平成28年9月市長訓示(要旨)

更新日:2018年01月23日

9月1日(木曜日)

 皆さん、おはようございます。常に申し上げていますように、大自然は私たちの予想を超えます。自然災害に遭われた被災地では「こんなことは初めて」という言葉が語られます。台風10号による暴風雨の影響で、岩手県の高齢者グループホームで9人が亡くなられています。入所者の暮らしを支えなければならない施設が、命を守り切れなかった。これは大きな教訓です。この9月もどのような災害が起こるか分かりません。心して災害に備えてください。

 8月を振り返りますと、やはり、リオ・オリンピックが印象に残りました。米原市では、ホストタウンキックオフイベントとして、ホッケー女子日本代表の試合のパブリックビューイングを行い、米原市出身の二人のオリンピアンを応援しました。残念ながら予選リーグを突破することはできませんでしたが、お二人のおかげで素晴らしい時間を過ごさせていただきました。

 お二人と話をしてみて感じたのは、彼女たちの周りにはしっかりと支えてくれる家族や仲間がいるということでした。子育てをはじめ、人生のそれぞれの場面において、一人で抱え込むのではなく、横連携が必要だとあらためて思いました。

 28日に開催された夢高原かっとび伊吹2016ですが、大成功でした。ボランティアスタッフとして参加いただいた職員の皆さん、ありがとうございました。青山学院大学陸上競技部の原晋監督に大会を盛り上げていただいたことで、今大会はマスコミにも大きく取り上げられました。全国各地から参加いただいたランナーの皆さんにも30回という節目の大会を楽しんでいただけたのではないかという思いです。

 こうしたことが実現できた背景には、大学との包括連携協定があります。都市部の大学との連携は、地方にとっては大きなステップになると感じています。都市部、首都圏、東京が全てだとは思いませんが、研ぎ澄まされた技術やタレント性を持つ人が多くいることは事実です。都市部の大学と連携することで期待以上の効果が生まれることを今回実感しました。

 昨日のことですが、湖北管内のがん患者会「スマイル」の皆さんとお話しました。皆さん、密度が濃い生き方をされていて、語られる言葉は私には目から鱗というものばかりでした。私たち行政は、命をつなげる立場にいます。こういった皆さんのお話を聞く機会をできる限り持たなければと、あらためて思いました。

 9月に入り、明日から市議会第3回定例会が開会します。今定例会では、決算特別委員会がありますが、平成27年度に私たちが税金をどのように使い、どのような成果を収めたのか、自信を持って議会、そして議会を通して市民の皆さんに説明をしてください。

 それぞれの仕事は継続しており、昨年度に積み上げた実績が、今年度の仕事の糧となり、新たな展開を生んでいます。28年度の仕事は29年度につながります。今月は28年度の前半の最終月です。後半に向けて、前半を振り返るとともに、今一度、28年度何をしなければならないのか点検をしてください。

 北陸新幹線敦賀以西ルート問題についてです。現在、小浜京都ルート、小浜舞鶴京都ルート、そして米原ルートの3ルートが議論されています。当初は、費用対効果や工期の短さなどから関西広域連合も米原ルートの方向でしたが、昨年あたりから小浜京都ルート、小浜舞鶴京都ルートが前に出てきました。米原ルートは厳しい状況にありますが、整備には税金を使うわけであり、建設費や工事期間など米原ルートが最も合理的であることを前面に出して、この問題を前に進めていきたいと思います。

 これまで、滋賀県の行政としてはいささかまとまりに欠くような状況でしたが、8月26日に開催された滋賀県市長会議において、滋賀県市長会として滋賀県知事に対し、JR在来線の経営維持を前提とした北陸新幹線米原ルートの実現について、県が先頭に立って国などへ米原ルートの優位性を積極的に働きかけてほしいという要望書を提出することでまとまりました。

 また、今月27日には、県内の商工会議所・商工会や経済団体、政界、行政関係者などが集まり、北陸新幹線米原ルート実現促進期成同盟会が立ちあがることになると思います。

 国土交通省は、おそらく9月中に3ルートについての一定の調査結果を政府与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームに示し、プロジェクトチームは年内に3ルートから1つに決定するだろうと言われています。

 今から11年後、リニア中央新幹線の名古屋・品川間が開業する予定です。現在のぞみで90分かかるところが40分に縮まります。私たちは名古屋まで30分の時間距離であり、11年後には米原から品川まで1時間10分で行ける位置となるわけです。米原駅が持つ北陸、中部、近畿、さらには首都圏との時間距離をしっかりと使い、米原市の飛躍を目指してまいりたいと思います。

 現在、私たちは人口減少、少子化の問題に向き合っていますが、今日は生産性を高めることについて少し話したいと思います。人口減少によって経済の縮小が危惧されていますが、パイを構成している一人ひとり、一つひとつの事業所が生産性を高められれば、成長力を確保できるということです。そして、これはエネルギー消費を抑えることにもつながります。

 今、日本人の働き方がクローズアップされていますが、労働生産性を比較してみると、日本は欧米諸国より低いとされています。その原因は情報力だと言われています。これは公務員職場でも大いに参考になると思います。米原市役所でも行財政改革ということで議論をしていただいていますが、情報とワークライフバランスについて外国には見習うべき点が多くあります。何も効率だけを追い求めて仕事をしてほしいと言っているわけではありません。厳しい人口減少が進む中、未来に向かって、米原市からチャレンジを始めるという思いに立ってほしいということです。市民から預かった税金の使い方が評価される時代です。今までとは違う仕事のやり方を工夫し、生産性、事務能率を高めなければ、私たちの職場の未来はありません。民間での工夫、チャレンジは進んでいます。会議時間の持ち方や時間外の使い方など小さなことも含めて、生産性が高まる方法について各自考えてほしいと思います。

 最後に、先ほども申しましたが、今月は議会対応とともに、今一度、28年度前半を振り返り、後半にどんな結果を出せるか、完成度を高められるか、緊張感を持って点検していただくことをお願いします。

 暑さが続くと思いますが、健康管理も怠りなく、共に頑張りたいと思いますので、よろしくお願いします。

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