平成28年仕事納め式市長訓示(要旨)

更新日:2018年01月23日

12月28日(水曜日)

 仕事納め式に当たり、まずは皆さんに心から御礼申し上げ、ご苦労様とお伝えします。

 平成28年は大変厳しい年でした。さまざまなことが起こりました。4月には熊本地震が発生し、震度7の地震が連続して起こるという今までとは違う状況に私たちは直面しました。その熊本地震に関しては、本市からも計4回職員を派遣しました。私たち地方公務員は、当然のことながら地元にしっかりと貢献することが大事ですが、互いに助け合い、現地へ赴き、そこで学ぶことも私たちの仕事の厚みにつながります。この職員派遣について、果敢に取り組み、実績を残してくれた職員の皆さんに改めて敬意を表し、御礼を申し上げます。

 皆さんは、ルーチンワークという言葉にどのようなイメージを持っているでしょうか。決まりきった仕事として自嘲気味に使われることも多いかと思いますが、果たしてそうでしょうか。毎日同じ仕事をするということは、毎日しなければならない大切な仕事だということです。私は、窓口業務や許認可申請の審査などルーチンワークこそ大切な仕事だと思います。こうした業務に多くの職員に関わっていただき、ほとんどミスなくこなしてくれた。これを大いに評価したいと思います。そして、大切な仕事であるからこそ、今一度、工夫や改善を行い、付加価値を加えていけるよう、さらなる皆さんのチャレンジを期待しています。いつも申し上げていますが、人の役に立つ市役所でありたいと私は考えています。公の仕事の中にやりがいや生きがいをしっかりと見つけてほしい。米原市職員がこの1年間積み上げてきた成果こそが、市民の安心を、快適さを、そして幸せを作ってきたと自らの誇りとしてください。

 庁舎問題について、時間はかかりましたが、6月に市議会も米原駅東口市有地での統合庁舎建設という決定をしていただきました。統合庁舎と中心市街地という米原市が自立したまちとなるための兆しを私たちは手にしています。庁舎位置の決定を受け、どう活用し、どんなまちにしていくのか、職員の皆さん一人ひとりが関わってほしいと思います。

 今日の新聞にも載っていましたが、三日月知事は今年を表す漢字に「米」を選ばれました。県産米が日本穀物検定協会の食味ランキングで最高評価の「特A」に選ばれたこと、アメリカ大統領のこと、そして北陸新幹線敦賀以西ルートの米原ルートを主張したことからのようです。

 この北陸新幹線の問題について、今一度おさらいをしておきたいと思います。米原ルート以外に小浜京都ルート、舞鶴ルート、さまざまな議論がありました。私たちは一貫して、合理的で、早くて、安くて、費用対効果の高い米原ルートこそ決定されるべきだと主張し、米原市商工会会長をはじめ、多くの経済人が寄り合い、米原ルートの実現を目指す動きも作っていただきました。しかし、結果としては、ほぼ小浜京都ルートになりつつあるという現状です。

 ここで確認しておきたいのは、2022年度に北陸新幹線は敦賀までやって来ますが、小浜京都ルートは今から15年後に着工、運行開始は30年後だと言われています。もう一つ、来年になれば10年後となる2027年、名古屋までリニア中央新幹線がやって来ます。現在、名古屋‐東京・品川間はのぞみで約1時間30分です。しかし、このリニア中央新幹線は、名古屋‐品川間を40分で行き交うと言われています。米原ルートの望みは失ってはいませんが、今私たちが計画できるこの10年というスパンで考えていきたいと思っています。6年後敦賀に北陸新幹線駅ができること、10年後名古屋にリニア中央新幹線駅ができること、敦賀も名古屋も米原市からほぼ30分圏域です。そうした点から、ますます米原駅、あるいは米原市の重要性と評価は高まってくると私は考えています。

 そして、そのきっかけとなるのが、本年6月議会での米原駅東口に統合庁舎を建設する決定であり、これに呼応する形で、民間有識者の皆さんも含め、米原での新しい市街地、歴史を背景とした21世紀型の人が行き交う街道文化、新しい人が集まってくるグローバルな賑わいを創っていこうとする米原駅東口まちづくり構想も動きつつあります。これまで米原市になかった中心市街地、新しい賑わいの拠点は創られていくべきであり、射程距離にあるこの10年間に私たちが成さなければならないことが、この北陸新幹線の問題の中で、より鮮明に見えてきました。米原市が果たすべき役割がますます重要になる中、米原市の豊かな自然や歴史といった特長を生かしながら、関西・中京・北陸を結ぶにふさわしい都市となっていく礎をこれから10年間かけて創ってまいりたい、そんな思いを持ってこの北陸新幹線問題の一定の総括としておきます。職員の皆さんも米原市の方向性について議論を深めてください。

 この平成28年は、さまざまな地方創生の取組を行いました。90点台の点数がいただけるのではないかと私は思います。ジャパンエコトラックやペットボトルウォーター米原水、青山学院大学をはじめとする大学や民間との連携による取組など、これらは米原市だからこそできた地方の特色あるチャレンジであり、大きな評価をいただいていると考えています。来年をさらに大きく飛躍する年とできるよう、職員がキーマンとなって地域での取組を一層進めていただくことを期待しています。

 また、介護、福祉、障がい者、子育てなどの問題についても大きく前進した平成28年ではなかったかと思います。聴覚障がい者の皆さんが期待を寄せられていた「湖北みみの里」のオープン、まいばら認定こども園の整備、さらに児童発達支援センターなどの新しい取組も順調に結果が出ています。今年行った事業成果をしっかりと平成29年に引き継ぎ、米原市が地道に、しかも価値ある仕事を市民の皆さんに届けていることを皆さんと共に継続してまいりたいと思うところです。

 この1年、市民の皆さんとお出会いする機会をできるだけ作ってきましたが、職員の皆さんの親切丁寧で、市民の立場に立って考える姿勢に多くの方が共感されているし、感謝の言葉もいくつかいただきました。市長にとって職員が褒められることほど嬉しいことはありません。そんな職員がたくさんいる、言葉に詰まる感動でした。米原市の大きな成果です。

 本年、大変厳しい年でしたが、素晴らしい結果を残せたと思いますので、この結果をしっかりと引き継ぎ、平成29年も共に頑張り抜くことをお願いしまして、本年の仕事納めの言葉と御礼にさせていただきます。大変ご苦労様でした。来年もよろしくお願いします。ありがとうございました。

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