山頂・3合目における植生保全について

更新日:2026年06月19日

植生防護柵で植物と動物を守る

伊吹山には、伊吹山固有種や寒冷期の遺存種である北方系植物、日本海側多雪地帯の植物、石灰岩地好生植物など約600種の植物が自生しており、固有種のカタツムリを含む多数の動物たちを育んでいます。
2000年代以降は、急増したニホンジカによる食害や踏圧が植生に甚大な被害を及ぼしたため、貴重な草原群落を有する山頂一帯および3合目において、植生防護柵(防鹿柵)を設置しました。今後も、植生防護柵による生態系の保護・管理を継続していく必要があります。

植生防護柵設置状況

令和6年、山頂域の西側エリア全体を囲む金属柵(約1.5キロメートル)が完成しました。
山頂域の東側エリアでは、小中規模のスポット柵の設置を順次進めており、令和6年に2基、令和7年に1基設置しました。令和8年度にも2基の設置を計画しています。

柵の設置状況図

伊吹山頂植生防護柵設置状況図

西側エリアの回復状況

山頂の西側エリアは、最も早い時期から植生防護柵で守ってきたこともあり、最も回復が進んでいます。(平成27年度に化繊ネット製の柵が完成。その後、令和6年度に金属柵化が完了)

復元した花の様子
復元した花の様子

撮影:令和7年度

東側エリアの回復状況

山頂の東側エリアは、鹿の隠れ場となる森林や笹薮が広がっており、これらを柵で囲んでしまうと鹿の追出しが困難となるため、薮を避けて複数のスポット柵を設置しており、多数のボランティアの協力により、柵の設置や維持管理を行っています。

代表的なスポット柵:森林・林縁柵
延長:L=250メートル 場所:中央登山道入口付近
設置者:自然保護団体、一般ボランティア、連携企業、関ケ原町・米原市職員ら36人
構造:FRP支柱、金属ネット
設置日:令和6年5月

ボランティア設置風景

ボランティアによる設置風景

トモエソウ

翌年(令和7年)、トモエソウが復活しました

伊吹山の植生概況

<山頂域西側エリア(柵内)>
植生概況:鹿による影響は小。鹿があまり好まないサラシナショウマ群落が拡大。鹿が好む植物も、金属柵完成後の令和7年度以降回復が進んでいる。
<山頂域東側エリア(スポット柵内)>
植生概況:鹿による影響は小。鹿が好む植物は各々の設置年次まで被食を受けていたが、設置以降徐々に回復してきている。
<山頂域東側エリア(スポット柵外)>
植生概況:鹿による影響は中。鹿に耐性のある植物群落が広がり、矮化(背の高さが低くなる)している。
<南側斜面(柵外)>
植生概況:鹿による影響は高。生育しているのはほぼ全て鹿に耐性のある植物であり、矮化(背の高さが低くなる)も著しい。斜度の大きい傾斜地では裸地と化しており、緑化基礎工や緑化工等を進めている。

伊吹山のニホンジカの好み
項目 植物名
伊吹山で鹿が好む植物 ニッコウキスゲ、オオバギボウシ、ホソバノアマナ、マユミなど(特に好む)
シシウド、イブキトラノオ、コイブキアザミ、ミヤマコアザミ、コオニユリなど
中間の植物 イブキトリカブト、キンバイソウ、サラシナショウマ、メタカラコウ、チシマザサなど
伊吹山で鹿が好まない植物 クサタチバナ、オオヒナノウスツボ、キオン、レモンエゴマ、ハナヒリノキ、フッキソウなど

 

3合目の植生防護柵

3合目のユウスゲ群落

3合目のユウスゲ群落【見頃:7月】
柵に守られ、夕方に花を咲かせます

ユウスゲと貴重植物を守り育てる会さんとの柵の設置作業

地元・上野区の「ユウスゲと貴重植物を守り育てる会」が長年の尽力で保全が実現しています

標高約750メートル地点の三合目では、山頂とはまた異なる植物群落が広がっています。
特にユウスゲ群落は有名ですが、そのほかササユリなど山頂では見られない植物が、地元の保全団体の活動により保たれています。
3合目の保全活動については、以下の保全団体のウェブサイトで詳しく紹介されています。

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