平成25年6月市長訓示(要旨)

更新日:2018年01月23日

6月3日(月曜日)

 皆さん、おはようございます。先月は霊仙山の丹生川上流における崩落現場を土木・林務関係職員とともに視察してきました。山の斜面や川が破壊されている驚愕の現場を見て、土砂や岩石が周辺地区や天野川へ流れ込むことになると、大変な事態に陥ると危機感を覚えたところです。また、梅雨を前に一層の警戒が必要とされる中、昨日は上丹生区で県主催の土砂災害訓練が実施されましたが、やはり我々自治体の究極の使命は、市民の命と財産を守ることにありますので、職員として災害に対する姿勢を改めて見つめ直し、万全の備えを期していきたいと思います。

 さて、来年の大河ドラマは「軍師官兵衛」ですが、黒田官兵衛と言うと、長浜市が大々的にPRされていることもあって木之本町の黒田地区が話題の中心になっています。しかしながら、官兵衛ゆかりの地としては、本市の旧東黒田村・本郷地区が黒田家発祥の地という説もあります。このことに自信を持って、ぜひ本市としても、本郷が由来の地であることを公言し、これに対する予算計上も検討していきたいと思っています。

 先月、東京で開催された日本自治創造学会の研究大会に参加しましたので、私が気になった話を伝えたいと思います。私たち地方自治体は、地方分権一括法の中で、地方自治や地方分権の権利を得て、この合併新市を創ってきましたが、一方で、東京の一極集中化が進んでいるという現実があります。このことに対して大学教授や自治体のトップからは、「いわゆる成長エンジンを東京にしか持たないような国のあり方には限界があり、本来、地方の成長エンジンが国を支えていくような国家にしていかなければ、国としての将来は極めて危うい」という話がありました。そういう意味では、米原市も小さくてもしっかりとした成長エンジンを備え、自信を持って国家を支えられる地方自治を追求していきたいと考えています。これまでの国・県からの補助金で、その施策を行う中央集権型の仕事だけでなく、特に教育・福祉・環境など暮らしに密着した分野では、市民や団体の皆さんと一緒に幸せづくりができる仕事をしていきたいと思います。そんな自治体に魅力を感じて人が集まるような地方自治の展望を創っていこうと、ほかの首長さんとも意見を交わしてきました。今や公共投資より色んなサービスをどれだけ提供できるかで自治体としての価値が決まる時代です。現実的にどんな市民サービスが提供でき、どんな地域の魅力を成長させるエンジンを創っていけるか皆さんも考えてみてください。

 また、上京に合わせて上野賢一郎代議士を訪ねたところ、これまでから率直に話していた観光施策について意見交換するため、現職の観光庁長官との面談を設定いただき、米原駅から琵琶湖東北部や関西圏、更にはアジアにおける日本の観光問題まで大いに意見交換をさせていただきました。私は元々、観光は総合産業だと考え、その仕掛けを持ち、少なくとも東アジアを見据えたグローバルな観光政策を持つ自治体にしたいと思ってきました。そうした考えをぶつけながら、米原駅が持つ新幹線駅の潜在能力も生かした今後の展開についても色んな意見や提案をいただきました。
 さらに続けて環境省を訪問し、伊吹山の山麓道路や高山植物への獣害などの現状について意見交換をしました。現在、ゴンドラやリフトは止まっていますが、自然・健康志向から登山客や自然体験を望む女性や高齢者が年々増える傾向にある状況にどう向き合って、どんな伊吹山のあり方を表に出していくかが大きな課題だと思っています。

 やはり、こうした提言や地方の実情を伝えるため、皆さんもぜひ思いのあるセクションへ出かけてほしいと思います。環境省としても、現場である地方のための施策を東京で考えていても限界があるとして、実態を熟知した自治体職員の意見や感性を生かしたいと考えておられます。今回も環境省の方からは、米原市職員とも一緒に仕事をしたいとの申し出もありましたので、次の機会には環境省への職員派遣も検討したいと思っています。

 これまで皆さんに職員の地域担当制について私の思いを話してきましたが、この秋以降には具体的に議論して、地域との向き合い方を決めていきたいと思います。私は地域との信頼関係なくしては、市民サービスを提供するところの市役所の存在はないと思っています。その存在であるためには、職員が地域の実情を積極的に把握して発言し、ときには地域をまとめていくプロの職員集団になってほしいし、これができなければ、地方自治の現実的対応は難しいと思っています。議論の本格化にあたっては、さまざまな立場から異論もあるかと思いますが、こうした議論を重ねながら、最終的には市民サービスに厚みを持たせられるように集約をお願いします。

 いよいよ6月議会が開会します。私が掲げた70項目の政策提案のうち、いくつかの政策を提案していきますが、この市民のための政策を議会で理解いただいて、可決いただくことが市民サービスへの第一歩となりますので、皆さんも説明および説得能力を十分に高めて万全の体制で委員会や本会議に臨んでください。
 この6月議会、そして自治としての市役所のあり方に正面から向き合いながら、災害に対する万全の備えとともに市民サービス向上に向けて、それぞれの部署での奮闘いただくよう激励しまして、今月の訓示とします。

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