令和4年仕事納め市長訓示(要旨)

更新日:2023年01月18日

発言要旨

職員の皆さん、今年も残すところ、あと数日となりました。この1年間、コロナをはじめ、世界情勢で想定をしていなかったロシアによる戦争、さらにはエネルギー供給などを背景にした円安・物価高騰など、さまざまに変化する社会情勢に対し、職員の皆さんは本当にそれぞれの部署において、機敏にご尽力いただきました。改めて敬意を表し、感謝を申し上げます。ありがとうございました。
今年を振り返りますと、8月に市役所庁舎と米原駅をつなぐ連絡通路が開通しました。市民の皆さまからは「便利になりましたね」「市役所が変わりはじめましたね」といった声をいただいたことが大変印象に残っています。私たちは米原新時代といった言葉を使ってきましたが、市役所の風景の中に、職員だけでなく、市民や若者、特に高校生の姿やニューファミリーの家族連れが、3階の市民交流スペースや4階の屋上広場を訪れています。そういう新しい風景が市役所の中に登場してきたということ、市役所のイメージが変わり、市役所が持っているポテンシャルを発揮しはじめ、新時代が始まったなという実感を持つことができました。気になっているのは、市民共有スペースの使い勝手がまだまだ十分ではないことです。若い職員の皆さんを含めて、ぜひ新たなヒント、アイデアを出して欲しいと思いますし、新時代を自らがつくっていく、しかも、職員だけではなく、市民や若者と一緒になって、市役所に新しい可能性をつくってほしいと思います。
コロナの問題については、現在、第8波ということで、1日の死者数が過去最高となり、滋賀県でも病床使用率が80パーセントを超えている現状で、今なお予断を許さない厳しい状況にあります。市民の皆さんに接してみると、コロナ慣れやワクチン慣れ、副反応の問題など、若い人たちがあまりワクチン接種に積極的ではないと感じています。ワクチン接種率は低迷していますが、関係部署のスタッフの皆さんが本当に努力をしていただいてます。新しい変異ウイルスの登場、インフルエンザの同時流行も出始めていますので、ぜひ市民の皆さんと一緒に共通理解をしながら 命を守り、健康を維持するために、さらに徹底したワクチン接種を進めていただくようお願います。
心配していた降雪、大雪については、米原市や滋賀県北部は、大きな影響はありませんでしたが、東北や北海道では、記録的な降雪で、大規模な停電が発生し、災害派遣申請も出されています。これは他所事ではなく、今日、気象状況というのは極めて想定外が当たり前になっています。職員の皆さんにおいては、この年末年始も、気象情報には敏感になっていただき、公共インフラとしての道路、特に通勤や通学、さらには生活の安全を確保するということで、除雪体制に万全を期していただくよう、よろしくお願いします。
冒頭にも申し上げましたが、この21世紀に戦争が起こるなどということは正直想定をしていませんでした。
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を背景にさまざまなことが言われていますが、個人的な意見ではなく、非核平和都市宣言をしているまちとして、市長という立場からも、やはり戦争はしてはならない、戦争をする準備ではなく、戦争をしないための体制をどうつくるのかが重要だと思っています。
職員の皆さまにもお願いをしていますが、非核平和都市宣言を背景に、戦後77年が経過し、今一度戦争の悲惨さ、戦争犠牲に対する新たな追悼の在り方をつくっていこうと、遺族会の皆さんも含めて、平和の礎という、亡くなった方の名前を刻む希望者を1月末まで募集しています。
戦中戦後を大変な思いをされた人たちがおられたからこそ、今の平和があります。平和を維持し、次の時代に引き継いでいくためにも、戦争経験のない、戦争を知らない次の世代に、市民の命を預かる自治体として、平和の問題に真摯に向き合うまちの姿を、ぜひ具現化したいと考えています。
この年末年始に、職員の皆さんのご家族、ご親類の中に戦後あるいは戦中に厳しい戦争を背景に大変困難な時代を過ごされた戦争の犠牲者の方がおられないか、今一度お声がけいただきますよう、よろしくお願いします。
公の仕事、公務員という立場から言えば、時代をどう見るのか、時代観をどうとらえているのかは大事であります。どんな時代を、どんな社会をつくろうとしているのか、公務員、市職員として、しっかり考え方を持ってほしいと思います。
地方自治の現場において、人口減少は非常に加速化し、若い人達の数が減り、未来展望は決して明るくはありません。少子化の大きな要因は、やはり若い人たちが仕事と子育ての両立が困難で、子どもを持つことは経済的なリスクがあると捉えています。子どもを産み育てることを良しとせず、不安を抱いている背景があります。出産や育児により収入が減り、女性においては仕事をやめなければならない、子育てには経費がかかると感じ、結婚や出産を望まないという社会になっています。
子育てや結婚は自己責任でもなければ、親の負担という話でもありません。私たちは、公の立場として、社会全体がそういう若者を支援し、子育ても結婚も応援をする社会をつくらなければ、この深刻な人口減少・少子化を乗り越えられません。
今まで、仕事か出産か育児か二者択一を女性に迫っているような時代が続いてきましたが、そうではなく、仕事も、出産も育児も子育ても全て公が負担し応援をする、個人の問題や負担にさせない、そういう安心感や支援を提供する。そういう公の仕事の姿を、公共のサービスとして整えるということも、米原新時代として大変大事なことではないかと思っていますので、ぜひ皆さんの中でも整理し、向き合ってほしいと思います。
結びに、コロナの問題は非常に深刻で、行動制限がない中で、飲食や集まる機会が増え、リスクがあると思っています。くれぐれも感染症に対する自己防衛を徹底していただき、事故や不祥事などコンプライアンスに関わるようなことは、自ら律してほしいと思います。
特に健康には十分に留意いただき、年末年始、公務員としての基本を忘れることなく、ぜひご家族一緒に輝かしい新年を迎えていただきたいと思います。そして、仕事始めを、元気な姿でお会いできることを大変楽しみにしています。
厳しい時代であるからこそ、職員一人一人は、私の大切なパートナーです。ぜひ、令和5年度への準備、予算編成を含めて、共に力を尽くし、力を出し合うことをお誓い申し上げ、訓示とさせていただきます。
改めてこの一年間大変お世話になりました。来年も汗をかいて、良いまち、良い米原をつくるために、ぜひ心を込めて力を尽くし合いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

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