平成27年仕事納め式市長訓示(要旨)

更新日:2018年01月23日

12月28日(月曜日)

 職員の皆さん、この1年間は本当に大変なご苦労をおかけしました。平成27年は合併10年目という節目の年であり、各部署で関連事業の実施にあたり大変なご尽力をいただきました。誠にありがとうございます。

 また、今年は地方創生という国の動きとも重なり、去る10月29日に「まち・ひと・しごと米原創生総合戦略」を打ち出したところです。親世代、子ども世代、孫世代の3代にこの米原で暮らすことの満足感を持ってもらえるステキな米原を創ることをコンセプトにしています。4つの基本目標を掲げていますが、まず1つ目は、女性や若者が活躍するまちを創ることです。2つ目は、若者世帯が移り住んでくるまちを創ることです。そして、3つ目に、米原市が滋賀県一子育てしやすい環境を整えているまちだという評価を得ることを目指していきます。米原と言えば鉄道のまちとかつてから言われてきましたが、最後の4つ目こそ、新幹線停車駅米原駅の徹底活用と市内5つの駅を地域の拠点として新しい公共交通で結んで交通アクセスの優れたまちにしていくことです。これからの5年間に自分たちが取り組む土台を27年に作ったわけですから、4つの基本目標に自らの仕事のあり方を見つけ、28年へのスタンスを固めてほしいと思います。

 この27年を少し振り返ってみたいと思います。女性や若者にとって魅力のあるまちという点では、中学生までの医療費無料化をはじめ、これまでから私たちは子育て世代の経済的負担軽減に取り組んでまいりましたが、今年の4月には、第2子以降の保育料無料化に踏む出すことができました。また、まだまだ課題も多いですが、社会全体で子育てを支援するファミリーサポートセンターもつくることができました。そして、米原中保育園と米原幼稚園を整理統合し、認定こども園として新たな出発ができる条件を整えることも28年にできるのではないかと思います。

 学校についてですが、私は、親や地域社会の支援を受けて学習環境が整えられているということを子どもたちに実感してほしいという思いで、これまで学校設備の充実に力を入れてきました。みなさんのご尽力のおかげで、26年度には全小学校の空調設備を整えることができ、この27年度には全中学校の空調設備も整えることができました。また、トイレの洋式化についても3小学校で完備でき、一定前進することができました。引き続き取り組んでいきたいと思います。

 次に、安心して暮らせるまちという点では、地域お茶の間創造事業が25年、26年の2年間の実績を踏まえ、この27年には地域の居場所づくりの形とすることができたと思います。全ての自治会で地域お茶の間創造事業が行えない中、市社会福祉協議会を中心とした地域支え合いセンターも今年歩み始めることができました。併せて、災害に対してどう向き合うのかということについても、この間にさまざまな努力がありました。特に本年は米原市を会場に滋賀県総合防災訓練が実施されましたが、市民と職員の皆さんの協力により完璧にできたことを大変うれしく思いました。また、地域包括医療福祉センター「ふくしあ」も完成することができました。地域医療や介護、福祉に向き合う中、行政にできることの限界もありますので、指定管理者の対応力に期待しています。また、来年1月19日には医療機関がなかった山東西地域で診療所が開設されるというような成果もつくることができました。また、今年は消防組織について、女性消防団員を募集するという新しい動きをつくっていただくことができました。私は、男女が共同する、男女が支え合うということが地域社会のあり方だと思っています。防災は男だけの現場ではありません。女性ならではの感性でこの防災の任に当たってほしいと思っていましたところ、今回、女性消防団員募集の準備をしていただき、ありがとうございます。来年は、ぜひ米原市に多くの女性消防団員が誕生するようにしていきたいと思います。

 私たちは、人口減少という大きな課題を抱えています。子どもたちの数が減り、地域から学校がなくなっていいのかということは市長選挙の際に争点としました。これには適正規模の議論をはじめ、さまざまな意見がありますが、それを承知の上で、私たちは少人数教育、少人数学級をできる限り支えることが行政や地域の役割であるとの思いに立ち、少人数教育によるきめ細かで質の高い教育に努めてきました。一般財源も投入し、教職員を増やしていくこともこの27年度から始めることができました。人口減少社会の中、適正規模だけを追いかけていくと、学校はどんどん地域から姿を消していく。私は、学校がなくなれば地域が崩れていくという危機感を持って、この少人数教育、小規模学校を最後まで支えるというスタンスをとっていきたいと思います。今後もさまざまな議論があると思いますが、地域における学校の役割を踏まえ、学校を支える地域住民のまなざしに寄り添いながら、地域に対する行政の責任を果たしてまいりたいと思います。

