平成26年7月市長訓示(要旨)

更新日:2018年01月23日

7月1日(火曜日)

 皆さん、おはようございます。いよいよ7月になりました。本当に、時間が経つのは早いといつも思います。

 先月には、第2回定例会が行われました。さまざまな議論があり、一般質問などで皆さん方には大変ご苦労をおかけしましが、4月から3か月が経過し、第1四半期が終わりました。6月議会も終わり、この26年度も本格的に仕事に取り組んでいただく時期になりました。異常気象が続いていると言いますか、今年も雨の降らない梅雨を過ごしておりますし、7月はどんな天候になるのかなという不安もありますが、本格的に仕事の中身を詰めてほしいと思います。

 先月は、ほたるサミットが山口県の下関市で開かれ、私も参加させていただきました。来年は米原市が会場となります。我々にとって、6月のこのシーズンになればホタルが舞うことは、当たり前と言えばそうなのかもわかりません。ホタルにこだわり、サミットに集まっていただいている市町は、実は6市町でしかありません。勿論、合併以前にはたくさんあったようですが、この数も限られてきましたし、ヘイケボタルが全国的には、発生の度合いが高まっているそうで、そのことも関係しているのかもしれません。しかし、米原市においては、ホタルが自然発生しているということ、天然記念物、特別天然記念物のゲンジボタルがいることは、貴重な財産でありますので、大事にしていきたいと思います。私も、ホタルが出ることについて、どこか当たり前のように思う部分がありましたが、サミットに参加して改めてホタルが出るということについて考えさせられました。ホタルが出ることについて、私たちは、無関心とまでは言いませんが、感動を忘れているのではないかと、そんな思いに立ちました。それで思い出した言葉があるのですが、皆さん、この「当たり前」という言葉の反対語はすぐ出てきますか。何でもないこと、当たり前やと言っていることの反対語。対極にある言葉。実は、この「当たり前」の反対側にある言葉は、「ありがとう」という言葉ですね。「ありがとう」というのは、ご存知のように、有ること難し、有ること難しい、稀(まれ)なんですよということですね。私たち米原に住む者は、ホタルが6月になったら出ることは当たり前、普通だという感覚を持っていますが、ホタルが出ないところの人にとってみれば、有ること難し、難しいことなのです。私たちは、このホタルが出るということについて、また、恵まれた大地やこれを慈(いつく)しんでこられた先輩方の歴史について、当たり前ではなく、ありがたい、尊いと感謝をするという思いに立って、自然環境、あるいはこの異常気象の中で、もう一度今こそ、ホタルと向き合う必要があると思います。向き合うことで、実は私たち自身が大きく育てられる部分があるのではないかと思います。来年度に向けてのヒントにしてほしいと思います。

 つい先日でありましたが、認めあう女(ひと)と男(ひと)とのパートナーフォーラムが開催されました。中身については、防災に関わっての議論がかなり出ました。その中で、私が思ったことは、生活の場において男と女がお互いに人権を尊重すること、労わり合いの気持ちを持つ関係を作っていくことが、本当に防災に強いまちづくり、あるいは減災に向き合うまちづくりになっていくのではないかということです。そのような中、女性や障がい者の皆さん、高齢者の皆さんの生活に立脚した減災や防災の計画を我々は立てられているのかどうか。行政は、男目線、上から目線の部分があります。そうではなく、現場の声に耳を傾け、暮らす者の目線に立ち、もう一度防災の問題を考えてみよう、そのようなテーマで議論をされたと思います。今は、このことを真正面に受け止めていく時代です。ぜひとも、減災や防災を、そして災害に強いまちづくりの根底に、人をどう大事にするのか、人と人はどう向き合うのか、というテーマを米原市のまちづくりの中心に置いてほしい、そんな思いをしました。

 先日もプレス発表で申し上げましたが、7月は伊吹山をクローズアップをしていくべき時ではないかと思います。7月19日には、伊吹山頂草原植物群落天然記念物指定10周年記念事業が行われます。更には、ヒメボタルの観賞夜間登山も行われます。8月になりますと、伊吹の天窓が開催されますし、8月末には夢高原かっとび伊吹ということで、伊吹山に関わるさまざまなイベントが行われます。米原市のシンボルである伊吹山は、単なる景色ではありません。今一度、この伊吹山が私たち米原市民にとって、精神的にも大事な山であること、そして地域におけるシンボルであるということに思いを致してください。伊吹山に向き合うことも行政の大きな課題だということを認識し、皆さんの仕事の中にも採り入れてほしいと思います。

 最近、関東地方では、異様な雹(ひょう)が降ったり、集中豪雨や雷雨が発生しています。たまたま私たち関西方面、この米原付近ではないので、平穏に過ごしていますが、忘れてはならないのは、去年9月の台風18号による集中豪雨です。見る見るうちに河川は増水しました。そして、河川の堤防崩壊も起こりました。7月に入り、同様のことが、またはもっと大規模に起こる可能性もあります。今、防災の現場では、想定外を想定することが、当たり前の構え方だと言われるようになりました。7月以降、本格的な台風シーズンを含め、私たちは、イメージ、想像力を逞しくして、この防災に向き合う必要があると思います。

 最後に改めてになりますが、第1四半期が過ぎました。私はいつも、次の時代や状況を含めて今の仕事をするように心掛けています。7月、8月を迎えるに当たり、26年7月、8月の仕事をするのではなく、その仕事の中に、27年度に向けての思いを込め、準備を組入れて仕事に取り組んでください。また、行政改革や事務改善についても、今一度向き合ってください。今なんとかやり過ごせればよいという話では決してありません。来年は、合併10年です。26年度予算編成の時に申し上げましたが、新しいステージに立とうという意欲、気概をぜひ見せてください。そして実践をこの7月、8月には成し遂げてください。合併後10年間でやってきたものの中で、もうこれは終わりにしよう、あるいはこういう組立の仕方にし直そう、そんな課題はたくさんあると思います。ぜひそのことを、よそがやってくれる、誰かが言うだろうではなく、皆さんが今抱えている仕事をしっかりと見つめ直し、自分たちの力で、米原市役所の新しいステージを創ってほしい、そういう思いをお伝えし、今月の例会の言葉にさせていただきます。大変暑い時期です。健康管理に十分留意していただき、頑張っていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

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