第20回米原市芸術展覧会（市制20周年記念展） 結果

市展賞
何ともほのぼの度の高い作品です。小さいお子さんが手のひらに余るほどのみかんを持って皮をむいています。鼻につんとくる柑橘類の刺激をやわらかいピンクとブルーのエプロンが包んでいるようです。大胆に顔をデフォルメした構図が視線を中央にうまく誘っています。絵全体が優しく、見る側が思わず微笑む秀作で愛があふれています。
(奥田審査員)

教育長賞
画面全体を思いきり使いきって見事な表現です。空間を感じさせず、それよりも描きたいものの形・マチエールを存分に表現された動きのある新しい形の絵画です。
(村岡審査員)

市議会議長賞
毎日接しておられる身近な風景でしょうか？山に対して、集落に対して、田んぼに対して愛情を持って大変丁寧な仕事をされています。右下のビニールハウスが、少し窮屈な感じを受けますが、奥行きや広がりを感じさせる良い風景画になっています。
(廣田審査員)

市展賞
最初に観た時から、この作品のもつ空気感に驚きました。スケッチデザインからレリーフに、そして立体像に創っていく過程で再びレリーフ状に回帰したような作品に、この作者の観察力を感じました。
(柿本審査員)

教育長賞
流れるような、空中を滑るような形がとても美しいです。時間がいたずらをして形や色が変化するのが楽しみです。
(柿本審査員)

市議会議長賞
思わず微笑んでしまう二人の関係に心が優しくなります。サイズが小さい分、彫る作業が難しかったと思いますが、しっかり仕上げられています。
(柿本審査員)

市展賞
墨の溜まりをうまく配分し、明るさのある瀟酒な作品に仕上げました。特に他の作品より余白美が感じられるとともに奥深さもありました。伸縮のよい造形が素晴らしいです。
(岩瀬審査員)

教育長賞
四枚の作品から成り、シンプルな表装の美しさも加わり、高いレベルに仕上がっています。各行の行頭を揃え、行尾の高低の変化により、一段と美しさが増しました。
(岩瀬審査員)

市議会議長賞
漢字三行の行草作品は、中国の傅山か王鐸の作品を想起します。筆を大きく使い、のびやかな線が魅力的です。
(岩瀬審査員)

市展賞
竹生島に雷が落ちる決定的瞬間を捉えた今作は、その卓越した撮影技術だけでなく、構図としてのバランスの美しさや、稲光が放つ白い軌跡が静謐な青い空間の上で劇的に浮かび上がっている様子が、とても印象的で素晴らしい1枚になっていると思いました。「雷神」というタイトルが示すように、まさに自然の力とその神秘性を写真で見事に表現されており、一瞥した瞬間から心に残る作品として存在感を放っていました。プリントも美しく細部まで丁寧に仕上げられていることが伝わってきました。
(キリコ審査員)

教育長賞
動物のオブジェが不規則に置かれている不思議な空間での写真です。その場所性だけでも面白いですが、セピア調にプリントすることや、中央に傘を回している人物を配置することで、さらに現実離れした空間を作り出されていることに作家の工夫と表現力を感じます。また傘がブレていることで回転する動きを表現すると同時に、周囲の静止したオブジェたちを際立たせ、視覚的な緊張感と幻想的な面白さを生み出していると感じました。
(キリコ審査員)

市議会議長賞
長尾護国寺のセツブンソウを撮影された写真は、被写界深度を浅くすることで前後にボケがあることや、和紙プリントの柔らかな質感と相まって、まるで絵画のような印象を受けました。白色のマットや木調の細い額も作品によく合っていて、作品全体に調和をもたらせ、その丁寧な仕上げから1枚の写真が生命感を宿したような美しい作品に仕上がっていると思います。
(キリコ審査員)

芸術協会会長賞
桜の木の枝に止まる鳥の頭部の動きが、見たこともない角度に曲がっていることに驚きました。背景に桜以外ないこともあり、鳥のフォルムが際立ちとても造形的に見えてくることに面白さと新しさを感じました。
(キリコ審査員)