平成29年仕事始め式市長訓示(要旨)

更新日:2018年01月23日

1月4日(水曜日)

 皆さん、あけましておめでとうございます。御家族お揃いで新年をお迎えになったこととお喜び申し上げます。

 長期の休みとなりましたので、家庭で団らんの時間を過ごしたり、地域行事に参加したりしていただけたのではないでしょうか。私たちは公の仕事をしていますので、地域の中にどのような課題があり、どのような願いがあるのかについてもアンテナを高くしていただいたことかと思います。

 昨年12月のことを少し振り返ってみたいと思います。北陸新幹線敦賀以西ルートについては結局小浜京都ルートになるかと思いますが、仕事納め式でも申し上げましたように、いよいよ米原駅が持つ機能、米原駅周辺の可能性、さらには米原市が本格的に議論され、その価値を発揮する時が来ています。

 太平洋戦争の激戦地でありましたパプアニューギニアで戦死された米原市出身の旧日本陸軍大尉高森八朗さんが率いていた部隊のプレートが見つかり、12月22日に御遺族に引き渡されました。プレートは銅製で、自転車に付けられていたようです。73年の歳月を経て、あの悲惨な戦争の遺品が米原市に届きました。平和の尊さ、戦争の残酷さについて、今一度考えたいと思いますし、複雑な世界情勢の中、奇跡的に私たちの目の前に現れたこの巡り合わせについて年末年始に考えていました。

 いよいよ平成29年が始まりました。たちまち、来年度予算です。市民の要望や地域の願いにどれだけ応えられるか、私自身も懸命に考えますし、現場の職員の皆さんが地域に対してどんな思いを持って仕事をしているのか、皆さんと議論したいと考えています。市役所の中だけの思考判断ではなく、現場に立って、市民の声を聴くことから、求められていることに応えていくことができる平成29年度予算と事業計画を立てていただきたいと思います。

 平成29年度は第2次米原市総合計画が出航します。平成38年度までの10年間の計画で、目指すべき将来像は「ともにつながり ともに創る 住みよさ実感 米原市」です。これから皆さんにぜひ使ってほしい言葉ですし、これを実現していく米原市職員の熱い思いをぜひ寄せてください。やりがいを持って、この総合計画を一つひとつ実行に移して結果を作っていくことに大きく踏み出してほしいと思います。総合計画には「人と人をつなぐ」「地域と地域をつなぐ」「現在・過去・未来(時)をつなぐ」という3つの基本理念が掲げられています。私たちは小さな存在ですが、小さい存在だからこそ、一つひとつに大切な役割と責任を担っています。その自覚を持って、目指すべき将来像を実現していくための出発の年度である大切な平成29年度に向けて歩みを進めてください。

 ホストタウン、統合庁舎整備、さらには今年、石田三成を主役とする司馬遼太郎先生原作の映画「関ケ原」が公開されます。昨年、MEET三成展を開催しましたが、米原市の歴史的・地理的な位置を含めて、この盛り上がりを今年さらに広げていけるよう皆さんの御協力をお願いします。

 また、10月には、第11回全国水源の里シンポジウムを米原市で開催します。合併後、旧4町の格差を縮め、地域の平等対等の関係作りを進めていく中で、特に中山間地域の人口減少、少子化、高齢化による地域疲弊を見過ごさず、米原市に生まれ育ったことを通して共に喜び合える地域づくりをしていこうという思いを持って、限界集落という言い方ではなく、尊敬される上流、水源の里として地域をしっかりと立て直していこうと始まったのが全国水源の里の活動でした。米原市は、全国水源の里の仲間の中でもリーダーシップを発揮できるような形で歩みを進めてきたと思います。しかしながら、水源の里の前途はますます厳しさを増しています。全国水源の里シンポジウムを米原市で開催することの意味を今一度職員一人ひとりが考え、知恵を出し、御協力いただきたいと思います。

 正月、新聞や雑誌に目を通していて気になったことは、アメリカ大統領に就任するトランプ氏が世界のリーダーシップをどのように取るのか、格差が広がらないのかということです。公の仕事は現場に立ち、地域を見ることから始まります。評論するだけでは済まず、責任を果たしていかなければなりません。若者、家庭、暮らし、さらには世代や地域で格差は広がっています。しかし、ジタバタしても結果は作れません。客観的に分析し、公は何をなすべきなのか冷静に考えることが必要です。自立型でどんな問題解決ができるのか真剣に取り組んでいきたいと改めて思いを強くしました。

 もう一つ興味を持ちましたのが、AIと言われる人工知能の話です。深く読み込むだけの時間はありませんでしたが、人間の思考に取って代わる予感がするような記事が多く掲載されていました。第2次米原市総合計画の中で「つながり」という言葉を使ってもらっていますが、私たち人間は、人と人とのつながりの中で存在をつくっています。人類の進化や人間としての成長、また組織の革新といった創造的なことは、この「つながり」の中にあると私は考えています。人工知能によって全てが行き届くとは思いません。言い尽された言葉ですが、私はコミュニケーションを大事にしていく人間の力に拠って立ちたいと思います。職員と市民との信頼関係、職員間の仲間意識、こうした人間の力によって、ゆっくりとではありますが、私たちは未来を創っていける、あるいは創っていかなければならない、そんな大いなる思いを持って、この平成29年、共に歩みを進めていきたいと思います。

 職員の皆さんの御協力と勇気ある行動を期待して、平成29年の年頭に当たりまして、皆さんへの激励の言葉とさせていただきます。共に頑張りましょう。

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