第16回米原市芸術展覧会 結果
更新日:2021年05月12日
インターネット環境の制約上、標準フォントを使用しているため、一部氏名表記が正しい表記と異なっていますが、ご了承願います。
絵画部門
賞 | 作品名 | 受賞者 |
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市展賞 | お家で踊ろう | 澁谷 ふみ子 |
教育長賞 | うす桃色の中へ | 前田 優子 |
市議会議長賞 | 好きな場所 | 中川 日出男 |
中日新聞社賞 | 春近い三島池 | 森 見由紀 |
米原商工会長賞 | 涅槃への道 | 仲西 裕昭 |
佳作 | 縞の敷物と人形 | 大澤 浩子 |
佳作 | 少女に幸あれ。 | 沓水 和子 |
佳作 | 朝の散策 | 杉本 幹夫 |
佳作 | パリモンマルトルの坂 | 大橋 みどり |
佳作 | 木魂 | 岡嶋 康子 |
佳作 | The forest of fairies | 藤 陽子 |
総評
審査に臨んで50号などの力作が多く大変レベルの高い出品作が目立ちました。三人の審査員で厳正に審査をした結果、非常にバラエティに富んだ作品が選出されました。それぞれの個性や色彩、表現方法が見られ、この地域の出品者が多いと思われますが、ともすれば似た様な作品に片寄りがちな各地の市展の中で、米原を中心とした地域の文化度が良く判ります。見応えのある展覧会になると思います。
(池田審査員)
市展賞
エネルギッシュなゴリラがイヤホンをつけて、リズムをとっている。左右にあるバナナを要に円弧形にいろんな道具が並んでいる。左に詰ったモチーフが画面に動きをつくり、テーブルがバランスをとっている。新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態発令、長引くステイホームがさけばれる中で、テーブルの木目紋様も悶々とし、現在の世相を見事に物語り、本年度ならではの市展賞です。
(大塚審査員)
教育長賞
雑木林を中間色のトーンで描いた静かな空気を感じる作品である。画面の左右に配置された木立があることにより、手前の空間と奥の空間が出現し、向こう側に広がる世界を想像させる演出となっている。画面全体が淡い色でまとめられて、その中に赤い実があることで良いアクセントとなっている。木の枝が多数複雑に重なり合い騒めいた感じをガサガサした筆致で見事に表現し、音まで感じられる。
(蛭田審査員)
市議会議長賞
今回審査させて頂き大変バラエティのある力作ぞろいでしたが、その中でこの作品は、軽やかな筆致が作品に動きを与え、南国であろう青い空が黄色い建物を引き立て、尚かつ主人公たる三そうのヨットの白さがはえあたかもヨット同志が会話をしている様な暖かさを感じます。樹木や水面のラフな描き方も絵に魅力を与えています。その軽快さが心地良い。
(池田審査員)
彫刻・工芸部門
賞 | 作品名 | 受賞者 |
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市展賞 | 綾 | 深田 忠弘 |
教育長賞 | 想う(植彩押し花) | 室谷 すて美 |
市議会議長賞 | 乾漆壺 | 清水 隆司 |
BBCびわ湖放送賞 | 暁光 | 高木 満紀子 |
佳作 | 暖簾 花菖蒲 | 久保田 みち子 |
総評
全体の印象は、よくまとまってた作品が多くて、選ぶのが難しくずい分悩まされました。それほど、それぞれの作品の完成度が高いです。感染症の拡がりの不安の中、時間や労力を惜しまず制作されている姿が思い浮かびます。ただ、抑圧された生活のせいか、おとなしすぎの感があります。もっと思いきった主張のある作品も観たいので、失敗を恐れず、これからも制作を続けてほしいと思います。
(柿本審査員)
市展賞
調和のとれた作品です。紐づくりで積み上げながら縦ヒダを整えるのは時間がかかったと思いますが、技術的よりも心理的な苦労の方が強かったように感じます。その甲斐あって、とても調和のとれた作品に仕上がったようです。柔らかな曲面にシャープな縦ヒダが心地よい旋律となり、清々しい響きを奏でています。
(柿本審査員)
教育長賞
素材の持つ形や色を大切に扱って、時間をかけて作り上げた作品です。この植物の精霊は、私たちが自然と共存し、そのバランスを取り戻し、感謝の気持ちの中で生きるように願っているようです。
(柿本審査員)
市議会議長賞
その色彩からは神秘的な不思議を感じます。宇宙のどこかで出会う景色のようでもあり、いつまでも眺めていたくなります。もっと自由に形を追求する方が乾漆の技法を高められそうに思います。
(柿本審査員)
書部門
賞 | 作品名 | 受賞者 |
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市展賞 | 凸凹 | 萬代 和美 |
教育長賞 | 風趣 | 井堀 多美子 |
市議会議長賞 | 逸見猶吉の詩 | 筒井 和彦 |
