平成28年7月市長訓示(要旨)

更新日:2018年01月23日

7月4日(月曜日)

 皆さん、おはようございます。

 私たちは常に災害に備える立場にあります。6月5日には、日光寺において、土砂災害全国統一防災訓練を実施しました。担当の分野でご尽力いただきました皆さん、ご苦労さまでした。私も現地へ行きましたが、自治会の皆さんは自分たちが暮らす地域をどう守るのか本気で取り組んでいらっしゃいます。そのことに行政をはじめ関係機関がどうサポートできるのかを考える上でも訓練は大事です。これから台風シーズンにもなります。大自然は人間の想定外の事態を引き起こすということを肝に銘じ、今一度、各部署で危機管理意識を高めていただくことをお願いします。

 最大の課題であった統合庁舎問題ですが、6月16日、米原市議会第2回定例会最終日に可決いただきました。長い時間がかかったように思いますが、議会と執行部がよい緊張関係の中、さまざまな意味で貴重な経験をさせていただいたと思っています。私たちが提案した米原駅東口市有地という決定になったわけでありますから、行政のプロとして責任を持って庁舎建設を立派に成し遂げていきましょう。米原駅東口から生まれる可能性を効果的に市内全域に波及させることや市民自治センターのあり方などについて皆さんからの意見も賜りたいと思います。もう議論は始まっています。市民の皆さんにしっかりと説明できる完成度が求められています。市役所がどんな機能を発揮すべきなのか、全職員が責任ある思いを自らの中に描いてください。

 現在、市長である私と市民の皆さんや各種団体との意見交換を進めています。市役所とは違う視点で物事を捉え、創意工夫をしながら現状を変えていこうとするしっかりとした考えを皆さんお持ちです。私自身もまだまとめ切れておらず、また職員の皆さんとも議論をしたいと思いますが、課題解決のために単に補助金を出したり、要望されたことだけを対応するといったことではない、新しい発想やシステムが必要だと感じています。公というのは私たちが独占しているわけではありません。公の力を市民、地域、各種団体の皆さんにどう提供していけるのか。意見交換の場では、公の力を信頼してくださっているからこその声をいただいています。それは、農業、林業、商工業、教育、子育て、介護など多岐にわたります。しかし、その一つひとつは関連性を持っています。公の真ん中にいる私たちが当事者意識を持って、市民の皆さんと一緒に課題を解決していくための仕組みをどう創っていくのか、市民や地域、団体の皆さんの思いをしっかりと聞いて政策立案する能力が問われています。失敗があってもいいと思います。今、チャレンジしなければ自治体は立ち行かなくなります。今だったらできます。それぞれの職場で、市民や地域、そして当事者意識を真ん中に置いた発想や仕事の仕組みを創っていただきたいと思います。

 8月、ブラジルのリオデジャネイロでオリンピックが行われます。すでに皆さんご存知のとおり、オリンピックに出場する女子ホッケー日本代表チームの選手として米原市出身の西村綾加さんと清水美並さんが選ばれました。彼女たち自らの懸命な努力の結果であろうと思いますが、この努力を見ている人たちがたくさんいることを忘れてはいけません。しかもその見ている人の中には、私たちの希望である多くの子どもたちがいます。努力して夢を実現することを私は非常に尊いと思っています。夢を実現した先輩が身近にいるわけですから、このことを若い人たちにさまざまな場面で伝えていく責任があると私は感じています。皆さんには、今一度人間の営みの尊さに思いを巡らせてほしいと思います。

 オリンピックの関係でもう一つ。米原市がニュージーランドを相手としたホストタウンとして登録されました。ホッケーを中心にスポーツ関係の交流をやりたいと思いますが、オリンピックではスポーツを中心に人、経済、文化の交流も生まれます。ホストタウン登録を生かし、こうした交流をぜひとも進めていきたいと思いますし、ニュージーランドは再生可能エネルギーの取組みも進んでいますので、自然に対する向き合い方など学ぶべき点も多くあると思っています。米原市の未来を創っていくためにも大変よい機会です。海外への翼を広げ、米原市役所全体でこの課題にチャレンジしてもらいたいと思います。

 すでに実践していただいていますが、米原市ではワークライフバランスの一環として、時差出勤勤務制度を導入しています。この働き方改革に個人また各セクションで積極的に取り組んでいただきたい。特に6月から9月までは日が長い時期でもありますので、心身をリフレッシュして自らの仕事の効率性を高め、家庭や地域、そして職場においてその効果をもたらしていただきたいと思います。管理職の皆さんには、より一層の工夫により、部下の時差出勤勤務制度を活用した有効な時間の使い方や計画的な休暇の取得についてよろしくお願いします。

 突然ですが、皆さんは昨日の晩ご飯を思い出せますか?認知症の話ではありません。もしも思い出せなかったとしたら、食事を味わっていなかったのではないかと私は思います。自戒も含めて、極端な言い方をしますと、食べ物を口から胃に運んだだけ、そのような食事で終わっていたのではないかと。「味わい深い話」や「あの人は味があるね」といったように、「味わう」や「味」という言葉は私たちの生活に密接に関わっていると思います。そういった点でも、何も感じることなく、胃に食べ物を運ぶだけの食事の時間ではなくて、誰かが側にいるという状況も含めて、「食べる」ということを今一度大事にしたいと思うのです。大げさに聞こえるかも分かりませんが、皆さんには、今日という日を素通りすることなく、一時一時、一瞬一瞬には大きな意味があるんだと、味わいがあるんだと、時を大事にして、仕事で、家庭で、地域で活躍していただくことをお願いしたいと思います。人間の幅や深みは時を味わうことから成ると私は思います。職員の皆さんには、時を味わい、仕事の成果を自分の成長につなげていただくことを期待しています。

 猛暑と言いますか、厳しい気象条件が目の前に来ています。健康管理に万全を期して、この7月を乗り切っていただくとともに、下半期に向けた準備も怠りなく進めていただきますことをお願いして、今月の訓示とします。

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