平成26年12月市長訓示(要旨)

更新日:2018年01月23日

12月1日(月曜日)

 皆さん、おはようございます。寒さが厳しくなる中での12月となりました。
 まず、先月のことから少し触れてみたいと思います。米原高等学校創立50周年記念式典が11月8日に開催されました。私はあらためて地元の高等学校教育について考える機会をいただいたと思います。私も米原高校の卒業生ですが、当時の高等学校教育は、良い学校に、良い会社に入るために勉強せよ、という教育であった印象を持っています。しかし、社会も変化し、外向きに頑張るという時代ではなく、地元や地域に貢献できる人材をどれだけ育てられるのかということが評価される時代になってきていると思います。地元を離れ、広い世界で活躍するような人材を育てることも大事ではありますが、自分たちに身近な地域で活躍してもらえる人材を育てていくような高等学校教育を期待します。

 また先月は、JR西日本とJR東海という鉄道事業者との話し合いの場がありました。私たちは、今まで往々にして、米原駅や新幹線という問題について、JR西日本やJR東海といった外にあるものに対して、要求し、改善していこうという姿勢にありました。これも勿論大事だと思います。しかし、駅やターミナルは地域に存在する私たちの社会資本であり、このことを地元がどれだけ活用できるのか、私たちがどれだけ地元のために使い切っているのか、このような視点からも考え直す必要があるのではないかと思います。鉄道事業者は対する相手ではなく、パートナーとして、一緒に地域課題を解決していく、そして地域を創り上げていく、そういう存在であるということをあらためて感じました。

 話題を変えますが、先月16日に、米原市母子寡婦福祉大会が山東公民館で開催されました。決して多くの方が集まっているわけではありません。しかし、参加者が、自分たちの子どものことだけではなく、周りの子ども、そして今の時代の子どもたちをどう育てなければならないかという根源的な問いを発していらっしゃるということに、あらためて気付きました。私は、基本的には、親の都合や事情とは関係なく、子どもたちが育っていける環境を整える必要があると考えています。母子家庭や寡婦の皆さんが要求されてきたことを基礎とし、経済的負担軽減も含めて地域や社会全体で子どもの育ちを支援する制度やシステムを見直すことが必要です。今日の少子化問題を考える上でも、新たな、そして貴重な問いをいただいたように思いました。

 「花嫁行列と長持ち唄」についても触れておこうと思います。8回目ということで、県外からも多くの方がお見えになっていました。自分たちもこんなふうに結婚式をしてきた、結婚式を見てきたという話も聞きました。懐かしさを持って多くの方がご覧になっていました。二人の門出に多くの他人が集まり、懐かしく、そして良きものとして受け止められる「花嫁行列と長持ち唄」が地域に再評価されているということを私たちは気付いているでしょうか。憲法では、婚姻は両性の合意のみに基づいて成立するとなっていますが、実際は、周囲からの大きな支えがあって、人生を歩むことができると思います。このことを形として表しているものが、「花嫁行列と長持ち唄」です。地域づくりに何が必要なのか?目に見えない大きな力に支えられていることをあらためて考えさせられた光景でした。

 先月のことで最後になりますが、29、30日と全国人権保育研究集会が、30日には米原市自殺予防講演会が市内で開催されました。保育、人権、自殺と極めて切迫した状況の中、私たちは市民の生活に向き合っています。お金やシステムの問題もありますが、行政の基本である人を大事にするということを市民の皆さんと一緒に確認し合う集会でありました。私たち職員一人ひとりが温かい心を持って市民の皆さんと接することが、信頼関係の構築につながっていくと思います。今一度、人を大事にするという行政の原点をお互いに大切にしたいと思います。

 今月の話に移ります。この後、私は平成26年歳末特別警戒出動式に出席します。地域の方も意欲的に防犯に向き合っていただいています。市役所においても、あいさつ運動も含め、地域の絆をつくっていく、人と人とのつながりを大事にしていくことが防犯につながる、犯罪に強い地域づくりとなるということを念頭に置き、さらなる努力をしてまいりたいと思います。

 雪寒対策期間に入りました。長期予報では平年並みということも言われていますが、異常気象が日常化しています。油断しないことは勿論、市民の安全と安心、生活を支えるために職員一丸となって取り組んでください。同時に、大変危険な作業でもあり、時間も深夜・早朝に及びます。まずは安全第一。指揮に当たっては幹部職員の皆さん、よろしくお願いします。

 平成27年度予算編成について、大変御苦労様です。来年度予算は、今までの10年をしっかりと総括して、これからの10年の展望を切り開いていくという大事なものです。ある意味、絶好のチャンスが目の前にあります。米原市の未来を決めていくという思いを、職員一人ひとりが向き合っている今の仕事を通して、予算編成を通して、出し切ってほしいと思います。

 明日、衆議院議員総選挙が公示されます。公務員の公平性、中立性が求められます。疑惑を持たれるような行為については厳に慎んでいただき、休日勤務が続くかと思いますが、万全の選挙態勢でお願いします。

 「忙中閑あり」という言葉があります。この12月、忙しいからこそ、今一度、自らを見つめ直す時期にしてください。この忙中の「忙」という字は、御存知のとおり、りっしんべんに亡くなると書きます。心が失くなるということで忙しい。心を失くしてしまっては、何のための仕事をしているのかということになります。自らの心、思いが市民に向けられているのか?地域と向き合っているのか?自らの仕事は誰のための仕事なのか?自らの心は誰と通じているのか?忙しい中ではありますが、自らの思いを確かめる時間を作っていただいて、この12月、年末に向けてしっかりと仕事をしていただきたいと思います。健康に注意いただき、最後まで頑張ってください。ありがとうございます。よろしくお願いします。

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