第13回米原市芸術展覧会絵画部門の講評
更新日:2018年11月29日
インターネット環境の制約上、標準フォントを使用しているため、一部氏名表記が正しい表記と異なっていますが、ご了承願います。
受賞者一覧(絵画部門)
賞 | 作品名 | 受賞者 |
---|---|---|
市展賞 | 揺らぐ | 臼井 洋子 |
教育長賞 | 家族 | 直井 俊次 |
市議会議長賞 | ミスト | 日比野 千恵子 |
京都新聞賞 | みずかがみの棚田 | 堀部 八重 |
米原ライオンズクラブ賞 | リトルアドベンチャー | 沓水 和子 |
佳作 | 夏の大地 | 田島 久子 |
佳作 | お姉ちゃんといっしょに | 大澤 浩子 |
佳作 | 菅山寺幻想 | 小松原 正二 |
佳作 | ふきのとう 慌てん坊 | 佐分 百合子 |
佳作 | 船屋 | 大橋 みどり |
佳作 | 放課後の教室 | 坂根 千怜 |
佳作 | 晩秋の湖北路 | 大橋 宅衛門 |
佳作 | さざんか | 高山 のどか |
佳作 | 船屋 | 仲西 裕昭 |
佳作 | ケヤキ讃歌 | 川村 嘉則 |
佳作 | 木漏れ日の渓谷 | 堀畑 末一 |
佳作 | 日光寺の秋 | 川崎 武司 |
総評
今回、具象系の作品が大半をしめますが、写実的なイメージのものからイラスト風のもの、内面的なイメージのもの等、現代の複雑な時代を反映して表現は多様だと感じました。ベテランと思われる方達の安定したレベルの作品、技術的には物足りないが強い独自性を感じる作品、思う存分楽しく描いていると感じる作品と出会えたことはとても良かったと思います。
現代は、一人一人の価値観が多様化しています。その中でより独自性の高い表現をするには、これまでの絵の常識にとらわれないことが必要でしょう。先ず、描きたいという気持ちを大切にし、何を表現するのかを確かめながら描いていただければと願っています。(一居審査員)
市展賞
作品名:揺らぐ
作者名:臼井 洋子
睡蓮の葉が時間の経過と共に水に沈み込んでゆく様が、葉の円形と茎の線を対比させて見事な構成で描き上げています。丁寧で良く考えられた作画の手順により、重厚な作品になりました。
最後に、上掛けした半透明な白により、水の波紋・水面の表情・水面下の深さが表現されていて素晴らしいと感じました。審査後、ライティングされた光により、いっそう見ごたえのある画面が浮かび上がり、感動しました。(山根審査員)
教育長賞
作品名:家族
作者名:直井 俊次
スナップ写真風の家族図、小さな絵なのに目がいくのはデザイン・構成がとても良く出来ているからでしょう。
アニメ風の天真爛漫かつちょっとコミカル、その瞬間の家族たちの表情に対する作者の表現力はもちろんですが、背景全面の板塀のストライプ模様は家族のエネルギーを象徴するように絵全体に躍動感とリズム感を生みだしています。またそのストレートさをすこし和らげるように背を向けて家族を覗き見ている犬の存在も画面に奥行きと膨らみを与えていて作者の力量を感じる作品です。 (荒牧審査員)
市議会議長賞
作品名:ミスト
作者名:日比野 千恵子
題名は「ミスト」、霧の流れ、動きでしょうか。削り・引っ掻き、時に優しく撫で・盛り上げる、積み重なった下地材とそこに塗りこまれるように沈む色彩、とても美しい絵肌が作られています。
一字一字に向かう気持ちが自然と全体の美につながる写経を見る時のような、また時を刻む岩肌を眺める時のような感覚と似ているのかもしれません見る者に静かに「時・空」を問いかけてくる作品です。 (荒牧審査員)
京都新聞賞
作品名:みずかがみの棚田
作者名:堀部 八重
高台からの視点で棚田の風景をじっくりと描いています。俯瞰する視点から捉えたことで、絵の重心が上に上がり、風景空間の広がりを感じます。全体の色彩の扱いも丁寧で、この季節の色や空気感を感じさせています。また、油絵の具の特質を生かし、何層にも重ねられた画面からは、場の雰囲気と作者の息づかいを感じる印象の強い作品です。(一居審査員)
米原ライオンズクラブ賞
作品名:リトルアドベンチャー
作者名:沓水 和子
画面をコラージュにより変化させ、複雑な凹凸を利用して制作しています。抽象的な作品ですが、中心から周りへスパイラルする動きが題名とマッチして、作者の意図が感じられます。
色彩も鮮やかで、印象的な作品となりました。(山根審査員)
- この記事に関するお問合せ先