○米原市環境基本条例

平成18年7月1日

条例第44号

目次

前文

第1章 総則(第1条~第6条)

第2章 環境の保全および創造に関する基本的施策

第1節 施策の基本方針(第7条)

第2節 環境基本計画(第8条)

第3節 環境保全(第9条・第10条)

第4節 推進施策(第11条~第16条)

第5節 行動促進施策(第17条~第19条)

第3章 補則(第20条)

付則

米原市は、日本百名山の一つである伊吹山と霊仙山の山地部から琵琶湖のほとりに至る平野部まで、豊かな自然・水と緑に恵まれ、人と自然が共生しながら、交通の要衝として歴史的・文化的発展を遂げ、豊かなまちを形成してきた。

しかしながら、物質的な豊かさを追求するあまり、大量生産、大量消費、大量廃棄の社会経済活動が繰り返され、その結果、公害や廃棄物処理の問題をはじめ、身近な自然の減少などの環境問題を引き起こし、地球の温暖化やオゾン層の破壊など地球規模での環境の悪化が人類をはじめとする生物の生存をも脅かしている。

私たちは、限りある資源を有効に活用し循環させ、環境への負荷の少ない経済活動や生活のあり方を確立し、健康で文化的な生活に欠くことのできない良好な環境を守り、育み、将来の世代に引き継ぐ大きな責務を有しており、生態系の多様性の確保および生活環境が保全されるように努める。

ここに環境優先の理念の下、私たちは、将来に向かって良好な環境形成に関する方向と取組みを総合的かつ計画的に推進することを明らかにし、自然きらめき、ひと・まち ときめく交流のまちを実現するため、この条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、良好な環境の保全および創造(以下「環境の保全および創造」という。)について、基本理念を定め、市民、事業者および市の責務を明らかにするとともに、環境の保全および創造に関する施策の基本となる事項を定め、これらの施策を総合的かつ計画的に推進することにより、現在および将来の市民が健康で文化的な生活を営むことができるようにすることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 公害 環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下および悪臭等によって、人の健康または生活環境(人の生活に密接な関係のある財産ならびに人の生活に密接な関係のある動植物およびその生育環境を含む。以下同じ。)にかかる被害が生ずることをいう。

(2) 良好な環境 現在および将来の市民が健康を維持し、安全で快適かつ文化的な生活を営むことができる生活環境および自然環境(自然の生態系をめぐる土地、大気、水および動植物をいう。以下同じ。)ならびに歴史および文化環境をいう。

(3) 環境への負荷 人の活動により環境に与える影響であって、環境保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。

(4) 地球環境保全 人の活動による淡水資源の減少または地球全体の温暖化もしくはオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他の地球全体またはその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全をいう。

(基本理念)

第3条 環境の保全および創造は、環境優先の理念の下に市民の良好で快適な環境の恵みを享受する権利の実現と良好な環境を将来に引き継ぐことを目的に行わなければならない。

2 環境の保全および創造は、人と自然との共生を基本として、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築に向けて、すべてのものの公平な役割分担の下に自主的かつ積極的な取り組みによって行われなければならない。

3 地球環境保全は、すべてのものがこれを自らの課題として認識し、あらゆる事業活動および日常生活において積極的に取り組まなければならない。

(市の責務)

第4条 市は、基本理念にのっとり、環境の保全および創造に関する総合的かつ計画的な施策を策定し、これを実施しなければならない。

2 市は、良好な環境を保全するため、必要な調査研究を行わなければならない。

(市民等の責務)

第5条 市民および滞在者(以下「市民等」という。)は、基本理念にのっとり、自ら環境への負荷の低減に努めるとともに、自らの活動が良好な環境を損なうことのないよう配慮しなければならない。

2 市民等は、環境の保全および創造に自ら積極的に努めるとともに、市が実施する環境の保全および創造に関する施策に協力しなければならない。

(事業者の責務)

第6条 事業者は、基本理念にのっとり、健全で快適な環境の確保のために、自らの社会的責任において環境への負荷の低減に努め、公害を防止するとともに、市が実施する環境の保全および創造に関する施策に参画し、協力しなければならない。

第2章 環境の保全および創造に関する基本的施策

第1節 施策の基本方針

(基本方針)

第7条 市は、この章に定める環境の保全および創造に関する施策の策定および実施にあたり、環境優先の理念の下、次の各号に掲げる事項の確保を基本として行わなければならない。

