平成27年9月市長訓示(要旨)

更新日:2018年01月23日

9月1日(火曜日)

 皆さん、おはようございます。

 先月、こども議会が開催されました。私も初めてのことであり、大変貴重な経験となりました。子どもたちが自分たちのまちである米原市をよく見て育っていることを感じました。どの子どもも自然の豊かさにしっかりと触れながら、まちの将来への不安やほかのまちへの憧れなどから、もっとさまざまな条件を整えてほしいと積極的に意見を出してくれました。遊び場や野外活動など子どもにとって身近な問題の話もあり、私たちとしても、さらに工夫をしていく必要があると思います。子どもたちが自分たちの未来についてはっきりとみんなの前で意見を述べること、そしてこのことを周りが支えている米原市は、よいまちになっているとあらためて実感しました。

 昨日は、「STOPいじめ!米原生徒会フォーラム」に参加しました。中学校生徒会の皆さんが集まって、いじめ問題をテーマに生徒会活動の報告や意見交換をしていただきました。スマートフォンやSNSの問題について子どもたち自身も危機感を持っています。現代社会で問題になっているところにどっぷりと浸かっている子どもたちもいる一方で、私たちが言う従来型の生活をしている子どもたち、つまり親子の関係、地域との関係、学校の仲間との関係の中で、自分の成長を確かめている子どもたちも確実にいます。私たちは人をどう育てるのか、教育の現場にどう関わりを持つのか考えさせられます。今年から総合教育会議という首長である私が教育委員の皆さんと話す機会もできました。昨日の生徒会フォーラムで受けた教訓も踏まえ、教育の現場や教育のあり方に市民感覚を取り入れることを推し進めていきたいと考えています。

 先日発生した寝屋川の事件の被害者は2人の中学1年生でしたが、こども議会の小学生や生徒会フォーラムの中学生を見て、この子たちの同年代の子の命が奪われたということについて、「行政が」、「教育委員会が」といった構え方ではなく、大人として、地域社会を形成している一人の市民として、考えていかなければならないと思います。

 先日、介護家族の共倒れをテーマにしたテレビ番組をやっていました。雇用問題や若者の働き方の問題なども含め、非正規雇用や賃金水準が全く上がらない中で、結婚できず、家庭を構えることができないまま、自分の親を介護していかなければならないという状況に直面した際、生活保護の問題が出てきます。生活保護についてはさまざまな議論がありますが、行政の一つの工夫として世帯分離を勧めている場面が出てくるのですが、番組に出演していた方は、家族を分けなければ生きられないような社会はおかしいということをはっきりとおっしゃっていました。社会保障制度に当てはめるために世帯分離をしなさいと言わざるを得ない日本の社会保障制度の現実、貧困問題の深刻化はここまできています。先ほど申し上げた寝屋川の事件もそうですが、全て私たちの地域、現場にあることです。自治体職員は、貧困や格差、人権問題に今一度敏感になる必要があります。確かに自治体には限界がありますが、このままの仕事のあり方で市民が安心できる未来を創っていけるのか、どんな工夫をすれば年齢を重ねたときに誰もがよかったと人生を振り返れる時間をつくることができるか、私たちが最終的に提供するサービスとしての社会保障のあり方について今後も考えていきたいと思います。

 今朝は私もあいさつ運動に参加しました。多くの職員に時間外にボランティアで街頭に立ってもらっています。実施場所によっては、相当早い時間に家を出発してもらうこともあるかと思いますので、ゆう活、あさ活の取組も含めて、時間管理についても皆さんの能力を発揮していただきたいと思います。時間外勤務が多いことによく働いてくれるという見方もありますが、一方で「そういう仕事の仕方しかできないんだ」という働き方の評価があります。特にヨーロッパあたりでは、休日に働くという姿勢そのものが、人間として、家庭人として、社会人として極めて低い評価になるということも聞いています。だからという訳ではありませんが、時間の使い方、働き方についてのモデルを米原市役所の中から作っていくことをお願いしておきます。

 6日の日曜日には総合防災訓練があります。今年は案内のとおり、滋賀県総合防災訓練と同時開催になりますので、広範囲から多くの人がお集まりになります。米原市職員、米原市役所が評価にさらされるということも念頭に置いておいてください。県と合同で開催しますが、市独自の訓練もしっかりとやりたいと思います。今年の工夫としてシェイクアウト訓練の実施があります。実際に経験しておかないと、有事の際に何もできないと私は思います。皆さんはさまざまな訓練や経験ができる立場にいる訳ですから、訓練で体感して得た経験を有事の際の迅速な判断に生かせるようにしてください。

 3日からは米原市議会第3回定例会が始まります。決算議会であるわけですが、議案の中に誤りや訂正があっては信頼が大きく崩れてしまいます。関係者だけでなく、職員全体で自分たちの仕事を議会においてどのように表現し、説明しようとしているのか確認をしていただきたいと思います。関係職員には決算委員会に出席していただきますが、昨年度事業についてしっかりと説明できるよう万全を期してください。

 本議会では、市の最重要案件であります「米原市役所位置設定条例の一部を改正する条例」を提案します。米原駅東口の市有地を提案する訳ですが、今日の地方創生を含め、10年目を迎えた米原市が次にどこへ向かおうとするのかという点から、新市街地を創るべきだと思います。4町合併ということで、それぞれの個性を高めることも大事でありますが、同時に、米原市がひとつのまちとして市外へ、全国へ、海外へ発信していく際の拠点としては、新幹線停車駅である米原駅に隣接した市有地から始めることが最良ということで統合庁舎の整備を前へ進めていきたいと思っています。私は、執行部の最高責任者として最終日の議決まで、議員の皆さんの理解を得られるよう努力してまいりますので、職員の皆さんも市役所をどこへ置くのかということが、米原市がどのようなまちづくりを進めようとしているのかに大きく関わっているということを認識いただいて、理解を広げていただきたいと思います。

 今月末からは、オータムレビューを始めます。すでに「平成28年度施策構築に当たっての骨格指針」を示しているところであり、来年度に向けての議論をしていきたいと思います。また、本年度事業の進捗についても確認したいと考えています。予算が計上されている、されていないに関わらず、本市が抱えている課題解決のために現場でどのような努力がされているのか説明を求めたいと思いますので、準備をお願いします。

 また、前例踏襲はもうやめていきたいと思います。本当にしなければいけない事業と、事業効果を評価したときに、廃止すべき、もしくは縮小していくべきという事業があります。「そんなに簡単に事業を減らせません」という反応が返ってきますが、それを行うのが仕事です。先ほど時間管理が大事だと申し上げましたが、もう一つ仕事管理をお願いしたいと思います。毎年のことを繰り返していれば通用するという時代ではありません。どんどん出てくる新たな課題に対し、私たちは立ち向かっていかなければなりません。だからこそ、これまでの取組を総括することが必要です。合併から10年経った、ここ1、2年がチャンスだろうと思います。この点についても、オータムレビューの中で皆さんと議論をしたいと思いますので、この仕事を今月やり遂げてほしいと思います。

 今月、議会と将来の米原市を見据えて議論をします。職員の皆さんにおかれましても、職場の中で来年度事業についての真剣な議論と研究をしていただくことと併せて、自らの仕事の進め方、時間の使い方について努力することにも緊張感を持って取り組んでほしいと思います。子どもたちも私たちの仕事を見ています。

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