平成27年7月市長訓示(要旨)

更新日:2018年01月23日

7月1日(水曜日)

 皆さん、おはようございます。今日は、穏やかな梅雨らしい空模様となりました。

 この梅雨空とも関係してきますが、6月7日に伊吹地先で土砂災害・全国統一防災訓練を実施しました。県や自衛隊にも参加いただいての訓練でした。私がいつも思うことは、「予期しない」や「想像できなかった」ということが、結果に対しては何の説明にもならないということです。何度も聞かれていると思いますが、皆さんにおかれましては、手元の災害時の初動マニュアルを日常的に確認してほしいと思います。そのようなことから万全の態勢が整えられると思いますので、よろしくお願いします。

 米原市役所は4庁舎の分庁となっていますが、だからこそ身近な地域の実態が把握しやすいという面もあるかと思います。職員の皆さんには、庁舎から外へ出たとき、危険箇所について気に留めてほしいと思います。そして、専門セクションだけに任せるのではなく、市役所職員として情報を共有し、職場の中での議論を常にしてください。

 翌8日には、第1回米原市まち・ひと・しごと創生に関する有識者会議を開催しました。米原市としても9月を目途に地方版総合戦略と地方人口ビジョンを策定する予定です。この地方創生は、決して企画部門だけの仕事ではありません。日々、市民の皆さんや地域に向き合っている職員の皆さん一人ひとりが、この地域はこのままでよいのか、未来をどう創っていくべきか、考えを持っていると思います。私は、その一人ひとりの考えを寄せて総合戦略を策定したいと考えています。米原市の未来を創っていくために、この総合戦略を誤ることは絶対にできないという危機感を持って臨んでください。人口減少という厳しい現実に対して、職員一人ひとりが向き合い、果敢に挑戦することで、展望を切り開いていきたいと思います。

 すでにご承知いただいていると思いますが、米原市議会第2回定例会の最終日に臨時記者会見を開き、米原市庁舎等整備基本構想について発表しました。今月24日と25日には、米原市庁舎等整備基本構想市民説明会を開催する予定です。そして、9月の米原市議会第3回定例会には、米原市役所位置設定条例を上程していきたいと考えています。議会との議論を通じ、未来に対する責任が取れる結果を積み上げていきたいと思います。そのためにも、米原市の未来において拠点としての市役所がどのような役割を果たしていくか、そして行政サービスをしていく上でこの規模・中身が必要だと、職員一人ひとりが気概を持って説明していくことが欠かせません。また、そのような思いを持って自らの仕事に接してください。これから4年から5年で結果が見えてくるわけですが、職員の皆さんにこの点についても触れておきたいと思いました。

 今月4日には、認め合う女と男とのパートナーフォーラムが開かれます。男女共同参画やワークライフバランスについて、市民の皆さんとともに議論を深めていきたいと思っています。働き方や暮らし方、もっと言えば生き方について、これまでの男性中心の考え方からシフトしなければいけません。女性の感覚がもっと当たり前に出てくるべきです。市役所としても、その流れのさらに先を行く政策が打ち出せるようになるべきだと思っています。

 米原市役所では、あさ活・ゆう活をすでに実施していますが、6月8日から6月25日までの間で、実施者数が82人、実施回数延べ215回ということで、徐々に浸透しているのかなと思っています。これは自分の働き方を自分で決めるということです。私は、時間を自分の思い通りに使うということが、人生において極めて大切な事だと考えています。雇われているから仕方ないといった時代は終わりました。私は、この時間にこれだけのことを仕上げ、残った時間は、私のために、子どものために、家族のために使いますという時代です。あさ活・ゆう活を積極的に活用し、自らの働き方、地域への関わり方、そして何よりも家族への関わり方について、自らの方針を築き上げてください。

 少子高齢化や地域疲弊などで懸案となっていた柏原、近江長岡、醒井のJR東海道本線3駅周辺の活性化について、移住定住の奨励策を作ることができました。一人でも一家族でも多くこの施策を活用して、米原市に移住定住してもらえるように、担当課の話、あるいは地域の問題ということではなく、職員の皆さんが持っているさまざまな情報を担当課へ寄せていただきたいと思います。職員一丸となった取組をお願いします。

 地方創生の関係やワークライフバランスの問題、そして地域振興策について話してまいりましたが、これに関連して話をしたいと思います。少し抽象的な言い方になりますが、今、本当に問われているのは、経済や成長といったことを中心にした従来通りの考え方から脱却し、未来展望の中にどうしたら現状を維持していけるのかを提示すること、コミュニティやエネルギーをはじめさまざまなことについて持続、循環していける仕組を用意しなければならないということです。従来型で選択と集中という言葉がありますが、果たしてこれからの時代、それで事足りるのでしょうか。この選択と集中という言葉の反対語として、多様性を認めていく、あるいは共生していくという言葉が思い浮かびます。経済や成長に対峙する形で、人間をどう大事にするのか、暮らしをどれだけ豊かにするのか、行政はこのベクトルを持って判断していく必要があります。まだ見ぬ未来ではあります。まだ見ぬ未来ではありますが、一人ひとりが、公務員として、仕事人として未来に対してどれだけの想像力や構想力を持っているかが問われています。現実対応だけでは仕事にはならないということです。創造力や構想力があれば結果は作れるはずです。人口減少は喫緊の課題ではありますが、その言葉に踊らされてはいけません。私たちには長年積み上げてきた経験や実績があるし、自信や誇りもあります。私は、地方だからこその自信や誇りを正面に立てることで、未来展望を創っていけると思いますし、米原市はコンパクトであるからこそ、合意形成もしやすいと思います。しっかりとした方針を持って、果敢に挑戦をしていく行政を続けていきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いします。

 最後になりますが、梅雨が明ければ夏本番です。夏期特別休暇を計画的に取得することで、仕事だけではないということ、成長や経済だけではないということ、家族や地域に寄り添った生き方について考えてほしいと思います。家族や地域を大切にする市役所職員が地域づくりや人づくりを語ることによって、本当の信頼を得ることができ、未来展望への議論ができるのではないかという思いにも立っています。時代は変わっています。時代の変化に敏感に反応し、働き方や暮らし方について米原市役所職員として未来展望をしっかりと持ち、自己研鑽に努めていただくことをお願いして、今月の訓示とします。

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