ロタウイルス感染症予防接種について
更新日:2021年04月01日
ロタウイルス感染症(ロタウイルス胃腸炎)について
ロタウイルスによって引き起こされる急性の胃腸炎で、乳幼児期(0~6歳ころ)にかかりやすい病気です。ロタウイルスは感染力が強く、ごくわずかなウイルスが体内に入るだけで感染してしまいます。ふつう、5歳までにほぼすべての子どもがロタウイルスに感染するといわれています。大人はロタウイルスの感染を何度も経験しているため、ほとんどの場合、症状が出ません。しかし、乳幼児は、激しい症状が出ることが多く、特に初めて感染したときに症状が強く出ます。主な症状は、水のような下痢、吐き気、嘔吐(おうと)、発熱、腹痛です。脱水症状がひどくなると点滴が必要となったり、入院が必要になることがあります。5歳までの急性胃腸炎の入院患者のうち、40~50%前後はロタウイルスが原因です。
定期の予防接種対象者と接種方法
対象者
令和2年8月1日以降に出生した者で以下の月齢の者
(接種するワクチンによって対象となる月齢が異なります)
- ロタリックス(1価ワクチン):生後6週0日から生後24週0日まで
- ロタテック(5価ワクチン):生後6週0日から生後32週0日まで
注:「生後○週○日」の数え方は、出生日の翌日を生後1日として算出します。
例)生後6週0日:生まれてから6回目の生まれた日と同じ曜日
ワクチンについて
ロタウイルスワクチンは2種類あり、どちらも生ワクチン(弱毒化したウイルス)で、飲むワクチンです。医療機関で相談し、どちらかのワクチンを選んでください。2種類とも、効果や安全性に差はありませんが、接種回数が異なりますので、他のワクチンとのスケジュールなどを考慮して選択します。原則として、途中からワクチンの種類を変更することはできませんので、最初に接種したワクチンを2回目以降も接種します。
多くのワクチンの接種が重なる時期ですので、医療機関と相談して、他のワクチン接種と合わせて同時に接種することも検討してください。
初回接種は生後14週6日までに接種します。生後15週0日以降の初回接種はおすすめしません。
なお、このワクチンは、ロタウイルス以外の原因による胃腸炎は予防できません。
ワクチン名 |
ロタリックス |
ロタテック |
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標準的な 接種時期 |
生後8週から24週まで |
生後8週から32週まで |
どちらのワクチンも、初回接種を、生後14週6日までにします。 15週以降の初回接種はおすすめしません。 |
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接種回数 |
2回接種 (4週以上の間隔をあける) |
3回接種 (4週以上の間隔をあける) |
予防効果 |
どちらのワクチンも有効性は同等と考えられています。ロタウイルス胃腸炎の発症そのものを7~8割減らし、入院するような重症化は、そのほとんどが予防できます。 |
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接種後、特に 注意すること |
どちらのワクチンも、接種後(特に1~2週間)は腸重積症の症状に注意し、症状が見られた際には、すみやかに接種した医療機関を受診してください。 |
接種費用
無料(ただし、令和2年10月1日以降の接種が対象になります。)
接種方法
- 事前に、「予防接種と子どもの健康」をお読みください。
母子手帳発行時にお渡ししている小冊子です。 - あらかじめ指定医療機関に接種日時等をご相談ください。
指定医療機関の一覧は下記リンク先の「子どもの予防接種のご案内(PDFファイル)」でご確認いただけます。
米原市母子保健サービスについて(内部リンク)- 米原市・長浜市以外の医療機関で接種を希望される場合には事前申請が必要です。ただし、彦根市の「田宮こども診療所」「藤野こどもクリニック」は事前申請は必要ありません。
- 予診票は医療機関に置いてあります。
- 健康保険証と母子健康手帳を持参の上、接種を受けてください。
- 費用は無料です。
- 保護者(両親、親権のある人)以外の人(祖父母等)が同伴する場合、委任状が必要となります。
注意していただきたいこと
ワクチンを接種する前
赤ちゃんのお腹がいっぱいだと、上手にワクチンが飲めない場合がありますので、接種前30分ほどは授乳を控えることをおすすめします。上手に飲めるよう、医師、看護師の指示に従ってください。なお、ワクチンがうまく飲めなかったり、吐いたりしてしまった場合でも、わずかでも飲み込みが確認できていれば、ワクチンの効果に問題ありませんので、再度接種する必要はありません。
ワクチンを接種した後
接種直後は、医療機関で30分ほど様子を見てから帰宅してください。ワクチン接種後2週間ほどは、赤ちゃんの便の中に、ワクチンのウイルスが含まれることがあります。おむつ交換の後など、ていねいに手を洗ってください。高熱、けいれんなど、異常を感じた場合は、すぐに医師の診察を受けてください。
腸重積症について
腸重積症とは、腸が腸に入り込み、閉塞状態になることです。0歳児の場合、ロタウイルスワクチンを接種しなくても起こる病気で、もともと、生後3~4か月くらいから月齢が上がるにつれて多くなります。早めに接種を開始し、完了させることがすすめられています。
腸重積症は、手術が必要になることもありますが、発症後、早く治療すれば、ほとんどの場合、手術をせずに治療できます。以下のような症状が一つでも現れたら、腸重積症が疑われます。
- 泣いたり不機嫌になったりを繰り返す
- ぐったりして顔色が悪くなる
- 嘔吐を繰り返す
- 血便がでる
このような症状に気づいたら、すみやかに接種した医療機関を受診してください。接種した医療機関とは別の医療機関を受診する場合は、ロタウイルスワクチンを接種したことを医師に伝えてください。
接種できない場合
明らかに発熱(通常37.5℃以上)している人や、重度の急性疾患にかかっている人、過去に同じワクチンで強いアレルギー反応が出た人は、接種することができません。また、未治療の先天的な消化管障害のある人や、過去に腸重積症をおこした人、重症複合型免疫不全(SCID)のある人も、接種できません。このほかにも、接種を中止したり、延期したりしたほうがよい場合もありますので、心配な症状等がある場合は、医師と相談してください。
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