○米原市不当要求行為等対策条例
令和5年3月23日
条例第4号
(目的)
第1条 この条例は、市の事務事業に係る不当な要求行為または市の職員に対する暴力的行為(以下「不当要求行為等」という。)に対し、組織として毅然と対応するとともに、これらを未然に防止するための組織的な体制を整備し、もって公正な職務の執行を確保することを目的とする。
(1) 不当要求行為等 公正な職務の執行を損ない、または損なうおそれがある次に掲げる行為をいう。
ア 市が行う全ての行為に関し、正当な理由なく、特定の個人または法人その他の団体に対し有利または不利な取扱いを要求する行為
イ 市が行う全ての行為に対し、正当な理由なく、その達成を妨害し、または遅延させることを目的に行われる行為
ウ 職員の採用その他の人事に関し、正当な理由なく、懲戒処分その他の行為を要求する行為
エ 正当な理由なく、職員を長時間拘束し、または面会を要求する行為
オ 職員に対し、自らの要求を実現するため、暴力的行為その他社会的常識を逸脱した手段を用いる次の行為
(ア) 身体の一部や器具を使って、故意に職員を傷つけようとする行為
(イ) 反論し得ない状況に追い込み、恐怖を感じる程度の脅迫行為
(ウ) 正常な業務が遂行できない程度の喧騒行為
(エ) 粗野または乱暴な言動により職員に嫌悪の情を抱かせる行為
(オ) 正当な権利行使を装い、金銭または権利を不当に要求する行為
(2) 職員 次に掲げる者をいう。
ア 地方公務員法(昭和25年法律第261号)第3条第2項に規定する一般職に属する市の職員および同条第3項に規定する特別職に属する市の職員のうち市長、副市長および教育長
イ 市町村立学校職員給与負担法(昭和23年法律第135号)第1条の規定により滋賀県が給料その他の給与を負担する職員で、米原市立学校に勤務する者
(市の責務)
第3条 市は、不当要求行為等に対し、徹底して拒否する姿勢を示さなければならない。
2 市は、不当要求行為等への対策が実効性のあるものとなるよう、必要な体制の整備、職員研修の実施その他必要な取組を実施しなければならない。
3 市は、職員が不当要求行為等を拒否したことにより、当該不当要求行為等の行為者から不当な権利侵害を受けることのないよう必要な配慮をするとともに、当該職員の公正な職務の執行を確保するため、権利侵害を受けた職員に対し、必要な援助、保護等の措置を講ずるものとする。
(職員の責務)
第4条 職員は、職務の執行に当たり、市民に対してその事務事業の内容について十分に説明し、理解を得るための努力をしなければならない。
2 職員は、不当要求行為等が行われた場合(不当要求行為等が行われるおそれがあると認める場合を含む。)は、これを拒否しなければならない。この場合において、公正な職務の執行および職員自身の安全の確保を図るため、複数の職員により組織的に毅然とした態度で対応するものとし、当該不当要求行為等が明らかに違法と認められる場合または職員その他の者に危険が及ぶおそれがあると認められる場合は、上司の指示または職員自らの判断により、警察への通報その他の必要な措置を講じなければならない。
3 職員は、不当要求行為等(そのおそれがあるものを含む。)を受けたときは、その内容を記録するとともに、直ちにその内容を管理監督者(当該職員を管理監督する地位にある職員をいう。以下同じ。)に報告しなければならない。
(管理監督者の責務)
第5条 管理監督者は、所属に対する不当要求行為等の認知に努め、これを認知したとき、または前条第3項の報告を受けたときは、適法かつ公正な職務を確保するために必要な措置を講じなければならない。
(市民等の責務)
第6条 何人も、職員に対し、不当要求行為等をしてはならない。
(米原市不当要求行為等対策委員会)
第7条 本市における不当要求行為等への対策を統括し、組織的に対応するため、米原市不当要求行為等対策委員会(以下「対策委員会」という。)を設置する。
2 対策委員会は、規則で定める職員をもって構成する。
3 対策委員会は、第5条第2項の報告を受けたときは、当該不当要求行為等への対応方針および当該不当要求行為等に対し執るべき措置を協議検討し、その結果を市長および当該報告をした管理監督者に通知するものとする。この場合において、対策委員会は、当該方針の内容その他の規則で定める事項について、米原市公正職務審査会に調査審議を求めなければならない。
(不当要求行為等対策相談窓口)
第8条 不当要求行為等への初期の対応その他不当要求行為等に発展するおそれがある事案に係る相談を受け付けるため、不当要求行為等対策相談窓口を置く。
(米原市公正職務審査会)
第9条 市に対する不当要求行為等への組織的な対応を徹底し、公正な職務の執行を確保するため、米原市公正職務審査会(以下「審査会」という。)を設置する。
2 審査会の所掌事務は、次に掲げる事項とする。
(1) 第7条第3項後段の規定により審査会に求められた事項について調査審議すること。
(2) 不当要求行為等に対して市長が執るべき措置について意見を述べること。
3 審査会は、委員3人をもって組織する。
4 委員は、次に掲げる者のうちから市長が委嘱する。
(1) 法律について専門の学識経験を有する者
(2) 前号に掲げるもののほか、不当要求行為等への対処の方法について深い知識および経験を有する者
5 委員の任期は、3年とする。ただし、委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
6 委員は、再任されることを妨げない。
7 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。
(不当要求行為等に対する措置)
第10条 市長は、対策委員会から第7条第3項本文の通知を受けたときは、当該通知に基づき、不当要求行為等の行為者に対し、文書での警告、警察への通報、仮処分の申立てその他不当要求行為等に対し執るべき必要な措置を講じなければならない。
2 市長は、前項に規定する措置を講じたにもかかわらず、当該不当要求行為等が止まないときは、当該不当要求行為等の行為者の氏名または名称、不当要求行為等の内容その他必要と認める事項を公表することができる。
(運用状況の公表)
第11条 市長は、毎年度、この条例の運用状況を取りまとめ、公表するものとする。
(委任)
第12条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
付則
この条例は、令和5年4月1日から施行する。