米原市橋りょう長寿命化修繕変更計画
更新日:2025年03月28日
計画の概要
米原市が管理する橋りょうは、高度経済成長期に建設されたものが多く、今後、建設後50年を経過する高齢化橋りょうが増加していきます。老朽化する市道橋の増大に対応するため、従来の対症療法的な修繕から予防保全的な修繕へ転換を図り、できる限り費用の縮減に取り組みながら、地域の道路網の安全性・信頼性を確保することを目的に、橋りょう点検結果に基づき、橋りょうの長寿命化修繕計画を策定しました。
背景・目的
本市では、令和7年3月時点において384橋を管理しています。これらの橋は古いものも多く、20年後には全体の約90パーセントが架設後50年を経過した高齢橋りょうになります。また、今後も橋の高齢化は進み、市民活動を支える橋をどのように管理していくかは大きな課題となります。このため、従来の「悪くなってから対策をとる」という対症療法型(事後保全型)の維持管理を続けた場合、修繕・架替に要する費用が増大することが懸念されます。
このため、本市は、計画的に点検を行うことで、小さな傷みも、早期に、確実に発見し、早期に対応方針の判断、措置を行うという方針に向けて「橋りょう長寿命化修繕計画」を策定しました。これより、本市の安心安全な道路ネットワークを維持することが可能となります。
点検を行った橋りょう
平成26年度から令和6年度にかけて、本市が管理する2メートル以上の全橋りょうの点検を行い、傷みの状況を把握しました。その点検結果と各橋りょうの立地条件や特性を考慮して、対策を講ずるべき橋りょうの優先順位を決定し、「橋りょう長寿命化修繕計画」を策定しました。
橋の点検と対策
次のような方法で橋の点検および管理を行います。
- 橋の傷みを早期に発見するため、5年に一度、全橋を対象とした専門業者による詳細点検
- 急激な変化を発見するための日常道路施設パトロールにおける点検
- 状態の悪い橋から適切に対応
これらの点検および管理を継続的に行うことにより、市民生活に支障が起こらないように、適切に対応していきます。
修繕優先順位決定
傷みの大きな橋から順次対策を行っていきますが、それに加えて橋の重要度という概念を取り込み、「橋りょう長寿命化修繕計画」を策定しました。重要度に考慮した項目を以下に示します。
重要度の項目
- 橋梁の路下条件
- 橋長
- 橋梁の利用条件
- ライフラインの添架の有無
- 緊急輸送道路指定の有無
- 迂回路の有無
- 市道の規格
- 舗装の規格
- 塩害の可能性
- 主要構造物・施設へのアクセス
- 通学路指定の有無
- 孤立集落の可能性
長寿命化修繕計画実施の効果
橋りょう点検を実施した橋りょうの健全度(傷みの分類)を4区分し判定します。本市では、傷みの分類毎の配点を定義し、全橋384橋の傷みの分類毎に応じた配点を行い、その合計点を「健全度指標点数」と定義し、本市の橋りょう全体の健全度の推移を確認しました。「健全度指標点数」は得点が大きくなるほど危険です。また、現時点での本市の目標は、全ての橋りょうで早期措置段階がなくなり、道路橋の機能に支障が生じていない予防保全段階より低くなることを目標(19200点)としています。また、全橋において緊急措置段階および早期措置段階の橋りょうがない状態であることも目標としています。
健全度指標点数と各年度の概略事業費の変遷を示しますが、平成27年度では緊急措置段階が4橋、早期措置段階が17橋で、その後も修繕を行ってきましたが、令和6年度終了時点では、早期措置段階が7橋が残っています。今後も計画的な修繕を行うことにより、令和8年度終了時には、緊急措置段階、早期措置段階の橋りょうの対策が全て終了します。令和9年度以降は、対策優先順位の高い予防保全段階の橋梁の対策に移行していく予定です。なお、令和9年度以降も、全橋が予防保全段階(健全性指標点数 384橋×50点=19200点)を維持することを目指していきます。
今後の方針
本計画に基づいて、橋の点検、維持、対策を繰り返し行うことにより、橋の適切な管理を積極的に進め、経済的に安心安全な道路ネットワークを維持するように努めていきます。なお、点検、設計、修繕時には、積極的に新技術の活用を検討していく予定です。
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