令和3年 仕事始め市長訓示(要旨)

更新日:2021年01月12日

皆さん、あけましておめでとうございます。令和3年、新しい年が明けました。新しい年となると、私たちは常に「今年こそ」はという思いになりますが、私は、その思いの中に「今を見つめる」という思いを大事にしてほしいと思います。今、私たちはどれだけのことを見ているのか、あるいは見ようとしているのか、このことが問われていることも心に留めてほしいと思います。

新型コロナウイルス感染症により、生活の仕方も変わりました。おそらく働き方も変わります。民間の産業のあり方や働き方が大きく変化する中で、この年頭の職員訓示のスタイルも変わりました。あらゆるものが変わっていく中、直接人と対面するということさえも難しい時代に入りました。だからこそ、私たちは、人が何を考えているのか、あるいは、現場に何が足りないのか、常にそのことを見に行くという姿勢が大事だろうと思います。昨年来、米原市においては、さまざまな公的なサービスについて、職員の皆さんに努力をしていただいておりますが、大きな背景として、「格差」や「貧困」があります。とくに子どもたちや低所得の世帯、あるいは少数といわれるハンディを持っている人たちの暮らし方など、大変、生きづらく、暮らしにくい実態が出てきています。しかし、私たち行政は、そのことはなんとなくしか見えていないのではないか、むしろ、そうであれば、見えない格差や貧困ということで片付けるのではなく、そのことを「見に行く」という一歩、積極的な姿勢が行政に求められています。そういう意味で、「今を見つめる」という姿勢を今年は大事にしてほしい。足元で今何が刻々と進行しているのか敏感になり、ぜひ、そういう姿勢をとってほしいと思います。

昨年の年末に米原市内に大雪警報が発令され、職員の皆さんには、30日から元旦にかけて、大変厳しい状況の中で対応に当たっていただきました。改めて御礼を申し上げ、敬意を表します。大変ご苦労様でございました。私たちは、小さな変化にも対応できる市役所として、その一挙手一投足が、市民の皆さんや地域に対して踏み出すことが、大きな変化をつくっています。その意味では、今年、令和3年度は、合併以来、ようやく統合庁舎が完成し、職員の皆さんが集い、仕事をしていただけるステージがやってきました。ただ働く場所が新しく変わったということではなく、職員の皆さんの仕事のあり方や地域に対する見方が大きく変わったと言われるような変化を職員や市役所の側からつくっていく大事な素地であり、そういう意味では、大変厳しい状況が目の前に来ています。市民の皆さんが「立派な庁舎になりましたね」とおっしゃる心の根っこには、職員はどう変わったのか、公・公共のサービスはどのように変わるのかが問われているということも、敏感に受け止め、仕事の仕方、自らの発言のあり方も心して仕事をしていただきたいと思います。

時代の変化というのは、それぞれが変わっていくということです。20代の人は30代に、30代の人は40代になる、その準備を始める年でもあります。人の生まれ方や生き方自体も大きく変わり、人生100年時代と言われています。その中で、特に私が気になるのは、いわゆる社会保障の問題です。年金の問題は、なかなか地方自治体で一つの結果を作るというシステムになっていませんが、市民の暮らし、とくに老後の年金生活者の皆さんの暮らしの実態について、もっと敏感になる必要があるのではないかと思います。人生100年時代という言葉の裏には、退職後もなお20年、30年生きなければならない、あるいは、人生を自分で作っていかなければならない時代が来ているということです。そのバックボーンである経済の問題についても、一人一人の力で解決できません。私は、暮らしの現場を受け持つ地方自治体、とくに私たち基礎的自治体が果たすべき役割は大きいと思います。今一度、私たちの社会保障制度に対して、米原市が保険者となっている国民健康保険や介護保険、後期高齢者の医療や健康の問題について、保険料に対して、どのような保健・医療サービスが提供できるのか、国・県の考えだけでなく、米原市としてどう向き合うのか、その思いに立った自らのまち・市民への思いがしっかりと現れる仕事のあり方についても、積み上げていきたいと思います。

令和3年ということで、新しい年と言いながらも、決して新しいわけではありません。私たちがつくっていかなければならない大事な年だということです。自らがつくり、創造していく、そして自らの動き方が、市民の暮らしや、高齢者や障がい者、あるいは、ハンディのある少数の人たちにとって、市役所が、自分たちをしっかりとサポートし、一緒になって伴走してくれる、そう感じてもらえる自治体としての頼もしさを私たちがつくっていけるかどうかが問われています。新時代といわれる中で、経済も大事ではありますが、市民の暮らし、老後、医療について、頼りがいのある公的サービスを提供できる米原新時代をつくっていく必要があります。そのためにも、今をしっかり見つめ、今を見に行く姿勢を大事にしてください。

令和3年度の働き方を、市職員一人一人が、それぞれの思いで、多様で多岐にわたる働き方をしていただき、人との関わり方を、一つ一つ、一日一日、積み上げていただくようお願いするとともに、職員の皆さんの令和3年度に向けた頑張り、仕事への熱量を高めていただくことを心から念じ、新年、仕事始めの挨拶とさせていただきます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。ともに頑張りましょう。

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