令和元年度 7月1日市長訓示(要旨)

更新日:2019年07月30日

7月1日(月曜日)

第1四半期が終わり、7月から第2四半期に入ります。

先月、米原市議会第2回定例会が閉会しました。職員の皆さん一人ひとりが議会対応に真摯に向き合っていただき、原案すべて可決という結果をいただきました。まずは、本年度の4分の1が終わり、いよいよ本格的な事業を実施しなければなりません。今一度、それぞれの持ち場を見つめ直し、職員が一丸となって、成果や結果が出せるよう尽力いただきますようお願いいたします。

さて、近畿地方では、観測史上最も遅い梅雨入りとなりました。私は、近年の雨の降り方や異常気象には非常に強い危機感を持っています。昨年の竜巻から1年が経過し、その竜巻災害から学んだことを、今一度振り返り、災害に強い、災害に対応できる米原市の実現に向けて、さらに精進していただきたいと思います。長浜市の増水した姉川で小学3年生の男の子が亡くなりましたが、予期せぬことで人の命が奪われるということが、もはや避けられないない時代になっているのが現実です。もう一つ、私たちは昨年のことを思い出して心しなければならないのは、コンプライアンスです。米原市でも繰り返し対策に取り組んでおりますが、湖南市の事件や甲賀市の選挙事務などの新聞報道に触れ、私たちは本当に市民の信頼を得る職場環境をつくりあげているのか、お互いに本音で話し合い、支えあいができているのか、今一度、職場を見直してほしいと思います。

そして、とくに最近感じていることは、時代が大きく変わり始めているということです。現状では、経済状況に大きな変化はありませんが、米中の貿易摩擦など、変化というより不安が広がっています。地域の暮らし方、とくに高齢者シニア世代の暮らし方、年金や社会保障についてもです。かつては福祉に対する向き合い方には一定のパターンがあり、母子家庭や父子家庭のあり方も想像がつきました。それで施策を展開すれば一定の成果は得られましたが、現在は、それぞれの年金での暮らし方、家族の形態など本当に多様な状態です。従来のルールだけを押し付けて、物事を解決しようと考えている限り、結果として、住みよさを実感いただけるサービスは提供できないと思います。多様なことに対応できる力を私たち自身が持たなければなりません。時代や社会が変化し、地域や市民が多様化している中で、仕事の仕方、公的なサービス、市民への対応の仕方を変えて欲しいと思っています。難しい課題でありますが、これは、国や県ではなく、地域に密着している自治体がやる以外にありません。子どもの貧困、経済の格差、教育、命の問題など、私たち自身が答えを出していく、そういう多様な職員集団になってほしいと思います。経験したことがない時代に入ったからこそ、経験がないからとか、若いからとか、女性だからとか、一歩引いたような職員のあり方を改めていただき、若くても、少数の意見であっても、堂々と職場の中で議論をし合い、変化に富んだ多様性のある地域や住民の皆さんのニーズに答えてほしいと思います。

最近、福祉や介護の事業をされている方とお話をする機会がありました。「これをやろうと自分たちで決めたことをここまでやってこられたのは、当事者の人たちの思いやニーズに答えていこうという思いがあったからこそ、今この仕事ができている」とおっしゃいました。そして、「市場でシェアを広げているビジネスマンも同じで、どのような商品を、どのタイミングで、どのように出すのか、その議論抜きに、投資も市場改革もできない」とおっしゃっています。何事にも市民、顧客ニーズを把握し、それに答えうるだけの能力を提供していくことが何よりも問われています。私たち米原市役所の職員も、さまざまに多様化する市民のニーズに答えられる力をつけていくことが、令和の新しい時代に必要です。

新時代に生きるということは大変厳しいものですが、障がいや貧困、引きこもり、不登校、経済的に恵まれない人、就労につけない人、そういった当事者のニーズに寄り添う以外、本当の政策は生まれてきません。既存の政策をやりとげることも大切ですが、自らが足元を見つめながら、新しい当事者ニーズに向き合ってください。

最後になりましたが、職員の皆さんには、健康管理に十分に留意いただき、ぜひ夏季休暇など自分の時間を取っていただき、自らの意識と知力と体力を鍛えて、仕事に臨んで欲しいと思います。自らのコントロールができる人たちこそが、まわりに対する配慮、気配りができ、また当事者に対する多様な政策ニーズをしっかりと築き上げることができると私は信じております。

大変厳しい時代になりましたが、どうぞよろしくお願いいたします。

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