南側斜面の崩壊防止・植生回復について
【NEW】2024年の土砂流出対策事業の経過
2024年に施工したアーチ式獣害ネットの状況
2024年9月に施工完了したアーチ式獣害ネット(998平方メートル)の経過状況です。
アーチ式獣害ネットの施工箇所には、施工と同時に播種・移植した伊吹山産の在来種タケニグサ(ケシ科・多年生草本)やイブキジャコウソウ(シソ科・小低木)をはじめ、さまざまな植物が繁茂し、遠目にも青々としてきました。
【比較写真A】
2024年8月28日の設置状況

【比較写真A'】
2025年6月20日の繁茂状況
【比較写真B】
2025年5月23日 設置後約8か月後
春の芽吹きの状況です

【比較写真B'】
2025年7月30日の繁茂状況
多年草タケニグサが根づいています
【比較写真C】
2024年5月29日の南側斜面
アーチ式獣害ネットの施工前です

【比較写真C'】
2025年7月30日の南側斜面
中央やや上寄り、四角く植生回復が進んでいる所がアーチ式獣害ネットの施工箇所です
2024年に施工した土のう筋工の状況
2024年9月に施工完了した土のう筋工(171メートル)の経過状況です。
降雨・降雪に耐え、斜面を安定化し、水の流速を抑える土のう筋工の機能をしっかりと果たしています。
しかし、植生回復は十分進んでいるとは言えない状況であるため、施工現場近くで繁茂しているクサギなどの在来植物の移植や播種により、植生回復の手助けを実施する予定です。
2024年9月10日の施工状況

2025年7月24日の経過状況

2025年7月30日撮影
(2023年土のう筋工試験施工地の状況)
2023年10月に施工した土のう筋工現場では、母樹となるクサギ(伊吹山のニホンジカが好まない種)が存在したことから、斜面を安定化させることでクサギが繁茂しました。
2025年の施工現場にも、当該クサギ等を移植し、植生回復の手助けを実施する予定です。
2023年の土砂流出防止対策試験施工の経過
2024年10月11日(金曜日)の確認結果
2023年10月18日に伊吹山7合目で実施した土のう筋工試験施工の1年後の状況を確認してきました。
土のう筋工の施工箇所には、クサギ(シソ科・落葉低木)やハダカホオズキ(ナス科・草本)、レモンエゴマ(シソ科・草本)などが青々と茂っており、土壌流出が止まることの効果を大きく実感できる結果となりました。
【比較写真A】
2023年10月18日の設置状況

【比較写真A'】
2024年10月11日の状況 植物が繁茂

【比較写真B】
2023年10月18日の設置状況

【比較写真B'】
2024年10月11日の状況
しっかりと根付いています
2024年4月12日(金曜日)の確認結果
2023年10月18日に伊吹山7合目で実施した、土砂流出防止対策試験施工の状況確認を2024年4月12日に実施しました。
土のう筋工は、積雪の影響で土のう等が流れることもなく、土砂を安定させ、植生を回復させる効果があることが確認できました。
また、アーチ式獣害ネットは、ニホンジカの食害を防ぐ効果があることが確認できました。
今回の試験施工では、植生回復に一定の効果があり、伊吹山の再生力を高める効果を確認することができましたので、令和6年度も引き続き、施工面積を拡大し、実施していきます。
アーチ式獣害ネット工の確認状況

ニホンジカの食害を防いでいることが確認できます。

植生マットから植物の芽が生えてきています。
土のう筋工の確認状況

積雪等の影響で崩れずに、土砂を抑えています。

土のうから植物の芽が生えてきています。
2024年の土砂流出対策試験施工の実施
伊吹山南側斜面の崩壊防止対策(土砂流出防止対策)として、以下の試験施工を実施します。
- 実施日
資材運搬:2024年8月2日(金曜日)別紙画像のとおり
試験施工:8月から9月末まで - 実施場所 伊吹山7号目付近
- 実施内容
【資材運搬】
滋賀特機株式会社の技術協力のもと、運搬用ドローンを用いて、アーチ式獣害ネット、土のう、アンカー等の資材を伊吹山5合目から7合目まで運搬を行いました。(伊吹山5合目までは、トラックによる運搬)
【試験施工】
・土のう筋工 長さ=170メートル
・アーチ式獣害ネット 面積=約1000平方メートル - 協力団体等(主催:米原市)
滋賀北部森林組合、滋賀特機株式会社

土砂流出防止対策試験施工の実施
伊吹山南側斜面の崩壊防止対策(土砂流出防止対策)を検討するに当たって、どのような施工方法が適しているかなどを検証するため、滋賀県および関係団体等との連携協力のもと、試験施工を実施しました。
- 実施日
資材運搬:2023年10月16日(月曜日)
試験施工:2023年10月18日(水曜日) - 実施場所 伊吹山7号目付近
- 実施内容
【資材運搬】
滋賀特機株式会社の技術協力のもと、運搬用ドローンを用いて、土のう、アンカー等の資材を伊吹山5合目から7合目まで運搬を行いました。(伊吹山5合目までは、トラックによる運搬)
【試験施工】
・土のう筋工 長さ=45メートル
材料:土のう(ヤシ繊維)200袋、アンカー400本(約200キログラム)
・自然侵入促進植生マット 面積=20平方メートル - 協力団体等(主催:米原市)
滋賀県、滋賀北部森林組合、滋賀特機株式会社
運搬用ドローンによる物資運搬
7合目登山道崩落現場
7合目試験施工現場
土のう筋工の施工状況
植生マットの施工状況
試験施工完了
緑化試験施工の実施
伊吹山南側斜面について、在来植物の自然侵入促進による緑化試験のため、アーチ式獣害ネットと植生マットにより、試験施工を実施しました。
- 施工期間
着手:2023年5月1日(月曜日)
完了:2023年6月30日(金曜日) - 実施場所 伊吹山7号目付近
- 実施内容
自然侵入促進マットの設置 140平方メートル
うちアーチ獣害対策ネットの併用 80平方メートル
3合目のススキの移植 - 施行者(委託元:米原市)
滋賀北部森林組合

設置直後(2023年6月21日)
設置から半年経過(2023年12月6日)
地球温暖化・山の砂漠化を食い止める
近年、地球温暖化・気候変動の影響による増えすぎたニホンジカの根まで食い尽くす食害と踏圧によって、伊吹山の斜面からは一部の植物種を除いて植生が崩壊してしまいました。
植生が失われた山肌は、表土が流され保水力がなくなり、大雨時には大量の土砂を流出する状況となっています。
さらに、2023年7月12日の集中豪雨により、裸地化した伊吹山5合目から8合目の南側斜面で土石流が発生、広範囲に土砂が流出し、南側斜面が崩壊(登山道を含む。)しました。
このため、2023年8月に滋賀県と米原市の関係部局で構成する合同プロジェクトチームを設置し、伊吹山南側斜面の崩壊防止・植生回復に向けた有効な施工方法等の検討を行うほか、中長期的な対策を講じていきます。
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山東支所 まち整備部 まち保全課(伊吹山植生復元プロジェクト推進室)
電話番号:0749-53-5175
ファックス:0749-53-5179
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更新日:2025年08月25日