平成27年8月市長訓示(要旨)

更新日:2018年01月23日

8月3日(月曜日)

 皆さん、おはようございます。

 先月、台風11号が接近した際には、警戒2号体制ということで、関係者の皆さんには出役いただき、大変ご苦労様でした。あらためて御礼申し上げます。9月の台風シーズンの到来を控え、今一度、災害時の初動マニュアルを確認し、日頃からの備えをお願いします。

 この11号台風では、湖北広域行政事務センターの最終処分場で、職員が、突風により門扉の下敷きになるという事故が発生しました。最近の情報では、徐々に回復されてきているとのことですが、頭を打たれたということで心配です。災害時には、建設課や防災危機管理課をはじめ、関係職員の皆さんには現地確認をしていただくことになりますが、私としては、当然一人もけがをしてもらいたくないし、けがをさせてはならないと考えています。ましてや命に関わるようなことが絶対にあってはいけません。くれぐれも巡回などにあたっては、警戒と安全確認を怠らないように、この点についてもお願いをしておきます。

 先月の中頃ですが、滋賀県市長会市長研修に参加してきました。愛知県豊田市と西尾市が研修先でした。あとで少し触れたいと思いますが、あの豊田市でも、人口減少、過疎化、獣害の問題で大変な苦労をされています。財政力や人的な体制が我々と違いますので、そこまでは我々ではできないということもありましたが、先進的な取組みをされており、なるほどと思う点がありました。

 先月のことではありますが、まだ続いていますし、9月議会などを含めてこれからもさまざまな議論があると思いますが、24、25日に庁舎等整備基本構想市民説明会を開催しました。4会場で開催しましたが、結果的には参加者が少なく、ご意見も少数でありました。しかし、その中にはご指摘や批判的な意見などもございました。そのような意見を真摯に受け止めるとともに、改善すべき点については、今後検討をしていきたいと思います。

 私は、庁舎の位置が決まり、機能面などの具体性が明らかにできることで本格的な市民参加が進むと思います。まずは、これからの米原市の拠点となる庁舎位置が決まることで、地域に対する自治センターのあり方や新しい時代に向き合う米原市のステージづくりを市民のみなさんと一緒になって進めていきたいと思います。少し大げさに聞こえるかもしれませんが、庁舎問題は、米原市の中で、50年、100年に1度あるかないかの大きな課題です。職員の皆さんにおかれましても、この時期に職員として仕事をしている誇りや自らの思いを示してもらいながら、この庁舎問題について、市役所職員が一丸となって、方向性をつくっていきたいと思いますので、重ねてご協力をお願いします。

 8月に入り、昨日は、滋賀県消防操法訓練大会が開催されました。米原市からは、伊吹班と柏原班が出場され、炎天下の中、ご健闘いただきました。消防団員の、特に出場選手のご苦労は大変なものです。ご家族や地域も含め、大変なご苦労があっての結果でありますので、あらためて敬意を表し、感謝を申し上げたいと思います。

 さて、6日広島、9日長崎、15日終戦記念日という鎮魂とともに、私たち日本人が平和の問題や戦争の問題について深く考えさせられる8月が巡ってきました。8日には米原市平和祈念式典を開催させていただきます。

 戦後70年の節目の年を迎え、現在、国会で議論されている安保法制の問題、その背景にある憲法の問題について、最近特に若い人たちが声を出し始めています。若いお母さんたちが率直に自分たちの時代にどうなるのかという不安の声を上げられています。このような声は一部だとする意見もあるようですが、私が特に気になったのが若い女性が「震える」という言葉を使っていたことです。私も正直、最初はピンとこなかったのですが、日本が戦争という厳しい状況になったときに、若い私たちが当事者になる、このことに震えているんだということで「震える」という言葉を使われています。このことに私は、時代の動きを感じています。政治への関わり方を含め、さまざまなご意見があろうかと思いますが、日本国憲法によって戦後70年間、一人も殺してこなかったし、一人も殺されなかったということについて、私は日本人として誇りを持ってよいと考えています。このことをどう続けていくのかということでさまざまな議論はあって然るべきですが、今の国会などの動きについて、私たち一人ひとりの国民がどう関わるのかについて、真剣に考えてほしいと思います。

 あさ活、ゆう活という形で、皆さんの職場の中において働き方の問題について考え、実践してもらっていますが、夏期特別休暇についても計画的に取得し、日々の仕事の仕方、働き方、家族との時間の過ごし方について見つめてください。

 最後に、先月のおでかけトークでなるほどなと思ったことがありましたので、報告しておきます。米原市へ移住をしたいという子ども連れの若いご夫婦がいらっしゃったのですが、なぜ米原や地方を選択しようとしているのかをお母さんに聞いたところ、自分の子どもがいじめられても困るし、またいじめっ子にもなってほしくない。いじめのないところで子どもを育てたいと思っているとおっしゃいました。そのような子育てができる環境を選びたいとのことでした。また、お父さんに仕事はどうされるんですかと質問したら、仕事は二の次ですと。仕事は何とでもなるから、住居や地域といった暮らしの条件がマッチするかどうかですとのことでした。

 豊田市へ研修に行った際も、現在の田園回帰や農村回帰と言われる現象の真ん中にいる若い人たちの仕事に対する考え方についての話を聞きました。仕事というものは1つだと思い勝ちですが、都市部の若い人たちが田舎を目指す際、仕事は決して大きなウエイトを占めるものではなく、しかも1つの仕事でなければならないなどとは考えていないとのことです。どこで暮らしても、必要な生活費と貯金ができるだけの収入が得られると思っています。生活の安定、暮らしの環境、子育ての環境、このことを大事にして都市部の若い人たちは移住定住を考えているようです。

 豊田市の過疎地域で10年後の家族の将来像を考えてもらうアンケート調査をされたのですが、23%が空き家になるかもしれないと回答し、空き家の管理については75%が空き家のままと回答されています。その一方で、豊田市内のこの集落に住みたいとか、古民家を改修して暮らしたいと情報を求める都市部の方はどんどん増えているそうです。もしもこの75%意識を変えることができたら、間違いなく移住は促進される。今、私たち地方に暮らす者は自分の家を他人に貸すとか売るということにまだまだ抵抗があるが、この意識を大きく変えていく必要があるのではないかという話を伺いました。

 米原市も人口が3万人台のまちになっています。移住と定住に対する明確な方針を持って、そのことに真面目に努力する地方創生、米原創生を今年度中につくり上げたいと思いますので、庁舎問題を含め、合併から10年の歳月を経た米原市がどのような準備を整えたかを職員の皆さんと一緒になって、9月、10月に明確にしていきたいと思います。それぞれの分野で地方創生、特に移住定住の方策を提案し、実践をしていけるよう、ここでも職員一丸となっての取組みをお願いします。

 厳しい暑さが続きますが、健康管理をしていただき、家族とのリフレッシュの時間もつくっていただいて、充実した夏を過ごしていただきたいと思います。

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