平成28年10月市長訓示(要旨)

更新日:2018年01月23日

10月3日(月曜日)

 皆さん、おはようございます。市役所では5月から10月までエコスタイルの取組を行っていますが、考えてみますと、半年間もノーネクタイの時代になっています。衣替えという言葉もだんだん聞かなくなっているように感じます。

 いよいよ下半期に入りました。先月を振り返りますと、オータムレビューということで、来年度に向けて各部局からヒアリングを行いました。着々と準備を整えていただいていることについて、敬意を表します。ただ、私自身の反省点でもありますが、地域や市民の願いや希望をしっかりと汲み取って、施策に取り入れられているかという点については、もっと議論を深めてほしいと思いました。私たちは施策を実行することで結果を出しています。サービスを提供することで市民の皆さんに高い満足度を得ていただこうと考えています。しかし、その出発点が市役所の中だとしたら、皆さんの机の上で判断され、物事が決まっているとしたら、ズレが生じ始めていると思ってください。

 先月は、市議会定例会、いわゆる決算議会もありました。私たちは平成27年度に行った内容について自信を持っています。市民の皆さん、とりわけ、議員の皆さんに対して、しっかりと説明していただきましたことに、あらためて御礼申し上げます。

 9月21日、滋賀県市長会から三日月滋賀県知事に対し、北陸新幹線米原ルートの実現について、県がリーダーシップをとり、大きなうねりをつくってほしいと要望しました。また、23日には、県議会で代表質問があり、県当局は北陸新幹線の3ルートに関する独自の試算結果を公表されました。投資効果があるとされる費用対便益が「1」を超えたのは米原ルートだけです。正確かつ的確な試算結果を滋賀県が公表されたことを評価したいと思います。しかしながら、これにつきましては、現在、さまざまなリアクションが起きており、また、試算結果が正しいということをもって米原ルートに決まるかと言えば、これはまた別の次元の話なのだろうと思っています。だからこそ、ルート決定に当たって透明性が確保されているか、説明責任が果たされているか、しっかりと注目していきたいと思います。そして、27日には、滋賀県内の商工会議所および商工会、米原市では商工会の皆さんにご尽力いただき、関係者約120人の出席のもと、北陸新幹線米原ルート実現促進期成同盟会の設立総会が開催されました。地元としましても、大変心強く、御礼申し上げると同時に、引き続き、米原ルートの実現に向かってがんばってまいります。

 今年の米原市総合防災訓練は平日に実施することを担当部局で計画いただき、準備が進んでいます。私は大変良い提案をしていただいたと思っています。常々申し上げておりますが、自然災害は想定外です。日曜日に災害が起きるなどという前提はありません。平日は、若者、消防団、自警団、そういった人たちが地域にほとんどいません。平日にどれだけ地域に防災力や人命を救助する力があるか、答えは歴然としています。平日に開催する防災訓練の中でいろいろと明らかになると思いますが、それをどれだけカバーできるのか、行政の果たすべき役割は大きいものと心してください。訓練に取り組む中で、何が欠けているのか、それに対して行政は何を果たすべきなのか、捉え切ってください。

 秋を迎え、地域でさまざまな祭礼や地域イベントが行われています。今月は、曳山まつりや太鼓踊りが予定されており、地域では準備が進められていますが、こうした連綿と続いてきた祭礼を見せていただく度に、米原は素晴らしいと感じます。そして、親が子に、子が孫に、地域の年配者が若者にしっかりと伝えて、準備をし、祭礼行事を毎年立派に行っていただいているという市民の力、地域の力に感心します。そこには、私たち行政が見習うべきことがあります。冒頭申し上げました、市民の思いや地域の願いの実現に向かって力を出し合うという点では、職員として、こうした地域の伝統行事への関わりの度合いを高めていただくことをお願いしておきたいと思います。

 先日、テレビでとあるシンポジウムの模様が放送されていました。社会保障について議論されていたのですが、社会保障が大きく揺らぎ始めていることや現場は地域だということについて、私たちの思いに重なる形での議論がされていましたので、興味深く見ました。その中で、今、教育長を中心に教育委員会で取り組んでいただいている8・3(ハチ・サン)運動と重なる話が紹介されていました。お散歩おじさんという話なのですが、ある地域で、散歩している人に散歩の時間を朝の8時頃、あるいは昼間の3時頃にしてもらえませんかと、声掛けしてまわっている女性がいました。すると、その時間に散歩をする人たちが現れるようになりました。子どもにあいさつされる気持ち良さを感じさせたり、自分が役に立っていることを気付かせる、この声を掛けた女性が専門職であり、声を掛けられたお散歩おじさんたちは非専門職だと。公と民間がどういうつながりを持つことがこの時代の備えとなるのか、社会保障のあり方、地域での支え合いについて話されていました。

 私たちは、地域お茶の間創造事業など地域の互助、支え合いを再生させる取組を進めていますが、施策を実行するパートナーを市民や地域としていく方向性は正しいと再確認しましたし、もっと積極的に暮らしの安心づくりを進めていきたいと思いました。地方創生では、若者、女性の活躍にこだわっています。私は、さらに少数者と言われる障がいをもった皆さんにもこだわりたい。結果として、少数者の皆さんから米原はいい所だという評価がされなかったら、まちづくりの結果につながらないということを申し上げておきます。若者、女性、障がいをもった人たちに「米原ええとこや」と、どれだけ言ってもらえるか、私たちの目標として掲げながら、平成28年度下半期をがんばり抜いてください。併せて、29年度に向けての準備もよろしくお願いします。

 健康に留意していただき、皆さんの底力を大いに発揮する10月としていただくことをお願いして、今月の訓示とします。

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