平成25年8月市長訓示(要旨)

更新日:2018年01月23日

8月1日(木曜日)

 皆さん、おはようございます。先月は4年ぶりに福祉自治体ユニットの総会に出席してきました。国政では経済や外交問題などが華々しく言われていますが、私たち自治体は、生活の基礎である社会保障に深く関わる現場として、地域ケアをどう展開し、市民を支えていくか議論しました。これは各々の自治体が自らの判断で運営する、地方自治としての介護保険制度を出発点として始まりましたが、改めて社会保障の現場は自治体にあること、そして市民の生活を守ること、その責任の重さを含めて勉強させていただきました。

 次に、伊吹山を守る会として山頂清掃活動に参加しました。私たち米原市民にとって伊吹山は大切なシンボルです。久しぶりに山頂に登りましたが、私には、旧来の山頂の風景とはかなり変わってしまったように映りました。伊吹山ドライブウェイも含め、登山者や観光客の立場に立って、本当におもてなしができる準備が整えられているか、あるいは、神聖な信仰の対象として、伊吹山に対する尊厳が保たれているか、私は少し危惧の念を抱きました。

 中旬には、目標管理と重点目標のヒアリングを受けましたが、皆さんは、それぞれの課題について自分の頭で考えられていますか。自分で考えるということは、声に出して話し合いをすることです。従来の施策やその姿勢をそのまま引き継いでやることが、本当に解決に向かうのでしょうか。自らの考えを声に出して議論する中に、米原市職員ならではの解決策、課題に向き合う姿勢が創られると思います。あわせて、自分の仕事が市民の皆さんに評価いただけているのか、またはどう見られているのか、裏を返せば、どんな仕事の見せ方や説明の仕方が必要とされているのか、自らに問い直してください。単に文書やパワーポイントで説明するだけが、説明ということにはなりませんので、本当の意味で、評価に対する心配りも含めた私たちの仕事のやり方を自らで考えて工夫を重ねてください。

 月末には、行財政改革市民会議を開きました。行財政改革というと、やはり事業の削減や縮小という方向になりがちですが、一方で、色んな変化や多様性に富む時代だからこそ、どんな行政のスタイルやシステムが必要か、前向きに創り上げる行財政改革も必要だと感じています。米原市が10年目を迎えるにあたっては、総合庁舎の問題など、いろいろ議論しなければなりませんが、ここに米原市のアイデンティティー、存在価値にも少しこだわってほしいと思います。例えば、米原市長として私が東京出張に行くときに、自信を持って出せる手頃でコンパクトな土産や特産品などがあまりありません。「ないです。無理です。」ではなく、それぞれの分野で自慢できるものをそろそろ備えておく時期ではないかと思います。商品でも、仕事の仕方でも、人との接し方でも結構です。市職員の責務として、米原市役所はこだわって、こんな結果を作りましたと言える自主と自立の米原市を目指してください。

 今月4日に「じんじん」という映画を市民団体の皆さんによって上映いただきます。親子や家族の原点を問いかけられる内容になっています。私たち自治体の仕事の原点は、やはり地域の中の親子、家族、人間を支えていくことにあります。この原点をもう一度見つめ直すためにも、ぜひこの映画「じんじん」を鑑賞してください。

 8月と言えば、私たち日本人にとっては忘れてはならない、いわゆる昭和20年の8月メモリーが巡ってきます。本市では10日に平和祈念式典を予定していますが、毎年の単なるセレモニーということではなく、「非核・平和都市宣言」も含めて改めて考えてみてください。特にこだわってほしいのは核の問題です。一昨年3月の福島第一原発の事故は、未だ終息したとは言えません。核の問題は、命を守り、次の時代につないでいく使命を担う私たち自治体にとって、大きく関わる極めて重大な問題だと思います。私たちの仕事を通して、子や孫の世代にどう責任を果たしていくか、この機会に米原市職員としての姿勢をもう一度見つめ直してほしいと思います。

 最後に、滋賀県市長会研修として長崎県と佐賀県に行ってきましたので報告します。長崎市では、米原市の大きな課題である北陸新幹線問題の先駆的事例として、九州新幹線の長崎ルートについて、私が最大の課題と考える並行在来線の問題など経験を学ばせてもらいました。
 佐賀県では、レンタル大手のTSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブを市立図書館の指定管理者にする武雄市を訪問しました。これまでの経緯、関わる民間の力、情報発信力と徹底したマーケティングリサーチなど、かなりの熱意を持った樋渡・武雄市長からお話を伺いました。武雄市図書館にはTSUTAYAが入り、スターバックスコーヒーがあります。その売上たるや、東京有楽町店などよりも多く、全国で数番目ということですから驚きです。一つ、私の質問に対し樋渡市長は「地方だからという言い訳はもう通用しません。快適で心地良いセンスの空間が提供できれば、地方でも人は集まる。」と言われました。この出発点は行政の限界を見極めて、誰とパートナーシップを結んでいくかにあります。私たちにはネットワークはありませんが、参考にすることは多々あります。安直に民間委託する話ではありませんが、皆さんには、限界の見極めと同時に、自らが持つ能力を生かして民間企業や市民とパートナーシップを結んでいける自信と魅力を持った職員になってほしいと思います。

  今日はいろいろ申し上げましたが、こうしたことを考える時間として、管理職の皆さんを中心に工夫して可能な限り夏休みを取って、家族や地域の人と交わる時間も持ってください。厳しい暑さが続いていますが、健康管理に留意して、元気な姿で実りの秋を迎えられるように乗り切りたいと思います。今月もよろしくお願いします。

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