平成26年5月市長訓示(要旨)

更新日:2018年01月23日

5月1日(木曜日)

 皆さん、おはようございます。人事異動により新たな職場に就かれた方や新たに職員となられた方、それぞれいろいろな思いを抱きながら4月を過ごされたかと思います。私自身も、平成26年度は本当の米原市政を職員と一緒になって動かしていく年度であると、緊張感を持ってこの4月を過ごしました。

 4月のことを振り返りますと、13日に第2回まいばら入江干拓マラソンがありました。天候にも恵まれ、1回目より多くのランナーが参加され、大盛況のうちに終えることができました。多くの職員の皆さんも休日を返上して、ボランティアをしていただき、心から感謝を申し上げたいと思います。スポーツイベントは、市外からたくさんの参加があります。そういった中で、職員が率先してお手伝いをしている姿は、米原として大変誇るべきものだなと感じました。

 また、21日から23日まで、平成26年度部局別重点目標ヒアリングを実施しました。私の方から指示をしたり、課題も提供したりしましたので、それぞれの職場でさまざまな議論をしていただいていることだろうと思います。さまざまな工夫で地域に向かって提案をしていこう、そして新たな展望を創っていこうと、職場において取組をしていただいている点については、高い評価を得られるのではないかと思います。しかし、ヒアリングの中で、私が気付いたことを申し上げます。それは、職員の皆さん方から「地域ではこのような課題があるのではないか」、「この課題についてはこのような取組をして課題解決にあたるべきではないか」といった積極的な提案、意見が少なく、議論にもなっていないということです。仕事は、課題・問題について議論していくことによって創られていく面があろうかと思います。また、今の時代は情報収集をし、課題がどこにあるのかに気付くことが必要です。指示されたこと以外にも、率先垂範し、課題の解決策を考えるアクションをしていただきたい。それが積み重なってこそ、市役所としての力、職員力が本物になってくると思います。

 27日には、新たな取組として「米原駅東口にぎわい市」を開催させていただきました。1回目で全ての課題が解決したり、展望が見えるということはありませんが、繰り返す中で、地域に新たな動きを創っていきたいという仕掛けの面があります。私も東口に伺い、地域の皆さんと少し話をさせていただきました。高齢の方が、買い物ができることに本当に喜んでいらっしゃったことが大変印象的でした。こうした些細なことが、市民の市役所に対する期待や信頼につながることをあらためて思いました。勿論、買い物できる場所や賑わいの創出は、公がやるべきものではないと思います。民間の皆さんにどのようにビジネスとして展開してもらえるか、このことが大きなポイントになろうかと思います。ただ、そのような点も含めて、官民、公と民間、市民と市役所、この関係を再構築していく努力が必要であろうと思いますし、我々には、ノウハウがまだまだ不十分だという思いです。先ほど言いました情報収集による気付きにより、新しいものを創っていこうという市役所職員の姿勢を見せてほしいと思います。

 今日から5月ということで、まだ連休の後半があります。この米原市には本当に恵まれ過ぎているほど、地域イベント、祭り、行事が目白押しであります。しかも一つひとつが、文化度や芸術度が高いものが展開されていると私は感じます。あたりまえの風景のように見えますが、もう一度そのことに焦点を当て直すことが必要ではないのかなという思いがあります。皆さん方も地域での祭り、行事、イベントに、積極的に参加し、知識を吸収してほしいと思います。可能な限りで構いませんので、御家族一緒に連れ立ってそのような場に赴いてほしいと思います。どんな思いで市民の皆さんが参加されているのか、市役所の中にいては身に付かない感覚や感性を磨いてほしいと思います。

 今ほど、芸術、文化と言いましたが、先週、劇作家の平田オリザさんの講演を聴く機会がありました。その中で、非常に印象に残ったことがありますので、紹介したいと思います。今、東北の復興・復旧の中でどんなことが起きているのかというもので、女川町(おながわちょう)というところの話だそうです。ここは、ほとんどが津波で流されたという状況です。行政は、集団高台移転の判断を下しているようですが、さまざまな意見が出て、集落単位、地域単位において話がまとまらないという現状がずっと続いていたそうです。そんな女川町は、私たちのところと似ており、もともと獅子舞、神楽が盛んな地域だそうです。獅子舞や神楽も震災後しばらくは途絶えていたようですが、それが集落単位で復活し始めているそうです。そして、復活して祭りが行われた集落は、この危険な場所ではなくて、皆で高台移転をしようという話がまとまっているそうです。獅子舞の文化が復活・復興したところからまちづくりが始まっているということです。確かに文化や芸術に投資してもなかなか効果が現れない現実があります。しかし、文化や芸術は、50年、100年単位、子や孫の代で何かが見えてくる、そのために何かを創る、それほど長いスパン話だそうです。行政は、そのことを疎かにせず、結果が見えないから、あるいは効果がすぐ現れないからというスタンスではなく、「だからこそ大事なものなんだ」という思いで、文化や芸術を支えてほしいという話でした。私たちを含め地方都市は、大型量販店が立地して賑やかにならないかと思いがちですが、市場主義原理に委ねるようなまちづくりは見直され始めています。損か得かで判断するのではなく、50年、100年後に必ず人々に感動を呼び起こすであろう、そして地域コミュニティをまとめてくれるであろうものを大切にしていく姿勢こそが大事ではないかということです。先ほど話しましたように5月の連休には、奴振り、武者行列、鍋冠祭、地域での祭りなどが繰り広げられます。そこには損得ではない人々の集まりがあり、にこにことした顔があります。このことを私たちはどう次の時代に引き継いでいくのか?行政として、本当の意味での人への優しさとは?持続性とは?このことについてもう一度考える、そういった5月の連休にしてほしいと思います。

 23日には、6月議会に向けての議運が始まります。6月議会を控えた5月。補強、点検をする5月であります。全ては市民のため、そして市民サービスをいかに我々は効率的に加工して、更に厚みのあるサービスを提供するか、このことに苦心をする、そのことに努力をする、そのような5月をぜひ一緒に頑張りたいと思います。よろしくお願いします。

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