 市内にはJR東海の3駅として柏原駅、近江長岡駅、醒ヶ井駅がありますが、バリアフリーになっておらず、ICOCAカードも使えず、乗降客数も多くありません。地域の未来展望を大きく損なう状態にあると言えます。こうした状況を打開していくため、今年は地域振興部を中心にこの3駅周辺の移住定住促進事業に取り組んでいただきました。結果についてはこれからの部分が多いですが、制度活用事例がいくつか生まれてきましたし、地元の人たちにもこの家に、この地域に踏みとどまろうという決意も芽生えてきています。

 この人口減少問題や地域疲弊の問題について、行政にできることには限界があります。こうした課題に、自由な発想と広範なノウハウを持ち、広く事業展開される民間事業者が関わっていただくことを期待しておりました。こうした中、シティマネージャーの努力もあり、NTTドコモ、株式会社ルネサンス、青山学院大学、JR西日本、さまざまな民間事業者が米原市の総合戦略に関わりを持って参加してもらえる兆しを今秋にはつくることができました。私は、市内の民間事業者との連携と同時に、市外の民間事業者とも大きく連携していくことが米原市の飛躍に欠かせないと考えています。米原市であるからこそ関わりを持ってくれるという大きなポイントをこれからも積極的に活用していきたいと思います。

 そして、最近では、あの新国立競技場の設計・建築の任に当たることが決まりました隈研吾さんが米原駅東口エリアについて、私たちに提案をしていただくチャンスを得ることができました。このことについては、おそらく来年、大きな議論が生まれるでありましょうし、それを通して民間参入などの動きも出てくると思います。慎重な対応をとりつつ、米原駅の徹底活用、北陸線の問題、リニア中央新幹線の問題を含め、米原市の課題であると同時に滋賀県政の課題でもあるという点で、三日月知事ともしっかりと連携を取り、また地元国会議員の皆さん方と一緒になって、28年はこうした大きな課題の解決に向けて一歩も二歩も前へ進めていきたいという思いです。

 「びわ湖の素 米原」という言葉を作り、シティセールスに本格的に取り組み始めたのも本年でありました。市民の皆さんも少しずつですが、「これ何?」というところから「これだよね」という話に変わりつつあります。米原市に大きな誇りを持って、さらなる前進を続けていきたいと思っています。

 人口減少に立ち向かうという点では、全てではありませんが、このシティセールスや総合戦略など足掛かりを本年につくることができました。この流れを市民の皆さんと、そして職員の皆さんと一丸となって、来年は大きな流れにしていきたいと思います。私が2期目の市長に就任させていただいて、「希望都市まいばら」を掲げさせていただきましたが、希望は実現する、希望は実現させるために抱く、そして実現すればこそ喜びが湧いてくる、そういったまちづくり、喜びのまちづくりをやっていきたいという思いです。

 最近、国会議員のご夫婦が育児休業を取ると言った途端にさまざまな議論が出ていることはご承知の通りであります。NPO法人フローレンスの駒崎さんという自らが子育てをしながら、子育てに関するビジネスを展開している方がいるのですが、彼は育児休業は休みということではありませんと明確におっしゃっています。私の言葉を付け加えれば、パートナーが出産する前と同じように男性が暮らしているようなことでは親になり切れない。育児休業は、父親と母親に育つ時期を迎えるということです。今秋、私から育児休業対象の男性職員へメッセージを届けさせてもらいましたが、時代はそういう動きをしているということであります。育児をするのは母親、女性という固定観念が取り払われて、男女一緒になって子育てをするという社会が実現しなければ、今の少子化問題の根本的な解決には結びついていきません。育児を共にするということの中に誰よりも恵まれた喜びがあり、自分を成長させるということをお伝えし、男性職員の皆さんに、自らの人生の中で与えられた素晴らしい時間の使い方をしていただくことを期待しています。

 ひと言苦言を申し上げなければなりません。12月1日から無事故無違反運動を始めましたが、誠に残念なことに無事故無違反が達成された日がたびたびリセットされます。一つひとつの事故は幸いにも大きいものではありませんでしたが、間違いなく小さな事故は大きな事故の前兆です。小さな事故や違反について、もっと神経質になってください。年末年始は特有の交通事情が発生したり、飲酒の機会が増えたりします。公務員として自らを律し、家族を、地域を、職場を守ることを自らに言い聞かせ、安全運転、法令遵守ということに今一度立ち返っていただくことを申し上げておきます。

 最後に、来年は米原市の職場から「28年は大きくことが動いたな」「やりがいのある仕事の結果を作ったな」と次々に聞こえてくるような明るい職場づくりをさらに進めてほしいと思いますし、地方創生の中、職員も市民も生き生きと動き出しているまちを皆さんと共に創っていけることを願っています。皆さん方に本年1年間ご尽力いただきましたことをあらためて御礼申し上げ、この年末における訓示とさせていただきます。本年、誠にありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いします。

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