平成27年6月市長訓示(要旨)

更新日:2018年01月23日

6月1日(月曜日)

 皆さん、おはようございます。先月から好天が続いていますが、5月中に記録された夏日が過去最多となる地域が出るなど暑い日が続いています。やはりこの気象は少し異常だと思います。

 5月を振り返りますと、新年度を迎え、各種団体が動き始めています。毎年、長浜の湖北農業会館で開催されている日曜朝市ですが、今年は3日から始まりました。大変人気があり、開始と同時に品物がなくなるとは以前から聞いていたのですが、今回初めて伺うことができました。確かに、販売開始前から多くのお客さんが待っていて、開始と同時に自分が欲しい商品のところへ行って購入されているという状況でした。しかし、これだけお客さんが来るのに、生産者の方は高齢者が多く、「出す物がない」「後継者がいない」とおっしゃっていました。この状況もある意味、異常だと思います。消費者側からは地産地消型で、安全・安心でおいしいものが近くで買えるのでうれしいという声があるのに、生産者側は大量生産ができないという現状です。道の駅や直売所といった策も有効だとは思う一方で、それに対する投資をして果たして持続できるのか、若者の農業に対する向き合い方などを考えると、慎重にならざるを得ない部分もあります。あらためて、現実をどう捉えて、未来展望を創っていくのか、私たちの責任は大きいと感じました。

 この時期、多くの総会が開催されますが、青少年、いじめ問題、家庭支援などについての会議に出席した際、私がいつも感心することが、多くの市民が未来や、次の時代、特に子どもたちや青少年に熱心に向き合っていていただいているということです。これは大きな力です。今朝もあいさつ運動にはスクールガードの方をはじめ大勢の方が出てきて、子どもたちを見守っていました。役職だからと言ってしまえばそれまでですが、それだけではない思いを持って子どもたちを見守っていただいていることは確かだと思います。自分たち大人が子どもや地域社会に対してできることを通して、未来を確かなものにしていきたいという思いで、あいさつ運動に参加していただいていると思います。

 今年は、ほたるが例年より早く出始めているようです。これも異常な暑さの影響ではないかと思いますが、いずれにしても天の川ほたるまつりが5日から14日までの期間で開催されます。いろいろな議論があるとは思いますが、このほたるに関する取組が綿々とつながってきているということは本当に素晴らしいことだと思います。人里昆虫とも言われるほたるにこだわりを持って、私たちの先輩は、ほたるまつりやほたるの保護活動を展開されてきました。それは経済の論理などで説明できるものではありません。私たちの世代には次の世代に引き継いでいくという責任があります。その中でもほたるは大きなテーマだと思いますので、ほたるまつりやほたるサミットが開催されるこの6月に、今一度、市役所職員として、米原市のシンボルであるほたるについて思いを巡らせてください。

 先月、米原市はシティセールスとして「びわ湖の素 米原」という言葉を使うことを決意し、その行動を始めています。うまく伝わらない部分もあるかと思いますが、私は次のように思っています。

 私たち地方は、明治以来、いつも中央を見てきました。また、大規模集中でやるのか、小規模分散でやるのか、原発問題では小規模分散型のエネルギー政策に大きく舵を切るべきだと思っていますが、集中と分散というテーマが今、課題になっています。また、画一と選択ということも大きな課題だと思います。今国会で議論されている安保法制のことも含めて、ひとつの方向しか選択しないということは、国民にとって、人類にとってどうなのか。

 明治以降、日本という国が進んできた方向が1945年8月15日に大きく変わりました。また、2011年3月11日の福島第一原発事故を受け、日本人の考え方や日本の国の在り方は大きな転換点を迎えていると思います。だからこそ申し上げたわけですが、地方と中央、分散と集中、そして多様性と画一性の問題、このことが自治体の現場でさまざまな形となって議論されています。そのひとつが、今、米原市役所一丸となって進めている地方創生の問題です。集中して大規模なものも必要だと思いますし、否定はしません。しかし、米原市は、地域にこだわりを持ち、小規模なものに力を入れていく、多様なものを認め合う地域文化を評価していく、そういった方向に議論を深めていきたいと思います。地方分権の中、まさに私たちの選択・判断が求められています。

 いろいろ申し上げましたが、このシティセールスで大切なことは、このまち米原市が、自分が暮らす在所が、地域が、いいところなんだ、ここで暮らすことが幸せなんだということを大人に言ってもらえる、そんな大人を見て子どもたちが育っていくというまちを創るということだと思うのです。それができなければ、いくら「米原へ来て住んでください」「米原で住み続けてください」と言っても、それは空虚な言葉に過ぎません。自然、歴史、文化、そして未来も、全てのものが米原から始まっている、米原こそびわ湖の素なんだ、そんな米原に暮らすことがココチよいということを市民に言ってもらえるように職員一丸となって取り組んでください。

 最後に1点だけ申し上げます。先日、自治会連絡協議会総会が行われ、懇親会にも出席させていただきました。自治会長さんも市役所に対してさまざまな評価をされています。そのような中、市役所へ行っても職員がうつむいたままで、挨拶をしない、それがそのまま市役所の暗いイメージにつながっているということを率直におっしゃってくださった自治会長さんがいました。以前から申し上げていますが、私たちはサービス業だということを念頭に置いて、市役所を訪ねて来られた市民には積極的に声を掛けてください。市民への向き合い方、地域への向き合い方について、今一度、皆さん方の襟を正していただくようにお願いします。

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