令和2年度 7月1日市長訓示(要旨)

更新日:2020年07月07日

令和2年7月1日(水曜日)

皆さんおはようございます。久しぶりに職員が一堂に会し、集まっている姿を見た気がしますが、マスクをして集まるのは、かなり異常な状態という感じがします。

まずは米原市議会第2回定例会が無事終わり、原案をすべて可決いただくことができました。特に市独自の支援策である「市民のくらし緊急対策第2弾」については、いろいろな議論がありましたが、皆さんが、市民の目線と地域や暮らしの目線に立って、政策化・予算化していただき、ありがとうございました。

第一四半期が過ぎました。令和3年度には、統合庁舎が完成します。この令和2年度にどれだけの力を尽くし、事を成したかということが、米原新時代のスタートに大きく関わりますので、引き続き職員一丸となって、取り組んでいただくことをお願いします。

新型コロナウイルスについては、新聞やテレビ等のメディアではいろんな伝え方をしていますが、パンデミック(世界的大流行)が加速する中、今、南米やアフリカなど、先進国ではないと言われる国の人たちが、日本では考えられない公衆衛生や環境の中で暮らしています。そこでは、貧困や格差などにより、本当に辛い思いをしているのは、子どもたちや女性、少数民族であり、そのことも含めて、今こそ日本がリーダーシップを発揮していくことが必要ではないかと思います。私は、未だかつて経験したことがない災害が襲っているという観点から、このことに向き合い、公に尽くす公務員として、どんな姿勢が必要なのかということも改めて考えてほしいと思います。

こんな話があります。大変危険な山沿いの道を、男性とお母さんと奥さんの3人が歩いていました。道は細くて断崖絶壁、下には急流が流れています。ふとした拍子に、お母さんと奥さんが崖から滑り落ちました。男性の立場に立ったときに、どうしますかという話です。答えは、手が届く人しか救えないというものです。奥さんだとかお母さんだとかを考えずに、実は私たちは近いところしか助けられません。そういう意味で、災害時に私たちは何をしなければならないのか、手続きや確認も大事ですが、今、この政策を実行することが困っている人を救うことにつながります。公の仕事のあり方として、どんな立場で向き合うのか、被災者に向けた対応の仕方を問い直し、公務員、公の仕事のあり方についても、新しい学びと気づきをつくってほしいと思います。

緊急事態宣言の解除により、都道府県間の移動の自粛も緩和されました。この夏から秋に向けては、「GoToキャンペーン」なども実施され、新しい賑わいや雰囲気づくりが行われます。大変大事なことでありますが、予断を許さない、目に見えない新型コロナウイルスと向き合わなければなりません。単にガイドラインや指示に頼らず、一人ひとりが「命を守る」という研ぎ澄まされた動物的な感性をもって向き合ってほしいと思います。

米原市においては、市民のくらし緊急対策を進めています。現場では、さまざまな混乱が生じていると思いますが、市役所の存在、職員の役割、責任をそれぞれが果たしていただいていることに、改めて感謝を申し上げたいと思います。

米原市は、県内13市の中で一番小さい市ではありますが、手厚く行き届いた支援策を出しているという評価もいただいています。特に子どもや弱い立場の方の目線に立った支援策や、公のサービスの提供の仕方についても評価を受けています。皆さんの労苦や活躍に改めて感謝と評価をいたします。引き続き、よろしくお願い申し上げます。

そして、第2弾も、小規模事業者や農業者、医療、福祉など、それぞれの関係事業所などに対する支援策を講じることになります。今、国が言われている「新たな日常」という形での「新しい市民生活」への支援については、小さな事業所や事業者、商店に、なんらかの仕事の機会に恵まれてほしいという思いが込められています。皆さんには、職員の立場を離れても、このような支援策があることを周りの人に伝えてほしいと思います。また地元の自治会に対する支援として、感染防止策についても一定の前進を図りたいと思います。難しい対応に迫られていることは事実ですが、職員の皆さんが、市民の立場、地域の目線、少数者の思いや願い、希望に触れ、結果としてみんなで努力し支えあったという喜びや感動を、ぜひ味わってほしいと思います。

