米原市議会基本条例の検証結果(平成29年)

更新日:2017年11月30日

議会基本条例の検証

 米原市議会では、議会の持てる機能を十分に発揮し、自由かっ達な討議を通して論点、争点を明らかにし公開するという議会の使命を達成するために、議会基本条例を平成25年11月に制定いたしました。

 これに基づきこれまで市議会では、伊吹山テレビによる議会生中継、米原市公式ウェブサイト上での議会録画配信、本会議、委員会会議録の公開などの情報公開や、議会報告会や意見交換会、アンケートによる市民意見の把握のほか、参考人制度の活用、議員政治倫理条例の制定など、議会改革に取り組んでまいりました。

 議会基本条例の制定から丸4年となる今年、議会基本条例第28条の規定に基づき、4年に1度の検証を議会運営委員会を中心に、平成28年7月からその準備を始め、9回の議論と議員全員協議会、議員研修なども盛り込み、ひとつずつ丁寧に検証を重ねました。また、今回の検証をとおして、評価すべき点、また課題も把握することができました。現議員は平成29年10月31日をもって任期満了となりますが、改選後の新たな4年に向けて、更なる議会改革の推進を期待します。

最後になりましたが、検証アドバイザーとしてご助言、ご協力いただきました白石克孝教授に御礼申し上げます。

 米原市議会 議長 松宮信幸

1.検証経過

1. 議会基本条例の各条文を、「1.市民に開かれた議会」、「2.議員の公平性、透明性」、「3.議会の体制の強化」、「4.評価および検証」の4つに分類

2. 12の取組目標ごとのシートに分類し検証

3. 議会運営委員会委員が個別に検証シートを作成

4. 委員が個別に作成した検証シートを基に、現状の評価、課題、今後の方策の3つの視点で12のシートごとに議論

5. 現状の評価と課題がまとまった時点で、議員全員による研修会と作成途中の検証シートの内容について意見交換

6. 今後の方策について、議会基本条例策定時にご指導、ご助言いただいた、龍谷大学政策学部の白石克孝教授にご助言いただき議論

7. 白石教授に外部評価をいただく

8. 議員全員協議会において、検証結果を報告

議員研修会の開催

議員研修会の様子の写真

日時

平成29年4月24日(月曜日) 午後1時30分から

場所

市役所山東庁舎 3階第1委員会室

内容

議会基本条例の検証について」

講師 龍谷大学 政策学部 教授 白石克孝氏

海外の選挙事情や、地域における議会と議会基本条例の役割、議会改革の必要性について再確認する。

近年の政治離れは、政治に参加する、選挙の投票に行くという民主主義の根幹を失ってしまうことになる。

議会が地域から信頼され、自分たちの町を支える存在であり続けるためにも、議会改革は、今後もその時代時代に合ったやり方で進めて行く必要がある。

2.検証結果

検証結果の抜粋

1.市民に開かれた議会
シート番号 項目 評価 課題と今後の方策等
1 市民への情報公開と情報の共有 3.一部目標達成 議会だよりは紙面の改善を行ったが、さらに文字数やわかりやすい表現の工夫などに努めることと、掲載項目の見直しとして、討論内容などの掲載を進めていく。
2 多様な市民意見の把握 3.一部目標達成 議会報告会・意見交換会は、従来のやり方に加え、ワークショップ形式等を取り入れるなど、手法を工夫する。
3 自由かっ達な討議(反問権の付与) 4.概ね目標達成 今後も、議論の争点を明確にするための反問権が行使されることで、緊張感を持った議論や討論の運用ができるように努める。
4 自由かっ達な討議(議員間討議の実施) 2.一部着手 議会運営の中心をなす課題であり、各議員の積極的な討議への関与に努める。
5 プロセスの明確化 4.概ね目標達成 予算審査について、委員会の在り方と審査手法などの検証を進める。
2.議員の公平性、透明性
シート番号 項目 評価 課題と今後の方策等
6 ルールの遵守と、公平性、透明性の確保
(議員の政治倫理)
3.一部目標達成 議会改革の最重要課題の一つであり、市民にわかりやすい説明ができる条例であるべき。政治倫理条例の理解と遵守のため、議員全員が条例を学ぶ機会を設ける。
7 ルールの遵守と、公平性、透明性の確保
(会派の設置)
4.概ね目標達成 政務活動費による購入物品の管理、改選後の引継ぎについて、使途基準の改定を検討する。
3.議会の体制の強化
シート番号 項目 項目 課題および今後の方策等
8 議員の政策提言能力、政策評価能力の向上
(議会事務局の体制整備)
3.一部目標達成 情報収集と研修に重点をおき、今後も更なる体制強化に努める。
9 議員の政策提言能力、政策評価能力の向上
(議員図書室・議員研修)
2.一部着手 議員資質の向上を図るため、図書室を充実し、議員研修を実施する。
10 議会活動、議員活動のための基盤整備
(財政上の措置)
2.一部着手 これは、議員が政策立案する時にその裏付けとなる予算を担保するために、議長が市長と協議し実現していこうというものであり、今後も活用される時のために、維持していく。
11 議会活動、議員活動のための基盤整備
(議員報酬、議員定数改定の手続き)
5.目標達成 議員定数の改正にあたっては、議会基本条例に基づき、付属機関を設置して答申を得た。これについては、議員各々の資質の向上が必須であり市民にしっかり説明責任を果たすことが肝心である。
4.評価および検証
シート番号 項目 評価 課題および今後の方策等
12 評価および検証 4.概ね目標達成 議会運営委員会を中心に今回検証した改善点等を克服し、引き続き4年に1回の検証を実施していく。

検証アドバイザー白石克孝教授からの評価結果

 議会基本条例の検証作業を実施したことは、本議会の歴史のみならず、日本の地方議会の歴史においても、画期的な出来事であることを、まず敬意を持って評価するものである。検証作業が全議員の協力のもと、研修を伴って実施されたことは、今後の方向性やあり方を示すことになると確信する。

 議会基本条例には、市民に開かれた議会とするという重要な目的が定められているが、このための努力を会派に関わりなく全議員で進めてきたことが確認できた。この課題はいわばゴールのない課題であるが、時代状況を受け止めて継続的な努力をされることを期待する。

 議会基本条例には、反問権の付与、財政上の措置、という先進的な条項が盛り込まれている。まだ条例の歴史も短く、定着しているとは言うことができない状況である。今後の活用を期待する。

議員定数削減について、議会基本条例に基づく付属機関を設置し、市民との意見交換を踏まえて議員定数の削減を実現したことは、議会への信頼を高めることになった。議会基本条例の理念が活用されたことを評価する。

議会基本条例検証資料

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