○水源の里まいばら元気みらい条例
平成21年6月16日
条例第20号
米原市は、滋賀県一の高さを誇る伊吹山、霊仙山を頂とする山系から琵琶湖へとつながる水と緑を守り、水の流れの上流に位置するまちとして、澄んだ空気を再生する山林を守り、命を育む大切な水を人々に届けるという重要な使命を持っている。
しかし今、地球規模で環境問題が深刻化する中、豊かな自然環境に囲まれ、日本の文化の原点であった農山村の集落では、都市部への人材流出と急激な人口減少および高齢化により、きれいな水や空気を供給し続けるために必要な自然循環を維持するための担い手が減少し、集落機能の維持をも危惧される事態に直面している。
私たち米原市民は、先人の知恵と行動力に学び、様々な人々との連帯の輪を広げる中で、上流に住むものが下流に住む人々の暮らしを思い、また上流に住むものが下流に住む人々に感謝される関係づくりを進め、この上流と下流の支え合いの中で様々な資源が循環し、水源の里を守る人の心と力の結集によって再生される地域社会「自然循環共同体」の形成を目指すことを決意し、ここに水源の里まいばら元気みらい条例を制定する。
(目的)
第1条 この条例は、過疎、高齢化が進行し地域の活力が低下している集落の持続的発展を目指し、市民、事業者等および市(以下「市民等」という。)の責務を明らかにするとともに、必要な施策に関する基本となる事項を定めることにより、現在および将来の市民が元気で生き生きとした生活を営むことができるようにすることを目的とする。
(水源の里)
第2条 水源の里は、米原市全域の集落とし、米原市から注ぐ水や森林によって再生される空気が、全ての市民の環境と調和した持続的な暮らしの営みによって担保されることが必要かつ重要なことから、市民等および全集落が上流と下流の支え合いの中で活動を行い、水源の里を共有の財産として守り続けるものとする。
(基本理念)
第3条 市民等は、水源の里に暮らすものの誇りと責任において、農山村地域の価値に再び光を当てるとともに、次に掲げる基本理念に基づき行動するものとする。
(1) 自然環境に即した持続可能な生活文化を再生し、その暮らしの重要性を社会に示し伝えること。
(2) あらゆる人と連帯し、新鮮な水や空気を供給できる環境を維持し、これらを人々の命の源として守ること。
(3) 自然と向き合う人間の生き方を示し、次代に引き継ぐこと。
(市民および事業者等の責務)
第4条 市民および事業者等は、水源の里における自然環境および地域文化を保護、保全し、これらを資源として活用した地域活動を増進させるよう努めるものとする。
(市の責務)
第5条 市は、第1条に規定する目的を達成するため、地域の持続的発展を支援する総合的な施策を計画的に実施しなければならない。
(施策の基本方針)
第6条 市は、市民および事業者等が主体となる地域の持続と活力づくりを支援するため、次に掲げる施策の基本方針に基づき、地域および活動するものの状況等を総合的に勘案した上で施策を実施するものとする。
(1) 水源の里としての誇りと価値を創造し、その価値をいかした地域像の育成および発信
(2) 水源の里の魅力や重要性を学び、上流と下流のかけがえのない関係を実感させる自然体験教育の推進
(3) 地域の住みよさ向上と定住促進を目指す集落等の連携による誇りの創出および総合的な空き家対策の推進
(4) 水源の里の資源を持続的に守りいかす新産業の創出および人材の育成
(5) 過疎、高齢化に対応した生活基盤整備の促進および地域の安全確保策の支援強化
(6) 先人から引き継いだ地域独自の文化を大切にしながら、今に生きる人々の知恵や技などを融合し、次代に引き継ぐ新たな文化の創造
(持続的な展開)
第7条 市民等は、水源の里に育ち、暮らすことに誇りと価値を持ち、水源の里の大切さを学ぶ教育環境づくりの推進に努めるとともに、絶えず自然に向き合う人間の生き方を子どもたちに示し、この条例の基本理念があらゆる人々に理解され、将来にわたり継承されるよう努めるものとする。
(施策の提言等)
第8条 市長は、この条例に基づく施策について、水源の里まいばら元気みらい条例推進委員会の提言、検証および評価を受けるものとする。
(委任)
第9条 この条例に定めるもののほか、必要な事項は、規則で定める。
付則
この条例は、公布の日から施行する。
付則(平成26年6月23日条例第28号)
この条例は、公布の日から施行する。
付則(平成28年3月24日条例第3号)抄
(施行期日)
1 この条例は、平成28年4月1日から施行する。
(経過措置)
3 前項の規定による廃止前のそれぞれの条例および付則第6項から第25項まで(付則第21項を除く。)の規定による改正前のそれぞれの条例(以下「旧条例」という。)の規定による付属機関およびその委員その他の構成員は、この条例による相当の付属機関およびその委員その他の構成員となり、同一性を持って存続するものとし、その任期は、当該委員の残任期間とする。この条例の施行の日前に執行機関が定めるところに置かれている委員会その他の合議制の機関およびその委員その他の構成員についても、同様とする。
4 旧条例の規定によるそれぞれの付属機関に係る諮問、答申その他の行為は、この条例の規定による相当の付属機関に係る諮問、答申その他の行為とみなす。前項後段に規定する委員会その他の合議制の機関に係る諮問、答申その他の行為についても、同様とする。