日本遺産・琵琶湖とその水辺景観-祈りと暮らしの水遺産-

更新日:2017年11月30日

三島池から撮影した冬の伊吹山の写真

日本遺産とは

日本には世界に誇る「たから」がたくさんあります。文化庁は、この歴史的魅力にあふれる地域の「たから」たちをさらに磨き上げるべく、我が国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産」に認定し、国内に、そして世界に発信していく事業を創設し、滋賀県と県内米原市を含めた7市が申請した「琵琶湖とその水辺景観-祈りと暮らしの水遺産-」は、平成27年に文化庁に「日本遺産」に認定されました。

琵琶湖とその水辺景観ー祈りと暮らしの水遺産ー

穢れを除き、病を癒すものとして祀られてきた水。仏教の普及とともに、瑠璃色に輝く「水の浄土」の教主・薬師如来が広く信仰されてきました。滋賀県内には、「水の浄土」である「琵琶湖」をのぞんで多くの寺社が建立されており、今日も多くの人々を挽きつけています。

また、くらしのなかには、山から水を引いた古式水道や湧き水を使いながら、水を汚さないルールが、現在も伝わっています。さらに、湖辺の集落や湖中の島では、米と魚を活用した鮒ずしなどの独自の食文化やエリなどの伝統的な漁法が育まれてきました。多くの生き物を育む水郷や水辺の景観は、芸術や庭園に取り上げられてきましたが、近年では、水と人の営みが調和した文化的景観として、多くの現代人をひきつけています。

ここ滋賀には、日本人の高度な「水の文化」の歴史が集積されているのです。

米原市内の「日本遺産」の構成文化財

米原市内で日本遺産を構成する文化財を紹介します。

伊吹山西麓地域

古来、伊吹山には水の神が棲まうとされ、崇敬されてきました。ヤマトタケルノミコトを撃退した伊吹山の神を大蛇である水の神として祀り、奈良時代以降にはこの神の力を得るために修験者が山中で滝行を行い、各尾根には広大な寺院が造営された歴史があります。伊吹山から流れ出る水は、今も脈々と人々の生活を支えており、水の大切さを知る伊吹山西麓の人々は、伊吹山を水信仰の対象としているのです。

東草野の山村景観

東草野地域は、姉川上流の谷部に形成された山村。周囲を山々に取り囲まれた閉鎖的な土地であるものの、数多くの峠道が古くより拓かれ、米原はもとより岐阜県側との交流も盛んでした。またこの地区は西日本屈指の豪雪地で、民家には「カイダレ」と呼ばれる軒下空間や、消雪用にも用いられた貯水施設「イケ」、水路をせき止めた洗い場「カワト」などに、大雪に適応したさまざまな工夫を見ることができます。

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醒井宿

醒井の地名の由来は、ヤマトタケルノミコトが伊吹山の大蛇と戦って負った傷を、地蔵川の源泉となっている「居醒の清水」で癒したことからと言われいます。醒井宿問屋場は、江戸時代に通行する大名や役人に人足や馬の提供、荷物の積替えの引き継ぎ事務を行なっていた施設で、完全な形で残っているのは全国でも珍しく大変貴重な建物とされています。前を地蔵川が流れ、かつて宿場町として栄えた歴史と梅花藻などの自然が融和し、美しい景観を創出しています。環境省が新たに定めた「平成の名水百選」に選ばれたことでも有名です。

朝日豊年太鼓踊

今から約1,300年前、大原郷を開墾した際に始まったといわれる雨乞い踊りです。賎ヶ岳の合戦に勝利した秀吉が陣太鼓や陣鉦を打ち鳴らしたとき、大雨が降り出したことから鉦や太鼓が用いられるようになったと伝えられます。
踊り子は、つま折笠に襦袢、縞のカルサン袴、白足袋に草草履、手には緋こてをつけて竹でできたバチを持ち、背には金銀の御幣を背負います。戦後も途切れることなく伝承され、昭和49年に国の無形民俗文化財に指定されました。

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