里親が行う養育に関する最低基準
更新日:2020年06月02日
子どもの最善の利益を図るためには、里親としてこれだけは守らなければならない基準があります。
里親が行う養育の一般原則
- 里親が行う養育は、委託児童の自主性を尊重し、基本的な生活習慣を確立するとともに、豊かな人間性および社会性を養い、委託児童の自立を支援することを目的として行わなければならない。
- 里親は、前項の養育を効果的に行うため、都道府県が行う研修を受け、その資質の向上を図るよう努めなければならない。
児童を平等に養育する原則
里親は、委託児童に対し、自らの子もしくは他の児童と比して、または委託児童の国籍、信条もしくは社会的身分によって、差別的な養育をしてはならない。
虐待等の禁止
里親は、委託児童に対し、児童福祉法第33条の10に規定する児童虐待その他当該委託児童の心身に有害な影響を与える行為をしてはならない。
懲戒に係る権限の濫用禁止
里親は、委託児童に対し児童福祉法第47条第3項の規定により懲戒に関しその委託児童の福祉のために必要な措置を採るときは、身体的苦痛を与え、人格を辱める等その権限を濫用してはならない。
教育
里親は、委託児童に対し、学校教育法の規定に基づく義務教育のほか、必要な教育を受けさせるよう努めなければならない。
健康管理等
- 里親は、常に委託児童の健康の状況に注意し、必要に応じて健康保持のための適切な措置を採らなければならない。
- 委託児童への食事の提供は、栄養の改善および健康の増進を図るとともに、日常生活における食事についての正しい理解と望ましい習慣を養うことを目的として行わなければならない。
衛生管理
里親は、委託児童の使用する食器その他の設備または飲用にする水について、衛生的な管理に努め、または衛星上必要な措置を講じなければならない。
給付金として支払を受けた金銭の管理
里親は、委託児童に係る給付金の支給を受けたときは、給付金として支払を受けた金銭を次に掲げるところにより管理しなければならない。
- 委託児童に係る当該金銭およびこれに準ずるものをその他の財産と区分すること。
- 委託児童に係る金銭を給付金の支給の趣旨に従って用いること。
- 委託児童に係る金銭の収支の状況を明らかにする記録を整備すること。
- 委託児童の委託が解除された場合には、速やかに、委託児童に係る金銭を委託児童に取得させること。
自立支援計画の遵守
里親は、児童相談所長があらかじめ作成する自立支援計画に従って、委託児童を養育しなければならない。
秘密保持
里親は、正当な理由なく、その業務上知り得た委託児童やその家族の秘密を漏らしてはならない。
他に、記録の整備、苦情等への対応、都道府県知事への報告、関係機関との連携などを掲げ、里親制度の拡充をはかることとしている。
これらは、あくまでも最低基準です。里親は、これを超えて、養育の内容を向上させる努力が必要です。
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