平成27年3月市長訓示(要旨)

更新日:2018年01月23日

3月2日(月曜日)

 皆さん、おはようございます。慌ただしい2月が過ぎ去り、いよいよ3月です。3月は、年度の仕上げをする月であるのと同時に、新年度の準備をする大切な月です。緊張感を持ってよろしくお願いします。

 明後日から代表質問、そして一般質問ということで、議会で本格的な議論が始まります。皆さんには代表質問、一般質問の答弁協議に時間を割いていただき、また協議の中で、さまざまな提案をいただきましたことについて、お礼を申し上げます。議会では、市長を中心に幹部職員が一緒になって議員の皆さんと議論をするわけですが、議会は、行政課題を市民に理解していただく大事な機会です。今の課題、市民の希望、議会からの疑問に米原市職員みんなで応えていくという真摯な態度で、説明責任を果たしていきたいと考えていますので、よろしくお願いします。

 繰り返し申し上げていますが、平成27年度は特別な年度にしたいと思っています。これからの10年でどんなまちを創っていこうとしているのか、市民サービスをどうしようとしているのか、地域課題の解決に向けた取組などについて具体的に明らかにしていきたいと思います。批判もあるでしょう。意見のやり取りもあるでしょう。そのことも含めて開かれた市役所として、これからの10年の課題について大いに議論する年度にしてまいりたいと思います。私は、その点では、常日頃から議論する職場を作り上げてほしいと思います。私たちの仕事は非常に激しい変化に向き合っています。机上でひとり仕事をしているだけでは、なかなか解決すべき課題に気付くことはできません。若手職員の意見を含め、広範な意見が職場でやり取りされることが、地域課題の解決力を市民に示す原動力になると考えますし、市役所としての力になると思います。キャリアに関係なく、職場で大いに議論していただくことをお願いします。

 最近の新聞記事の中からですが、私たちは3月、4月になると、「春が来た」という言い方をしますが、「春が帰ってきた」という言い方があるそうです。これを聞いて、私もあらためて思ったのですが、私たちの暮らす地域では、春祭りをはじめ去年の春をもう一度迎え入れることが身近にあります。少し大げさな言い方に聞こえるかもしれませんが、春は人間の力で作り得たものではありません。春や自然といった私たちを取り囲んでいるものが主(ぬし)、あるいは神だと思います。日本人はそういったものに感謝し、自然との関係を大事にしてきました。そして、その関係の中で自分たちの生き方や暮らし方を選んできました。「春が帰ってきた」という言い方をもう一度思い返した時、私たちが人間と自然との関係の原点を忘れてしまっていないかと思いました。記事の後半では、今の世の中に対しての痛烈な批判がされていました。私たちは自分の意思で物事を動かしているように思っていますが、その中に人間の傲慢さがあり、人間を中心に考えることが社会を劣化させているというものです。一見飛躍したように聞こえるかもしれませんが、今、テレビをつければ中学1年生の悲惨な事件の報道がされています。あの中学1年生の悲惨な状況に対して、結果として、周りにいる大人が誰一人止め切れず、防ぎ切れませんでした。救える命を救えなかったということについて、私たちは自分しか見ていないのではないかと思うのです。先ほど申しました、大自然を私たちの主(ぬし)、神とする姿勢がいつからか失われ、自分しか見ていない。他者の気持ちになり切れないというところに、社会の劣化が始まっているということです。そういった中、私たち行政、あるいは教育に関わる者には、大きな責任があり、日々努力を重ねることが必要であると思います。ある意味、地方創生には、人をどう育てていくのか、自然にどう向き合うのか、優しい人間社会をいかにして取り戻すのかといったことが、大きく関係すると思います。

 まもなく来る3月11日。東日本大震災の発生から4年を迎えようとしていますが、どこか他人事になっていたり、遠いところのことと自分との関わりが薄いものになってきてはいないでしょうか。もう一度、自然災害に対して、私たちはどう向きあったのか、どんな備えができているのか見つめ直してほしいと思います。私たちの限界や未熟さに気付くことこそ、本当に強い防災力につながるのではないかと思います。3.11は、昭和20年8月15日以後、日本人に課せられた大きな課題だと思っています。そして、このことに関連してどうしても語っておきたいことは、原子力発電所がコントロールし切れていないという結果を受けて、今後どうしていくのかということです。私たちは福井県の原発に非常に近い所にいます。山や森、そして琵琶湖を抱えている立場で、「しょうがない」で済ませてよいのかどうか。職員一人ひとりが考え、議論してほしいと思うところです。

 話は戻りますが、年度末です。26年度に手を付けたことで、完成度が見られないものについては、今一度、確認をしてください。この10年目の米原市政は、私自身にとりましても、就任から3年目の市政運営になります。おかげさまで、選挙で提案した政策の約8割から9割について、着手することができました。27年度は、完成度を高める後半2年間の大切な初年度だと思っています。地域の要望を政策として実現することで、地域に、そして米原市全体に還していく上で大変大事な時期に入ったということをあらためて申し上げますとともに、職員の皆さんには引き続きご協力をお願いしたいと思います。

 大変厳しい状況が続きますが、この3月という年度末の大事な1か月を最後まで頑張っていただくことと併せて、新年度に備えていただくことをお願いしまして、今月の訓示とします。

この記事に関するお問合せ先

本庁舎 政策推進部 広報秘書課(秘書)

電話:0749-53-5160
ファックス:0749-53-5148

メールフォームによるお問合せ