平成28年11月市長訓示(要旨)

更新日:2018年01月23日

11月1日(火曜日)

 皆さん、おはようございます。今日も早朝からあいさつ運動ということで、ご苦労様でした。

 10月は多くの地域行事がありました。米原曳山まつり、朝日豊年太鼓踊り、大野木豊年太鼓踊りなどは伝統行事としてしっかりと地域に根付いています。そして、その中には子どもたちの姿があります。子どもたちと一緒に地域で催しをしていく伝統を私たちは大事にしていきたいと思います。

 22日には、米原市の新しい伝統とさえ言える花嫁行列と長持唄が開催されました。私たちの世代は長持唄を聞きながら結婚式を挙げました。今は完全に地域からなくなり、10年目ということで今回で一区切りとのことですが、地域の皆さんに祝福され、地域とのつながりを持って新しい門出を迎えられることを米原ではぜひ続けていただきたいと思いますし、できれば新しい形で各地に再現してもらえるよう行政としても工夫が必要だと思いました。

 また、先月末には、天の川ふれあいフェスタ文化祭、福祉と人権フェスティバルふれあい文化祭も開催されました。ともに28回目ということで、これまで続けてこられたことについて、敬意を表したいと思います。元々は、地域総合センターの事業から始まったわけですが、現在は周辺地域で連携して、活発に世代間・地域間交流をされています。確かに歩みとしてはなかなか進まない部分もありますが、思いを寄せる人たちが居るということを大事にしていきたいと思います。

 先月は、岡山市で開催された介護保険推進全国サミットに参加してきました。総合事業への移行がなかなか進んでいないことを意識した議論がされていました。その議論の中で「介護保険適用の入口は社会性の欠如」という言葉が印象に残っています。社会との交わりや社会の中に居場所がなくなることが、介護保険適用者になっていく入口だということです。

 皆さんも、高齢者の皆さんには「きょういく」と「きょうよう」が必要だという言葉を聞いたことがあるかと思います。「きょういく」とは今日行くところがあること、「きょうよう」とは今日用事があることです。行くところがあって、用事があることが社会性があるということです。これがなくなった時、一見、家の中で立ち回りができていても、それは自立ではなく、孤立が始まっているということだそうです。

 サミット会場では、歩いていける範囲の中で、寄り合うところ、人と出会うところがあることが総合事業、あるいは地域力を高める大きなきっかけとなるということで、全国運動を始めていかなければならないという話も出ていました。行政、医療、福祉、介護の分野が一体となって、高齢者を孤立させない、温かい支え合いの地域社会をつくっていかなければなりません。幸いかな、米原市では、地域お茶の間創造事業をきっかけとして動き始めていただいていますが、この時代、高齢者を一人も孤立させないため、さらに工夫を凝らしていく必要があると感じました。

 また、26、27日と京都府綾部市で開催された第10回全国水源の里シンポジウムにも参加しました。現在の綾部市長は山崎善也さんですが、その前の市長は四方八洲男さんという方でした。四方さんとは、私が市長に就任してすぐに親交を持たせていただくことができましたが、この四方さんが限界集落を黙って見ていられないということで、水源の里条例をつくられました。これは米原市の水源の里まいばら元気みらい条例にも大きな影響を与えています。それから10年が経ちました。この間、さまざまな努力がありましたが、まだまだ基本は変わっていません。四方さんと二人で話した時に印象に残っていますのは、国は農業や林業、道路や河川、起債などいろいろ支援してくれるが、縦型で、ことごとく結果に結びついていない、やはり横連携、がんばるのは基礎的自治体である市町村だということです。そういった意味では、私たちの努力はまだまだ十分ではありません。人口減少、少子高齢化、地域疲弊は、伊吹北部の集落に限ったものではありません。若者や子どもたちの姿が見えなくなっている背景には、生き方、暮らし方、生業が大きく崩れてきていることがあると考えています。これをもう一度立て直すことができるかどうかは私たちに懸かっている、そんな熱い思いもしながら、水源の里の素晴らしさを再確認してまいりました。伊吹の天窓などの新しい動きを含め、これまでとは違った価値観、評価で米原市を評価する流れも生まれつつあります。新鮮な感覚で米原市に来てくれた人たちができるだけ動きやすいように、これからも支援していきたいと思います。

 以前も話しましたが、月の収入があと3万円、できれば5万円あれば、もっと安心して老後を楽しめる、そんな思いでシルバー人材センターに集まってくる人が多いそうです。生きがい就労、プチ所得といった言葉もありますが、シルバー人材センターとしても、いかにして3万円、5万円の収入を得られるのか、その仕組づくりを行政、市民の皆さんと一緒になってやりたいということでした。単にお金儲けの話ではありません。お金も生きがい、やりがいの大事なツールです。高齢者の皆さんは、自分が役に立つと認められることに生きがいややりがいを持ちます。水源の里の話とも重なり合ってくるわけですが、人が少なくなっただめなところではなく、それを大きくひっくり返して、新しい価値を見出し、未来を創っていくことが行政に求められています。

 いろいろ申し上げましたが、地域行事も、県外で行われている議論も、全ては未来につながっています。このことについて、米原市は職員の皆さんの努力で手を広げてもらっていますが、職員の皆さんには、さらにこの手を広げて、地域の皆さんや全国の仲間と一緒になって、未来づくりに挑戦してほしいと思います。

 いよいよ11月です。4日には臨時会が開かれ、第4回定例会ももうしばらくすると始まります。議案を提出する部署にあっては、明快かつ丁寧な説明ができるよう準備怠りなきようお願いします。

 年内残すところあと2か月となりました。この2か月間にできる限り仕事の中身を詰めてほしいと思いますし、年度としてもあと5か月です。未着手事業については速やかに着手するとともに、新しい課題発見の中で来年度に向けた準備もしっかりと進め、務め上げてください。

 最後に一つだけ。今、米原市に不祥事のニュースや噂はありません。職員一人ひとりの努力のおかげであり、市長として改めてお礼を申し上げます。コンプライアンスは当然ですが、何か悩んでいることがないか互いに気遣い合い、それを率直に出し合える、そして一緒になって解決に向かうことができる明るい職場づくり、共に支え合う職場の仲間づくりをこれからも大事にして、より一層市民から信頼される市役所にしていただきますことを心からお願いいたします。

 寒さも厳しくなります。健康で、元気で、そしてにこやかな職場づくりに互いに努力していきましょう。

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