(1) 生態系の多様性の確保、野生生物の種の保存その他の生物の多様性の確保が図られるとともに、森林、農地、湖沼、河川、水辺等における多様な自然環境が地域の自然的社会的条件に応じて体系的に保全されること。

(2) 人の健康が保護され、生活環境および自然環境が適正に保全されるよう、水、大気、土壌その他の環境の自然的構成要素が良好な状態に保持されること。

(3) 人と自然との豊かな触れ合いが確保され、良好な景観が保全されること。

第2節 環境基本計画

(環境基本計画)

第8条 市長は、環境の保全および創造に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、環境の保全および創造に関する基本的な計画(以下「環境基本計画」という。)を定めるものとする。

2 環境基本計画は、環境の保全および創造に関する長期的な目標ならびに施策の基本的な事項について定めるものとする。

3 市長は、環境基本計画を定めるにあたっては、あらかじめ米原市環境審議会の意見を聴かなければならない。

4 市長は、環境基本計画を定めたときは、速やかにこれを公表しなければならない。

5 前3項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。

第3節 環境保全

(環境への配慮)

第9条 市は、環境に影響を及ぼすと認められる施策の策定および実施にあたり、基本理念にのっとり、環境への負荷が低減されるよう努めなければならない。

(監視等の体制の整備)

第10条 市は、公害その他の環境保全上の支障状況を把握するため、必要な監視、測定に関する体制の整備に努めなければならない。

第4節 推進施策

(環境影響評価の推進)

第11条 市は、土地の区画形質の変更、工作物の新設その他これらに類する事業行為を行う事業者が、その事業行為の実施に伴う環境への影響について、あらかじめ行為を行う事業者が自ら適正に調査、予測および評価を行い、その結果に基づきその事業行為に係る環境の保全について適正な配慮を行うよう必要な措置を講ずるものとする。

(規制等の措置)

第12条 市は、公害の原因となる行為および自然環境の適正な保全に支障を及ぼすおそれがある行為に関し、必要な規制の措置を講ずるものとする。

2 前項に定めるもののほか、市は、環境保全上の支障を防止するため、市民等および事業者に対し、指導、助言等の必要な措置を講ずるものとする。

(廃棄物の減量の促進等)

第13条 市は、環境への負荷の低減を図るため、廃棄物の処理の適正化を推進するとともに、市民等および事業者による廃棄物の減量ならびに資源の循環的な利用およびエネルギーの適切かつ有効な利用が促進されるよう必要な措置を講ずるものとする。

(環境教育の充実および環境学習の推進)

第14条 市は、市民等および事業者が環境の保全についての理解を深め、環境に配慮した生活および事業活動が自主的に推進されるよう環境についての学習および教育の振興に関し必要な措置を講じなければならない。

2 市は、環境についての理解が人間形成の上で極めて重要であることから、学校、家庭および地域において環境の保全についての学習が推進されるよう情報の提供、広報活動の充実、学習の場の提供等必要な措置を講じなければならない。

(推進体制の整備)

第15条 市は、環境の保全および創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、関係機関と緊密な連携ならびに調整を図る体制整備等の必要な措置を講ずるものとする。

(報告書の作成および公表)

第16条 市は、毎年、環境の状況ならびに環境の保全および創造のために講じた施策に関する報告書を作成し、公表するものとする。

第5節 行動促進施策

(市民等の自発的な活動の促進)

第17条 市は、市民等、事業者その他市民が組織する団体等が自発的に行う緑化活動、環境美化活動、再生資源の回収活動その他の環境の保全および創造に関する活動が促進されるよう必要な措置を講ずるものとする。

(事業者の環境管理の促進)

第18条 市は、事業者がその事業活動を行うにあたり、その事業活動が環境に配慮したものとなるよう自主的な環境管理を促進するため、必要な措置を講ずるものとする。

(地球環境保全のための行動促進)

第19条 市は、地球環境保全に資するため、地球の温暖化の防止、オゾン層の保護等に関する施策の推進に努めるとともに、環境の保全および創造に関する国際的な連携に努めなければならない。

2 市は、市民等による地球環境の保全に関する国際協力のための活動が促進されるよう情報の提供その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

第3章 補則

(委任)

第20条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

この条例は、平成18年9月1日から施行する。

米原市環境基本条例

平成18年7月1日 条例第44号

(平成18年9月1日施行)