滋賀夕刊新聞社賞 | 万葉集巻二、九十 | 北川 依子 |
佳作 | 寿杯 | 音居 玲子 |
佳作 | 山樝の実 | 橋本 幸子 |
佳作 | 蝶飛 | 木野 典子 |
佳作 | 衆星 | 中川 峰子 |
佳作 | 漁 | 箕浦 恵子 |
総評
全国的にコロナ緊急事態が叫ばれる中、芸術はコロナに負けないとの信念で例年通りされることにまずは感謝申し上げます。さて、やや出品数は減じたものの、バラエティに富んだ力作揃いで、大変見応えのある展示となると思います。書は文字を素材としますが、決して「読む」だけのものではありませんし、上手下手を競うものでもありません。墨と筆で書くことは一期一会の線を追求することです。そんな線の構築による造形芸術という側面も強調したいと思い審査に当たりました。
(押谷審査員)
書なのか抽象画なのか。見て楽しむ作品。思い切って墨を効かせた凸字を洒脱で軽妙な書きぶりの凹が見事に受け止めている。タテヨコの直線のみの文字をこれだけ躍動させて見せる独創性に感服する。
(押谷審査員)
会場随一の大作。元来単調で表情のない蒙書体をボリューム豊かな筆線で魅力ある姿態に表現した。やや一字一字になった感もあるが、多様多彩な線質は他を圧倒している。
(押谷審査員)
漢字と片仮名が直線的によく調和している。厳しい骨格が一貫して硬質なイメージの近代詩文書作品となった。「崩潰」部を見せ場としてもっと強調すると更に佳。
(押谷審査員)
写真部門
賞 | 作品名 | 受賞者 |
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市展賞 | カラスの散歩 | 武田 繁康 |
教育長賞 | カーテンコール | 古川 夏子 |
市議会議長賞 | 里の慶び | 木下 三千代 |
芸術協会会長賞 | 命のささやき | 古川 博 |
米原ライオンズクラブ賞 | 夕陽輝く飛沫氷柱 | 田中 惣八 |
佳作 | 千手の光明 | 堀内 久和 |
佳作 | 気になる光 | 北川 孝 |
佳作 | 囀る | 小松 弘子 |
佳作 | 星夜 | 武藤 繁一 |
佳作 | 極寒の贈り物 | 武藤 知得子 |
佳作 | 幽玄の美 | 川幡 千英子 |
佳作 | 紅に染まる | 内藤 又一郎 |
佳作 | 湖畔の彩り | 村居 とよ子 |
総評
応募作品112点の内、そのほとんどが風景作品でした。コンテストとなればピント・彩色がダメなのは審査から外れます。気にとまるのは作者の意図が明確に表現されている作品ですが、これらは作品から主張してくるので自然と目に留まります。審査会場に入りざっと見渡した際そのようなのが有り審査意欲を掻き立てられました。全体としては良かったのではないでしょうか。審査して感じるのは、特にピントはあるものの、プリント仕上がりが良くなく上位に行けない残念な作品がありました。作者は何に感動して撮影し、どのように伝えればよいのかを考えてプリント制作するまでが一連です。どこを表現したくて明暗等メリハリをつけるのかは作者自身です。またフイルムカメラのように撮影枚数に限度がないのでカメラの縦・横位置やレンズを焦点距離の異なる撮影、暗めに撮影するなど心に留まる場面に出くわせば目一杯撮影して後で選別してください。後々後悔しないためにも。また、その場では気が付かない良いのが見つかることがあります。チャレンジしてみてください。
滋賀県マキノ町のメタセコイアと言えば今ではテレビでも毎年秋、冬はニュースになるほど知れ渡った風景ですが、見慣れた切り取りではなく、レンズワークを駆使して巧みに作品にしている。路上の紅葉した落ち葉が筋状に点在して遠近感を強調し、木立の幹を黒く表現することにより紅葉を際立たせた作者の主張が明確で構図、プリント表現に無駄はなくどきっとする作品です。何と言ってもカラスの存在が作品を引き締め当該賞に相応しいものとなったといっても過言ではない。ただ、作者の撮影ポイントが気になり躊躇しましたが、作品的には優秀であったため選ばせていただいたことを申し添えます。
(大戸審査員)
幻想的で不気味な世界に引き込まれそうな作品です。作品づくりは撮影場所が適していても季節・時間帯・天候等すべての条件が揃っていなければ目を引く仕上がりにはなりません。この作品はこれらの条件の中、早朝の霞んだ薄明かりの状況で、画面右側の梢から光が射しこみ、左の木を黒く表現し奥の島を強調することにより作品全体を雰囲気のあるものにしています。構図も水面の梢先できりとり、上も程よく取り入れています。自分の世界を作品にした技術は卓越している。
(大戸審査員)
山里の厳しい冬を耐え抜き、満開の桜花が待望の季節の到来の慶びを表現しているような心和ませる作品です。四分の三ほど山林を聳え立たせて表現することによって緊迫感を演出した構図の取り方によって生まれた作品です。更に鯉幟が家族構成等生活感が想像でき、あることによって秀作に押し上げています。
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