろうとしている場所にWi-Fi環境を整えていくことは、決して大きな負担が必要だと思いません。
一時避難、一時集合する公民館に、ZTVが映らないというようなことをほっているということは、防災の観点から見ても大きく欠落しています。地元に密着する、地元の実態をとらえて、何をなすべきか、このあたりを点検していく、そういう目線を通して、地域と市役所、職員と市民の関係を見直していく、新しい制度をしっかり入れていくことが大事かと思っています。
同時に、コロナ以前の年末年始は、自分の兄妹の関係とか、子どもの関係で人の出入りがありましたけれども、今は、行動制限はありませんが、なかなか集まる機会はありませんでした。
そこで、改めて思ったのは、私の親世代は、5,6人の兄弟がいて、父親と母親を含めると、私にとっては、10人ぐらいのおじさんおばさんがいて、「いとこ」が大変多いのですが、今の子どもたちを見ていると、親が2人兄弟とか、1人っ子という時代に入りましたから、いとこの関係が、ほとんどないんですね。
ということは、昔は、そういうつながりがありましたが、地域では支え合いの力が、本当に小さくなっているということです。地域の実情を見てみると、一人暮らしの高齢者、あるいは高齢者のみの世帯が40パーセントを超えています。そのことに対して、見守りや支え合いということについて、市役所は、お茶の間創造事業を継続していますが、今一度、支え合う、人と人との関係が希薄化しているということについて、しっかりとした施策を打ち出す必要があります。地域共生社会という言葉を使ってきましたが、共に生きる、暮らす、支え合うということが本気になってやれているかどうかということです。
物価の高騰などにより、暮らしは厳しさが増しています。すべてを行政が抱えるということはできませんが、いよいよ公が前に出る、公が支える役割を果たしていく時代に入ったと思っています。
そのことが問われるのが、この令和5年です。今日も、出勤前にテレビを見てきましたが、この3月にもう一度値上げがあるということです。物価が上がる一方で、年金は減り、賃金は上がらないという実態の中で、どういう暮らしが地域の皆さんに押し寄せるのか、そのことに市役所はどう反応しているのか、市民に対してどういう防波堤をつくろうとしているのか、そのスタンスが市民に伝わるような市役所になりたいし、職員の皆さんの働きにより結果が生まれるような年にしていきたいなと思っています。
繰り返しになりますが、先が見えない時代です。前例はありません。一人一人の挑戦、知恵が必要です。
言葉も大事ですが、結論をつくるためのアクションが大事な時代に入りました。どうぞ職員の皆さん、私は、私ではなく、みんなのための私です。ぜひ市民のための仕事、市民に役に立つ市役所としての公共サービス、公務に本気で取り組み、その中に、生きがいややりがいを見つけてください。それが、米原新時代をともにつくっている、ともに生きている職員としての今年の飛躍を大いに期待したいと思います。
さまざまな困難があると思いますが、一緒になって悩みたいと思いますし、一緒になって答えを見つけ、汗をかきたいと思います。ともにがんばりましょう。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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