平成25年5月市長訓示(要旨)

更新日:2018年01月23日

5月1日(水曜日)

 皆さん、おはようございます。まず先月は、私が市民の皆さんに提案させていただきました70項目の政策について、本年度、または来年度に向けて、それぞれの部署ごとに議論を重ね調整してきました。このヒアリングで生まれたいくつかの政策については、6月市議会で提案し議会で議論していただきたいと思っていますが、やはり政策は“思い込み”から始まり、議論して進化させることでできあがるものだと改めて実感しました。そういう意味では、私の思いもさることながら、職員として優れた現場感覚を持っている皆さんには“思い込み”を持って活発な議論をぶつけてほしいと思います。
 特に若い職員には、普段から自分の思いを伝え相手の意見を受け止める、更に自分なりに反論ができるコミュニケーション訓練を積んでください。仕事は下向いてパソコンを操作するだけではありません。積極的に同僚や上司に自らの思いを伝え、時には市民や議員の皆さんにも対してもしっかりと考えが伝えられる職員に育ってほしいと期待しています。

 先月、「人生、いろどり」という映画を見ました。一流の役者さん揃いで楽しませてもらいましたが、一方、その内容は高齢化が進み疲弊した地域の問題がテーマの一つであり、生きがい・やりがいを発見していくことや人の生き方、地域に対する向き合い方について大いに考えさせられることも多く、米原市の現状と重なることもありました。

 さらに高齢者の生き方と同時に、女性の生き方という点もクローズアップされて描かれていました。私は過疎高齢化の問題とともに、女性が社会参加し活躍する機会、もっと言えば女性が政治参加する機会の乏しさが米原市としても喫緊の大きな課題ではないかと思っています。ぜひ、男女問わず職員が一体となって、女性の生きがいや活躍、地域への社会貢献を支える仕組みづくりを皆さんの中から生み出してほしいと考えています。

 また、私も出場させていただきました第1回の「まいばら入江干拓マラソン」が開催されました。これまで個人的にも承水溝沿道でのイベントをしたいと考えていましたが、見事に地域の皆さんの力でやり遂げていただきました。今回多くの職員もボランティアスタッフとして協力してくれましたが、今後、更に良いものにしていくために、皆さんからもいろんなアイデアを出し合って一緒になって盛り上げていってほしいと思います。

 最近、私は「当事者主権」という言葉について考えています。主権とは、「譲ることができない」、「これによって立つ」、「そのものが決める」、「責任を持つ」ということです。ほかにも国民主権、地域主権などとして使われますが、当事者主権というのは、まさにそのことに関わる当事者が決めて責任を果たすということです。そういう意味では、行政が施策を行う公の施設でも、例えば保育園や幼稚園の当事者は子どもたちであり、その保護者です。現在、近江地域における認定こども園のあり方について議論していますが、どのような形で運営していくことが望ましいかは当事者の意見や思いに立って決定されなければなりません。先ほど政策は思い込みから始まると言いましたが、この件は思い込みが議論されずに、思い込みのままで終わっているように思います。このことからも、今回の認定こども園については、もう一度、お尋ねしているアンケートによって保護者の皆さんの意見を聞いて判断したいと思っています。ほかのことでも当事者主権を重視し、地域における利用者・関係者の思いや意見を受け止めて政策議論を重ねていきたいと思います。

 明後日5月3日は憲法記念日です。皆さんは自治体職員として日本国憲法についてどう考えていますか。私は一つの節目が来ているように思っています。今、憲法についてマスメディアを通してさまざまな意見が出ていますが、改正すべきか護憲かと言うことではなく、日本国が今まで依ってきた憲法というものについて、自分は関係ないとする米原市職員であってはならない。公務員として我が国の憲法に対してしっかりとした見識を持っていることが、市民の皆さんと向き合うときにも大事な基本スタンスであると思いますので、憲法に関する新聞報道等はしっかりと読み込むようにしてください。

 皆さんの職場はどこだと考えていますか。市役所内の事務所でしょうか。間違いではないですが、私たちの仕事の現場は、市民の皆さんが生活を営まれている地域社会であり、集落、家庭、あるいは学校などや図書館、公民館などにあります。そういう意味では、現場に赴き、地域の課題やにおい・感覚を吸収せずしては、まちづくりも市役所の仕事も成り立ちません。そういう意味からも、自らが積極的にまちづくりに向き合う場として、また市民と向き合うための感覚を得られる人材育成の場としても、地域にある現場の課題を受け止めていく「職員の地域担当制度」について、それぞれのイメージ、思い込みからで結構ですから本格的に議論を始めてください。私たち市役所は、常に市民の皆さんから問われ答えを求められています。自らの気概ややりがいを含めて市民の皆さんに誇れるような仕事をしてほしいと思います。

 最後に、当たり前ですが、市役所に来られた市民の方には積極的に声をかけてください。例えば、「ご用はお済みになりましたか」、「ご案内しましょうか」、そんな簡単な言葉です。目線が合ったら、目礼だけでなく一礼してください。そんな一つ一つの所作を見ておられます。そのことがサービスを提供する立場の私たち市役所との信頼関係をつくっているということも十分肝に銘じながら、市民の皆さんと向き合ってほしい。そんな願いを込めまして本日の訓示といたします。

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