平成29年度年度始め式市長訓示(要旨)

更新日:2018年01月23日

4月3日(月曜日)

 皆さんおはようございます。いよいよ平成29年度が始まります。先月のことを少し振り返りたいと思いますが、先月3月6日から27日まで、第1回の定例議会を開催いただき、平成29年度新年度予算の議決をいただきました。本年度はいよいよ第2次米原市総合計画の初年度ということで、私たちが10年後に目指す、「ともにつながり ともに創る 住みよさ実感 米原市」に向かって、一歩一歩、歩み始めたいという思いを議員の皆さんに説明しました。そしてもう一つ、私が市民の皆さんに提案した政策ですが、平成29年度の政策提案ヒアリングの中でブラッシュアップをしたいと思います。さまざまな課題があることを職員の皆さんは気づいておられると思いますが、政策を多面的、多角的に検証し、市民の要望、地域の願いに応えられるように、新しい感覚、視線に立って進めなければなりません。

 さて、私たちは今日多くの新入職員を迎えました。まずは、米原市に入庁されました新入職員の皆さんを心から歓迎します。大変厳しいと思いますが、結果は必ず出ると信じて、一緒に苦労をして欲しいと思っています。いつも申し上げていますが、市役所は市民のために役に立つ所です。人のために、時代のために、そして社会のために、地域のために、どんな生き方ができるのか、どんな仕事ができるのか、このことを問いながら仕事をするのが、市役所職員の要であると思っています。

 昨年、文化産業交流会館で行われた司馬遼太郎先生の没後20周年の記念シンポジウムの時の挨拶のメモを読み返しました。実は司馬遼太郎先生は伊吹山のことをたくさん書き残しておられます。伊吹山は絶えず風や雲を息吹きだしている、呼吸をしている。古代人は、山から下りてくる風、雲、これは神々の息吹き、呼吸だと受け止めています。司馬遼太郎先生の中にある古代人の思いは、この山を神だと思い恐れているわけです。皆さんは人徳という言葉をご存じだと思いますが、あの人は徳がある人だな、こんな人になりたいものだなという思いのことです。もう一つ実は私たちは土徳という言葉も聞いています。土に徳があるとしています。わかりやすく言えばその地域や大地に徳があり、この大地は人を育てている大地だ、そういう思いに立って広げられた言葉でもあります。そういう意味で司馬遼太郎先生が言われた、神々の思い、古代人の思いを引き継いで、私たちはこの伊吹山の里で生まれ、育ち、暮らしています。そして米原市は、水源の上流として、あるいは伊吹山の持つ大地の水の恵みをびわ湖に届ける、この責任と誇りを持って米原市を「びわ湖の素」と呼んでいます。私はこの想いと土徳は繋がっていると、そんな思いで話をさせていただきました。

 今一度社会の動きに目を向けると、私たちは確かに経済社会の中に生きています。これは、借りたものは返す、あるいは債権債務という関係の論理に間違いはありません。ところが、先ほど言いました古代人の意識は、自分に与えられたものは最大限の評価をする。そして、自分がこれから与えようとするものは最小限の評価をする。「おかげさまです」「させていただく」と言います。ここには損得とか、あるいは契約の関係はありません。これは、私たち日本人と私たちの地域、土地が繋いできた言葉です。公(おおやけ)の仕事というのは実は、こういう無償の見返りを求めない行為や契約が根底になっていると思います。

 冒頭に申し上げました、人のために、時代のために、地域のために、自らの生き方、自らの人生にしっかり繋がっていくのではないかと思っています。そんな意味で、もう一度地域に向き合うこと、そして市民に向き合うこと、若者や子どもに向き合うことを通して、自らの仕事の有り様が、実は自分のためではなくて、子どもたちや高齢者、地域、さまざまな立場の人達のためになる仕事を一緒にやりたいと思うことに繋がり、共に汗をかくことの喜びも分かち合いたいと思うことに繋がります。そんな思いで、みんなでやろう、結果を作ろう、そして喜びを分かち合い共に頑張ることを皆さんにお願いし本日の訓示とします。本年度もどうぞよろしくお願します。

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