第3回米原市まちづくり基本条例をつくる会(その3)

更新日:2017年11月30日

(2)ワークショップ

ワークショップ作業風景

アドバイザー

龍谷大学法学部教授 富野暉一郎氏

富野教授のワークショップに際してのアドバイス

 先の意見を聞いていて、良かったなあと思う。このように一つ一つ積み重ねることが、市民参加のプロセスである。

 さて、基本条例は50年間いけるような仕組みづくりである。総合計画は10年間単位でつくるので、首長が変わると変わるものである。

 しかし、基本条例は変わってはいけないものであり、まちづくりの課題を解決するのではなく、まちづくりの仕組みづくりを考えていくものである。

 今日で3回目であるが、作業内容について、このさきを見通しておく必要がある。一応、中間的な段階で、市民フォーラムを実施し、今年中に素案をつくって報告会を市民フォーラムとして実施するという大きな筋がある。

 前回は、市の課題の整理とワークショップのやり方を知ってもらい、これから先の議論のベースを作ってもらった。そこで、3つの自治基本条例を読んでもらい、条例にどういうものを盛り込むのか、自分たちが考えているものがあると思うので、どういう風に形として表現したらいいかをみてもらった。

 今回は3回目であり、いよいよとりあえずではあるが、自治基本条例に何を盛り込んだらいいのかを、イメージでいいので出してもらいたい。そして、次回と次次回でフィールドワークとして、実際に現場をみることにし、頭の中で考えていることと実際とで違うかもしれない。

 合併により違うまちを知っておく必要があるので、コースを作ってもらったので、2回ほど回ってみたい。その後、1時間ほどで回ったあとの感想や思いついたことをまとめたい。

 その後で、実際に条例を作った経験のある町の人に来てもらい、具体的に考える前に、苦労したことや楽しかった話を聞く機会を考えたい。それをふまえて、全体の項目や順番をどうするかとか、中身はどうしてこれが必要なのかとか、まちづくりの理念はどうまとめるのかという作業に入りたい。

 これは、2回程度で済ましたい。そうすると、大筋としての項目がまとまるので、そこで市民フォーラムをやって、こういうことを考えているが、このようなポイントで、このような方向で行っていいかを議論したい。その段階での、これが足らないとか、これはいらないとかという意見が出るだろうから、それをふまえて項目の整理と、中身の議論をしたい。そうすると中身と項目がまとまり、それができたところで、最終的な市民フォーラムを実施し、こういう形になったので、これで行きましょうと話をし、まとめの報告書を作り、提出するという予定でいる。

 今日の作業は、前回と同じグループにしてもらった。

 前回の課題を出すときに波長あわせがあったと思うので、波長が合った方ができたので、前回と同じグループで、ワークショップ形式で行いたい。

 次の作業は、前回と同じように類型ごとにまとめ上げて、どういうコメントをつけるか議論頂きたい。特にさっきも言ったが、合併に伴って新しいまちになったことを少し意識してまとめてほしい。

 具体的に言うと、地域と全体との関係をどうするのか、そういうことがコミュニティの問題であり、行政の問題でもあり、まちづくり全体の方向付けの問題であり、合併という問題は大きな問題であるので、意識してほしい。

 自治基本条例となると、こういう問題をこういうふうに解決したいということが自治基本条例をつくることにならない。

 私たちのまちはこれから元気にやっていきたい、元気になるためにはどういう仕掛けが必要で、その仕掛けを利用するとみんなはどういう風に元気になるのかを考えることが自治基本条例の大事なことになってくる。

 しかもそれがみんなで使えて、長いこときちっとうまくまちの中で、行政と住民がいい関係で仕事ができたり、企業の人たちがそこでいい仕事ができて、まちが繁栄するようにする。あるいは、県や国との関係もそうである。

 例えば、基本原則とか、情報がどういう風に扱っていくのか、まちづくりを市民と行政がどうやっていくのか、条例を手続きとしてつくっていくのかを含めている。基本的に自分たちが作っていこうとしているのは、憲法のような条例を作ると言うことであるから、当然どういう分野についてどういうことを取り上げて、制度としてこの条例のなかに組み込んだらいいかと言うことになる。

 3つの条例をみてみたいが、まず多摩市と彦根市の案をみると、具体的にこういう風に解決しましょうというようなことは書いていない。

 例えば、情報は共有を原則とするとか、提供を行政はしなければならないとかというように、基本的に行政はなにをしなければいけないか、市民はどういう権利を持っていて、どういう責務を持っているのか、市民と行政はどういう関係でまちづくりをやっていくのか、あるいはまち全体と地域とはどういう関係でいくのかというように、全体の仕組みの動かし方とかを目に見えるような形で作っている。

 これをみれば、このまちはこういう形で動いていて、市民と行政はこういう関係であって、まちづくりの情報はこういう形で流れていると言うことがみえるわけである。

 この2件は、市民というものをどういうものかとはっきり書いている。市民はこういうものと決めて、こういう権利と責務を持っているとか、行政との関係はこういう関係でいきましょうと書いてある。

 ニセコ町のものは、市民や住民の規定がない。情報と言うことに大きなウェイトを置いている。

 情報をどう使って、まちづくりをするとか、情報はどういう風に市民と行政が共有しなければいけないのか、行政は徹底的に情報をきちっと位置づけするようになっている。

 ニセコ町の場合は、情報がベースにあり、まちづくりに関する情報を共有して、お互いに使える状態にすることとなっている。ある意味、ニセコ町の基本条例は特別な例である。

 ある重要な部分を置いて、そこからまちづくりのいろんな方向に足を出している。ニセコ町の場合は、あきらかに情報の重みが圧倒的に大きいと言える。

 そういう意味で、性格として似ているところもあるが、それぞれのまちのよってたつ歴史とか、今の置かれている状態や、まちの発展の方向により、項目も違うし、盛り込むべき内容も違う。

 実は、米原市は、全く新しい要素がある。それは、合併したまちであると言うことで、新しい歩みを歩み出すときに、この条例が必要であるということである。

 だから、今までの条例にない要素が、作ろうとしている条例にはある。むしろ、日本で初めて合併したまちが、あたらしい歩みを始めるために作る条例とは、一番最初の例になると思う。

 新しいと言うことであるから、自由に自分たちの思いを盛り込んでいってもらいたい。思いっきりやってもらいたい。

 今日の作業は、これからいろんな議論を行って、絞り込んでいくので、皆さんは自分はこういうことをまちづくり基本条例に書きたいとか、こういうことを議論したいという気持ちがあると思う。

 皆さんが何を考えて、出発するのかを知りたい。その結果で、まとめ方をどうするか自分も考えたい。

 そこで、まちづくり基本条例に盛り込むべき項目、何を盛り込みたいのか、なにをこのまちの仕組みとして取り込みたいのか、項目としてこういうものが必要ではないか、自分がそう思っているのではなく、項目として必要なものを持っているだろうから、今回は前提なしでまちづくり基本条例は自分はこういうものだというイメージそのものを書き出して、発表してほしい。

 まとめるときに、コメントや理由を出してほしい。100でも200でもありったけ出してほしい。

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