米原市商工会との連携によるクーポン券については、市内の飲食業者や商店、小規模事業者の皆さんを応援するため買い物やお客様訪問の機会をつくろうという2か月限定の地元消費喚起の起爆剤であり、1軒に5,000円のクーポン券が配られます。職員自らも含めて、家族や近所の方、自分がよく知る自治会の皆さんへも周知を図るなど、それぞれの立場で事を進めてほしいと思います。

新型コロナウイルスによって、オンラインやウェブ会議など、非接触社会となり、人と対面しなくても事がなせるような新しい時代が到来します。そういう意味で、会議や説明会などもあり方が大きく変わる時代に入りました。そして、東京に集まるということが、結果として非常にリスキーであるということがはっきりしてきました。中央と地方の関係、大規模と小規模の関係において、私たちは地方であり、小規模です。だからこそ、新しい活路や解決の道筋を見いだし、地方創生ということを言い続けてきた中身が問われています。私は、「やっぱり米原市はいいね!」と言ってもらえるものが本当にたくさんあると思います。一時期、学校統合などの話もありましたが、少人数で、目が行き届いて、さまざまな子どもの立場に立った教育のあり方など、この新型コロナウイルスによる自宅学習やオンライン学習の議論の中でも、小規模であるからこそできる手立てに注目が集まっていることを実感しています。

新型コロナウイルスという大変困難な局面にありますが、これはきっかけであり、米原新時代を今つくっているということにぜひ気づいてほしいし、思いついたことは、ぜひ周りと議論し、令和3年度の予算の中に新たな政策としてつくりあげる年にしてほしいと思います。ベテランであるからとか、新人であるとかではなく、新人であるからこそ新しい発想やアイデアが出るし、変革に向けて大変貴重な経験をする時期に入っていることも申し上げておきたいと思います。

近々の課題としては、安全の問題があります。既に1年以上が経過していますが、大津では保育中に、交差点で子どもたちが亡くなる大きな交通事故がありました。米原市では、交通死亡事故ゼロ1年を達成しましたが、近年、高齢者ドライバーによる事故も増加しています。現実の課題として、75歳以上、80歳、90歳なってもハンドルを握らざるを得ないという高齢者が市内にはたくさんおられます。そういう人たちも含めて、どのように交通安全対策を行うのか、それぞれの立場で安全なまちづくりにも関わってほしいと思います。

そして、いよいよこの梅雨と台風による大型自然災害、とりわけ、豪雨、強風、突風の季節が目の前に来ています。昨年の秋の台風19号では、東北、関東、甲信越地方などで、多くの水害をもたらしました。7月、8月、9月という、まさに台風シーズン真っ盛りの中で、あれだけの大きな台風が近畿地方に来たとしたら、滋賀県や米原市はどうなるのかということも鋭敏に想像力をめぐらし、意見交換をしながら、警戒体制や避難所における対策も含めて新しい対応をしていただきたいと思います。

結びに、暑さも厳しさが増しています。マスクを外せるよう、医療の検査体制の問題や地域医療のあり方についても、皆さんと意見を交わしたいと思っています。どうぞ、ここに集う私たちが、米原市役所が、この困難な時代に、そして、米原新時代を迎える直前の令和2年に、どんな仕事をし、責任や役割を果たしたのかということが問われているということも肝に銘じながら、日々の仕事に当たってほしいと思います。夏に向かう大変厳しい気象と職場環境があろうと思いますが、お互いに健康には留意しながら、ぜひ前向きに取り組んでいただきますことをお願いし、今月の私からの訓示とさせていただきます。大変ご苦労様でございます。引き続き、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

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