米原市気候非常事態宣言を表明しました
更新日:2023年04月07日
世界的に気候変動などの環境問題について警鐘が鳴らされており、ここ数年で環境に対しての意識もより一層高まっていますが、私たちはこの気候変動の問題について危機的状態にあるということを今一度認識しなければならないと考えています。
米原市では、気候変動について市民と問題意識を共有し、環境基本計画策定の柱として、米原市気候非常事態宣言を表明します。
宣言の背景
地球温暖化については、「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」において最新の科学的知見に基づく評価が進められており、その第6次評価報告書第1作業部会報告書(2021年)では、「人間の影響が大気、海洋及び陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がない」ことが報告されました。また、1850~2020年の間に世界平均気温は1.09 ℃上昇したことが示され、21世紀末には、最大5.7℃の温度上昇が予測されています。
地球温暖化は人類全体の生存基盤に関わる問題であることから、1992年の「環境と開発に関する国際連合会議」において「気候変動に関する国際連合枠組条約」が採択され、2022年までに27回の締結国会議(COP:Conference of the Parties)が開催されています。2015年の第21回締結国会議では、世界共通の目標として、平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力を追求することを目的に、全ての国が参加する、「パリ協定」が採択されました。
米原市気候非常事態宣言の本文
米原市気候非常事態宣言
気候の変化が私たちの生活に大きな危機をもたらそうとしているのに、私たちはまるでどこか遠くの問題として見過ごしていないでしょうか?
最近の伊吹山では雪がほとんど積もらない年もあれば記録的な大雪になる年もあります。気温がとても高くなり、激しい雨による洪水が世界各地、日本全国で毎年のように発生しています。異常気象はもはや日常化しつつあります。これは地球の気候が大きく変わってきたためです。
私たちの生活に欠かせない乗り物を動かしたり電気を生み出したりするために、石油や石炭、天然ガスなどを燃やすと二酸化炭素が排出され地球が暖められ、その結果、洪水や熱波、異常気象を引き起こしているのです。
今を生きる私たちは、これまでの歴史の中で最も難しい状況に直面しています。地球の温暖化を止めるという歴史的な偉業を成し遂げられるか、それとも、地球の温暖化を進めてしまったと非難されるかの分岐点に、私たちはいます。
今こそ私たち一人ひとりが地球の温暖化に対して行動することが必要です。
私たちは、山や森林とともに暮らすことのできる米原らしい環境を世代を超えて守るため、最も急がなければならないメッセージとして、気候非常事態を宣言し、次の活動に取り組みます。
- 2050年までに地球の温暖化の原因である二酸化炭素の排出量を実質ゼロにすることを目指します。
- 伊吹山、霊仙山から琵琶湖へとつながる水と緑を守ることで、二酸化炭素の吸収源である山林を守り、命を育む大切な水を人々に届けるという水源の里としての使命を果たします。
- 危機的な気候変動の状況および家庭でできる地球温暖化対策について、子どもたちを含む市民へ情報を提供します。
- 環境省の 「脱炭素先行地域」に選定された事業を推進するとともに、脱炭素の取り組みを通じて地域システムそのものの変革を進めます。
令和5年3月28日
米原市長 平尾道雄
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